2017年6月6日
東京電力ホールディングス株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※6月4日午後4時5分頃、福島第一原子力発電所G6タンクエリアにおいて、A9タンク(フランジ型)側面の底面から2番目のフランジ部から水が5~7滴/秒程度滴下していることをパトロール中の協力企業作業員が発見。滴下した水は内堰内に留まっており、外部への流出はない。6月4日午後4時22分、念のため、G6タンクエリア周辺にある外周堰の排水弁を閉操作。また、午後5時25分頃、滴下箇所周辺にビニール養生するとともに、仮設タンクを設置。
当社社員が現場状況等を確認した結果は以下のとおり。
 ・滴下状況:継続中(滴下量変化なし)
 ・当該タンク水位:8,155mm(タンク底面から3番目のフランジより上)
 ・当該タンク内包水:ストロンチウム処理水
 ・堰内水位:深さ約3cm(降雨による影響で溜まった雨水に滴下した水が混入したもの)
 ・滴下箇所周辺の雰囲気線量:約0.3~0.4mSv/h
 ・前回パトロール状況:滴下等の異常は確認されていない(6月4日午後0時頃に実施)
当該タンク側面フランジ部からの滴下水、およびG6タンクエリア堰内水の分析結果は、以下のとおり。
〈当該タンク側面フランジ部からの滴下水〉
 ・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:7.9×101Bq/L)
 ・セシウム137:8.8×101Bq/L
 ・全ベータ:5.4×106Bq/L
〈G6タンクエリア堰内水(滴下箇所直下)〉
 ・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:7.2×100Bq/L)
 ・セシウム137:7.8×100Bq/L
 ・全ベータ:1.4×105Bq/L
この分析結果から、フランジ部から滴下した水は、当該タンク内の水が滴下したものと判断。
6月5日午前6時30分、当該タンク側面フランジ部からの滴下を停止させるため(滴下箇所より低い位置までタンク水位を低下させるため)、仮設ポンプにより当該タンクから同エリア内のC8タンクへ移送を開始。移送状況については、漏えい等の異常がないことを確認。
当該タンク側面フランジ部から堰内に滴下した水の量は、6月4日午後0時頃に実施したパトロールにおいて滴下がないことを確認していることから、それ以降に滴下が発生したものと仮定し、養生が完了した時刻(6月4日午後5時25分頃)までの滴下量を算出した結果、約45Lと推定。
6月5日午前9時30分、G6タンクエリア内堰内の水の汲み上げを開始。汲み上げた水は、角形鋼製タンクに移送し、その後タービン建屋に移送。
その後、当該タンク水位が滴下箇所(第2フランジ)よりも低い位置まで低下し、6月5日午後5時、当該タンク側面フランジ部からの滴下が止まったことを確認。午後5時10分、移送を停止。

※6月5日午後1時35分頃、5・6号機滞留水処理装置(RO装置)の取水槽エリア付近に水溜まりがあることを当社社員が発見。
水は、当該設備が設置したあるコンテナ内の堰内に留まっており、堰外への漏えいはなし。
水が留まった範囲は、約4m×2m×3cm。
その後、滞留水を受け入れていた取水槽から水が溢れたものと確認。溜まり水の量は、約240Lと評価。
溜まり水の分析結果は以下のとおり。
<分析結果>
 ・セシウム134:1.5×101Bq/L
 ・セシウム137:1.2×102Bq/L
 ・全ベータ:3.3×103Bq/L

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設一時貯水タンクBの分析結果[採取日5月31日]について、運用目標値を満足していることを確認。6月5日午前10時10分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時13分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後3時14分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は734m3

サブドレン他水処理施設一時貯水タンクCの分析結果[採取日6月2日]について、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の分析結果[採取日5月24日]について運用目標値を満足していることを確認。6月6日午前10時3分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時7分に漏えい等の異常がないことを確認。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
6月5日のパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
地下貯水槽周辺の観測孔全ベータ放射能が上昇した件、および地下貯水槽i南西側および北東側の漏えい検知孔水において全ベータ放射能が上昇した件について、6月5日に採取した分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。
引き続き、地下貯水槽周辺の監視を継続するとともに、全ベータ放射能が上昇した原因を調査していく。

《1~3号機放水路の状況》
1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2016年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。