2016年12月14日
東京電力ホールディングス株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

12月14日午前11時13分頃、4号機タービン建屋内に設置してある淡水化装置を、A系からB系に切替を行った際、B系の出口ラインから水が漏えいしていることを当社社員が発見。漏えい範囲は1m×1m×1mm。B系を停止し、漏えいは停止。なお、漏えいした水は当該エリアの堰内に留まっている。
 現場調査したところ、淡水化装置B系本体と配管ジョイント部3箇所から漏えい、また、水滴が付着し漏えいの疑いがあるジョイント部を3箇所確認。漏えいおよび漏えいの疑いのあるジョイント部6箇所については手直しを実施。漏えい水は午後1時30分に拭き取りを完了。漏えい水の表面線量率測定の結果は、バックグラウンド値(5μSv/h)と同等。

2号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系の一次系については、現在運転中だが、当該系統の一次系冷却ポンプの電動機点検を行うため、以下の日時で停止。
午後2時22分に停止、午後2時58分に起動。
 冷却停止時のSFP水温度は18.1℃、起動後のSFP水温度は18.1℃。(冷却停止時の温度と変化なし。)

1号機の原子炉注水量について、以下のとおり低減操作(STEP(1))を実施。
 操作開始時間:午前11時35分
 操作終了時間:午前11時57分
 原子炉注水量:4.4m3/h→4.0m3/h
作前後において、原子炉圧力容器底部温度、原子炉格納容器内温度、格納容器ガス管理設備ダストモニタ等のプラントパラメータに有意な変動がないことを確認。
引き続き、プラントパラメータを監視し、原子炉圧力容器底部温度および原子炉格納容器内温度の上昇が想定の範囲(低減操作前と比較して7℃以内)で安定したことを確認後、2017年1月頃に次の低減操作(STEP(2))を実施予定。

5号機使用済燃料プールの冷却について、残留熱除去海水(B)系および燃料プール冷却浄化系(以下、「FPC系」)の弁点検作業に伴い、11月1日よりFPC系から残留熱除去(A)系(以下、「RHR系」)非常時熱負荷モードに切り替えて冷却を実施。当該作業が終了したことから、使用済燃料プールの冷却をRHR系非常時熱負荷モードからFPC系による冷却に切り替えを実施。
RHR系非常時熱負荷モード:午前10時7分停止(停止時の使用済燃料プール水温度:15.4℃)
FPC系:午後0時47分起動(起動時の使用済燃料プール水温度:16.0℃)
切り替え後、運転状態について異常がないことを確認。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置停止中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設一時貯水タンクCの分析結果[採取日12月8日]について、運用目標値を満足していることを確認。

サブドレン他水処理施設一時貯水タンクDの分析結果[採取日12月10日]について、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の分析結果[採取日11月30日]について、運用目標値を満足していることを確認。12月13日午前10時7分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時25分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後4時30分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,570m3

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
12月13日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
地下貯水槽周辺の観測孔全ベータ放射能が上昇した件について、12月13日に採取した水の分析結果は、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。また、その他の分析結果についても、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽周辺の観測孔について監視を継続する。

《1~3号機放水路の状況》
1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。