2016年9月24日
東京電力ホールディングス株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※発電所構内4m盤の既設護岸と海側遮水壁の間の埋め立てエリア(以下、「当該エリア」という。)に流入する地下水や雨水については、当該エリアの地下水位を監視しながら、必要に応じて地下水ドレン移送設備にて汲み上げを行い、サブドレン集水タンクまたはタービン建屋へ移送している。8月以降の降雨の影響により、当該エリア地下水位の上昇が確認されたことから、地下水ドレン移送設備による汲み上げに加え、当該エリア観測井に設置していた仮設ポンプ等による汲み上げおよび当該エリア地下水位の監視を強化していたところ、9月20日午後9時57分頃、台風16号接近に伴う降雨の影響により、当該エリア地下水位が地表面と同等の水位(0.P.+3,915mm)まで上昇したことを確認。当該エリア地下水位が地表面に達したことで、当該エリアに流入した雨水が地下に浸透せず、地表面を通って発電所港湾内に流れ出る可能性がある。
当該エリアの現場確認を行い、当該エリア観測井付近からの水の噴き上げがないこと、海側遮水壁に変形がないことを確認した。9月21日午前7時5分からバキューム車による汲み上げ操作を開始し、午前10時時点で3,877mmと、地表面と同等の水位(O.P.+3,915mm)を下回っていることを確認した。引き続き、当該エリア地下水位を低下させるため、汲み上げを行う予定。なお、当該エリア観測井付近に土のう堰を設置し、土のう堰内の地表面に溜まった水を採取・分析する予定だったが、観測井付近からの水の噴き上げがないことから、水の採取は実施していない。港湾口海水放射線モニタの値に変動はない。9月21日に採取した港湾内の海水の分析結果は、降雨時の変動の範囲内であり有意な変動はなし。引き続き、当該エリア地下水の水位を監視するとともに、港湾口海水放射線モニタの値に有意な変動がないことを確認していく。なお、港湾内の2地点においてセシウム137が最近の変動から見るとやや高めの傾向を示したが、これは過去の降雨時にも同様の傾向が見られており、降雨による構内排水路等からの流れ込みの影響と考える。
 ・1~4号機取水口内北側:74Bq/L(9月21日採取)
 ・1号機取水口     :95Bq/L(9月21日採取)
引き続き、当該エリア地下水の水位を監視するとともに、港湾口海水放射線モニタの値に有意な変動がないことを確認していく。
当該エリア地下水位については、地下水ドレン移送設備による汲み上げを行うと共に、9月21日の日中時間帯にバキューム車による汲み上げを実施し、一時的に水位を低下させていた。しかしながら、9月20日までの降雨の影響により地下水の流入が継続していることから、再度水位が上昇し、9月21日午後10時59分頃、当該エリア地下水位が地表面と同等の水位(O.P+3915mm)まで上昇したことを確認した。9月22日午前7時5分からバキューム車による汲み上げ操作を開始し、午前9時時点で、地表面と同等の水位(O.P+3915mm)を下回っていることを確認した。引き続き、当該エリア地下水位を低下させるため、汲み上げを行っていく予定。また、港湾口海水放射線モニタの値に有意な変動はない。なお、9月22日午前7時58分当該エリアの現場確認を実施した結果、当該エリア観測井付近からの水の噴き上げがないこと、海側遮水壁に変形がないことを確認した。9月22日採取した港湾内の海水の分析結果は、降雨時の変動の範囲内であり有意な変動はない。また港湾口海水放射線モニタにも有意な変動はない。引き続き、当該エリア地下水の水位を監視するとともに、港湾口海水放射線モニタの値を確認していく。
当該エリア地下水位については、地下水ドレン移送設備による汲み上げを行うと共に、9月22日の日中時間帯にバキューム車による汲み上げを実施し、水位を低下させていた。その後、降雨の影響による地下水の流入が継続していることから、9月22日午後6時25分頃、当該エリア地下水位が地表面と同等の水位(O.P+3915mm)まで再度上昇(3回目)したことを確認した。港湾口海水放射線モニタの値に有意な変動がないことを確認している。9月22日午後8時5分頃当該エリアの現場確認を実施した結果、当該エリア観測井付近からの水の噴き上げがないこと、海側遮水壁に変形がないことを確認。
9月23日午前8時頃からバキューム車による汲み上げ操作を開始し、午前10時30分時点で、地表面と同等の水位(O.P+3915mm)を下回っていることを確認。引き続き、当該エリア地下水位を低下させるため、汲み上げを行っていく。また、港湾口海水放射線モニタの値に有意な変動はない。
9月23日に採取した港湾内の海水の分析結果ついては、降雨時の変動範囲内であり有意な変動がないことを確認。引き続き、当該エリア地下水位を監視するとともに、港湾口海水放射線モニタの値に有意な変動がないことを確認していく。

9月24日より、発電所の敷地境界外に影響を与えるリスク総点検の一項目として、小型無人飛行機に線量計を搭載した直接測定により、1/2号機排気筒の線量調査を開始した。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中
・原子炉建屋カバー解体工事については、散水設備の設置、オペレーティングフロア崩落屋根上の小ガレキ吸引作業および崩落屋根下の飛散防止剤散布を実施。これらの作業が終了し準備が整ったことから、壁パネルの取り外し作業を実施する。壁パネルは全部で18枚あり、取り外し作業期間は約3ヶ月を予定。9月13日から当該作業を開始。当該作業にあたっては、今後も継続的に飛散防止剤の散布を実施する。また、ダストモニタおよびモニタリングポストにてダスト濃度等の監視を十分に行いながら慎重に作業を実施していく。

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設一時貯水タンクCの分析結果[採取日9月18日]について、運用目標値を満足していることを確認。9月24日午前9時58分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時8分に漏えい等の異常がないことを確認。

サブドレン他水処理施設一時貯水タンクDの分析結果[採取日9月20日]について、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
9月23日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
地下貯水槽周辺の観測孔全ベータ放射能が上昇した件について、9月23日に採取したi~iii観測孔の水の全ベータ放射能分析結果は、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。
また、その他の分析結果について有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽周辺の観測孔について監視を継続する。

《1~3号機放水路の状況》
1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
※今回の分析結果については、至近の分析値と比較して有意な変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。