一般家庭向け蓄電池ソリューション事業を展開する英国ベンチャー企業Moixa社への出資について
2017年4月4日
東京電力ホールディングス株式会社
当社は、3月31日、一般家庭向け蓄電池ソリューション事業を展開している英国ベンチャー企業Moixa社(モイクサ社、最高経営責任者:Simon Daniel氏、本社:英国ロンドン)へ出資いたしました。出資額は50万ポンド(約7千万円)、出資比率は約3%となります。
同社は、英国の住宅に適したコンパクトで安価な蓄電池を一般家庭向けに設置・販売・リースする事業を展開しており、自社開発したソフトウェアやプラットフォームを活用し、複数の家庭に設置されている蓄電池の充放電を遠隔で制御することで蓄電池の余剰電力を集約し、事業者に販売することなどで経済的なメリット※1を提供しています。
具体的には、設置費用約2,100ポンド(約30万円)の蓄電池(容量2kWh)をお客さまが設置すれば、年間約210ポンド(約3万円)の電気料金の節減効果があり、10年間で初期費用を回収することができます。また、今後のコストダウン効果を見込めば、回収期間はさらに短縮することも可能であり、同社は一般家庭向けの蓄電池の普及拡大に積極的に取り組んでいます。
一方、国内では、家庭用太陽光発電による電力買取価格が低下傾向にあり、今後、蓄電池の価格がさらに低下すれば、太陽光発電の有効な活用方策として蓄電池の普及が進むと同時に、周波数調整力※2等の市場整備の進展に伴い、蓄電池の充放電により電力系統へ調整力を提供するソリューション事業の発展も期待されます。
当社は、英国で実績を持つ同社への出資を通じてナレッジを獲得し、国内の一般家庭向けに蓄電池ソリューション事業を検討するなど、新たなビジネスチャンスの創出に繋げてまいります。
以 上
※1 経済的なメリット:
- 太陽光発電設備(PV)の余剰電力、および電気料金が安い時間帯の電力を蓄電し、電気料金が高いピーク時間帯に放電を行うことで電気料金を節約
- 蓄電池の余剰電力を系統運用者等に周波数調整等の調整力を集約して販売、対価を顧客へ還元
※2 調整力:電力の需給調整、周波数調整等に用いる電力
参考資料