2016年2月13日
東京電力株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

2月9日午前 6時25分頃、使用済燃料プール代替冷却系(SFP)の漏えいを示す警報※1が発生し、ポンプが自動停止。現場を確認し、同日午前6時39分に漏えい等の異常が無いことを確認。なお、使用済燃料プール内には燃料は保管されていない。その後の現場調査においても、SFP系に漏えい等の異常は確認されていない。

 *1:SFP系の入口/出口流量の差が一定以上になった場合、系統漏えいの可能性があることから警報を発生させるとともに、一次系ポンプを自動停止して系統を隔離させる。

当該警報が発生した原因を調査するため、SFP系のトレンドデータを確認したところ、電気品点検に伴って計装配管の凍結防止ヒーター用電源を「切」にした際に、SFP系出口流量の指示が低下していることを確認した。
計装配管の凍結防止ヒーター用電源「切」とSFP系出口流量の指示低下との因果関係については、計装配管内に空気が残留していた状況において、凍結防止ヒーター用電源を「切」にしたことで、当該計装配管内に温度変化が生じ、出口流量計(差圧伝送器)に影響※2を与えたため、SFP出口流量の指示が低下した可能性が高いと考えております。

 *2:温度変化による水と空気の膨張率の差により、差圧伝送器の高圧側と低圧側の計装配管で一時的な差圧変動が発生したものと推測した。

4号機SFP系については、当該計装配管内の空気抜きを実施した上で、2月13日4時28分よりSFP一次系ポンプを起動して確認運転を行っていたが、運転状態に異常はなく、入口/出口流量も安定していることから、継続して運転を行うことと致した。なお、計装配管の凍結防止ヒーター用電源については、電気品点検が終了した後(2月9日)に電源を「入」にしている。

雑固体廃棄物焼却設備については、2月8日より焼却試験を行っていたが、A系排ガス冷却器の点検口から水が滴下していることを確認したことから、2月13日12時38分に停止操作を行った。なお、モニタリングポスト等の指示値については、有意な変動は確認されていない。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム停止中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系については、当該系統の弁点検のため、2月5日午後2時37分停止(2月17日午後6時までの約292時間停止予定)。冷却停止時のSFP水温度は、11.1℃であり、冷却停止時間におけるSFP水温度上昇率は0.055℃/hで、停止中のSFP水温度上昇は最大で約16.1℃と評価されることから、運転上の制限値60℃に対して余裕があり、SFP水温度の管理上問題ない。
・1号機原子炉格納容器ガス管理設備については、2月8日から2月12日まで作業日毎に当該設備を停止して、特定原子力施設に係る実施計画「III特定原子炉施設の保安」第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)を適用し、当該設備の信頼性向上を目的とした制御サーバ多重化等の改造工事を実施。
 2月9日午前9時40分より同項を適用して当該作業を開始。午後3時35分に同日分の作業を終了。当該設備の動作確認において異常がないこと、また放射線モニタの指示値に有意な変動がないことから、午後5時16分に同項の適用を解除。なお、当該設備の停止期間中における関連監視パラメータに異常なし。
 2月10日午前9時37分より同項を適用して当該作業を開始。午後3時1分に同日分の作業が終了。当該設備の動作確認において異常がないこと、また放射線モニタの指示値に有意な変動がないことから、午後5時22分に同項の適用を解除。なお、当該設備の停止期間における関連監視パラメータに異常なし。
 2月11日午前9時30分より同項を適用して当該作業を開始。午後3時3分に同日分の作業が終了。当該設備の動作確認において異常がないこと、また放射線モニタの指示値に有意な変動がないことから、午後5時23分に同項の適用を解除。なお、当該設備の停止期間における関連監視パラメータに異常なし。
 2月12日午前9時43分より同項を適用して当該作業を開始。午後2時41分に同日分の作業が終了。当該設備の動作確認において異常がないこと、また放射線モニタの指示値に有意な変動がないことから、午後4時55分に同項の適用を解除。なお、 当該設備の停止期間における関連監視パラメータに異常なし。なお、当該設備の改造工事に伴う停止作業については終了。

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日2月7日]については、運用目標値を満足していることを確認。2月12日午前9時57分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時12分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後2時42分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は678m3

サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの分析結果[採取日2月8日]については、運用目標値を満足していることを確認。

《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の分析結果[採取日 1月28日]については、運用目標値を満足していることを確認。2月9日午前9時55分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後4時1分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,532m3

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
2月12日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、2013年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
2013年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。3,4号機間においては2015年4月1日、ウェルポイントからの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、2013年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
※2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《1~3号機放水路の状況》
※1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

《K排水路の状況》
※耐圧ホースから漏えいした水が側溝からK排水路を経由し、港湾内に流出したことから、K排水路排水口ならびに港湾口連続モニタの監視を実施。

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

以上

添付資料

参考資料(最終更新日時:2015年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。