目的

架空送電線の電線・地線の点検は、地上から高倍率スコープ等を使用して目視で実施していますが、電線の全長に亘って異常の見落としが無いよう集中力を要するとともに、時間・労力を要しています。
このため、その解消による点検効率化を目指し、電線の弛度(たるみ)に沿って自律飛行しながら異常検知用の画像取得が可能な「送電線点検用ドローン自律飛行システム」を開発しました。

概要と成果

電線の位置をリアルタイムに把握するため、軽量で消費電力が小さく、撮影対象の背景の影響も受けないミリ波レーダーをドローンへ搭載しました。
ドローンは、ミリ波レーダーにより検知した電線位置に基づいて機体が次に進むべき座標を計算し、電線の弛度に沿って電線との距離と角度を一定に保ちつつ飛行します。
ドローンから撮影した電線画像では、電線の撚りや素線まで確認可能です。開発した「送電線点検用ドローン自律飛行システム」は、 2021年度以降現場適用を開始する予定です。

送電線点検用ドローンの外観

送電線点検用ドローンの外観

送電線点検用ドローンの飛行イメージ

送電線点検用ドローンの飛行イメージ

ドローンの飛行風景

ドローンの飛行風景

ドローンから撮影した電線画像

ドローンから撮影した電線画像

共同研究(開発)者

ブルーイノベーション株式会社
株式会社テプコシステムズ

成果の適用先・事例

2021年度から、市街地を除く単導体送電線を対象に、地上スコープによる電線・地線の特定点検の代わりに自律飛行ドローンを適用していきます。

担当部署

経営技術戦略研究所 技術開発部 次世代電力インフラエリア

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