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平成19年度 不適合管理委員会報告情報(平成19年4月12日分)

◆ 不適合とは、本来あるべき状態とは異なる状態、もしくは本来行うべき行為(判断)とは異なる行為(判断)を言います。法律等で報告が義務づけられているトラブルから、発電所の通常の点検で見つかる計器や照明の故障など、広い範囲の不具合事象が対象になります。
平成19年4月12日(木)に不適合管理委員会で審査された不適合事象は、下記のとおりです。

   区分 1 : 該当なし

   区分 2 : 該当なし

   区分 3 : 1 件
No. 号機等 不適合件名 グレード 備 考
1 3号機 定期検査中の3号機において、4月11日に残留熱除去系(B系)の水張り作業中に、午後2時44分頃、当社社員が原子炉建屋1階パイプスペース室の床(堰内)及び地下1階床に水が漏れていることを確認、その後、地下2階床にも水が漏れていることを確認した。
 水の漏えいは、当該系統のドレン弁を閉じ、午後3時25分頃停止した。同建屋1階パイプスペース室床の堰内(約540リットル)を越えて漏えいした水の量は、地下1階床に約20リットル、地下2階床に約0.1リットルであり、放射能量は約2.8E+5ベクレルであった。漏えい水は、拭き取り等により回収し、清掃を実施した。
 原因は、当該系統の水張り作業時に運転員が当該ドレン弁を完全に「閉」にしなかったため、ドレン弁が接続されているドレンファンネルに水が流入、ドレンファンネルに流れ切れなかった水がパイプスペース室床(堰内)に漏れ、さらに堰内の配管貫通部から地下1・2階の床に漏れたものと推定した。
 対策として、系統水張り作業時は、水張り弁を徐々に開するとともに、不完全な閉状態の弁を早期発見するため、ドレン弁が接続されているドレンファンネルを確認するよう手順書に反映する。また、事例検討会を実施し、運転員に周知する。
A 4月12日公表済
  (PDF77.7KB)

   その他 : 22 件
No. 号機等 不適合件名 グレード 備 考
1 1号機 原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩器(B)再生操作時、同系ろ過脱塩器制御盤のろ過脱塩器(B)停止用押しボタンスイッチに動作不良(復帰不良)が認められたため、当該押しボタンスイッチを交換 D  
2 2号機 原子炉建屋6階使用済燃料プールゲートパッキン点検において、同ゲートパッキンの一部に亀裂が認められたため、当該ゲートパッキンを交換 D  
3 2号機 タービン建屋復水器(B)(C)東側(海側)ヤードのブロックアウト部防水カバー取外しにおいて、防水カバー下部、及び防水カバー取付フレーム部に腐食が認められたため、当該防水カバーを交換 D  
4 2号機 設備パトロールにおいて、放射性ドレン移送系タービン建屋ストームドレンサンプ(B)ポンプ(B)用電動機の冷却ファンカバー付近に異音の発生が認められたため、当該電動機を点検 D  
5 3号機 原子炉補機冷却系第2中間ループ熱交換器(C)用貝殻除去装置点検作業において、同装置に使用しているフランジボルト1本に固着が判明したことから、当該固着ボルトを取外すため、補機冷却海水系の試料採取シンクドレン配管の支持物にチェーンブロックとワイヤーロープを掛け、テンション(張力)を加えたところ、シンクドレン配管支持物がずれ、同配管がシンクより外れたため、当該シンクドレン配管及び同支持物を補修並びに対応検討 D  
6 3号機 原子炉補機冷却系第2中間ループ熱交換器(C)用貝殻除去装置点検において、同装置フランジ(熱交換器側)のライニング部に微少な剥離が認められたため、当該ライニングを補修 D  
7 3号機 直流電源設備125V高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電設備用充電器盤タイマーリレー点検において、タイマーリレー3個のリレー取付用ソケットに破損が認められたため、当該ソケットを交換 D  
8 3号機 循環水ポンプ空気抜き弁(A,B,C)点検において、フロートの劣化及び弁座の腐食が認められたため、当該フロート及び弁座を交換 D  
9 3号機 主蒸気系主蒸気隔離弁(AO-F002A)のコントロールパネル単体の気密漏えい試験において、コントロールパネル排気ポートより空気の微少漏えいが認められたため、当該コントロールパネルを点検 D  
10 3号機 3.4号機工具管理センターのトルクレンチ定例校正において、トルクレンチ1台に判定値外れが認められたため、当該トルクレンチを再校正、及び使用機器への影響評価を確認 D  
11 3号機 タービン主蒸気系・抽気系ドレントラップ(D002)点検において、同ドレントラップのバイメタルユニットのスナップリングに割れが認められたため、当該バイメタルユニットを交換 D  
12 3号機 制御棒駆動系水圧制御ユニットスクラムパイロット電磁弁(D001-125)点検時、同弁4台(制御棒座標:22-33(A)(B)、26-59(B)、46-55(A))のケーブル用フレキシブル電線管4本の接続金具に破損が認められたため、当該フレキシブル電線管を交換 D  
13 3号機 復水補給水系蒸化器水位調節弁(LCV-F118)開閉試験において、同弁に弁開度75%の模擬信号を入力したところ、弁開度75%で弁に動作不良(ハンチング)が発生したため、当該調節弁の制御用ポジショナーを点検 D  
14 3号機 主復水器(A)、(C)の各第2水室出口水位スイッチ元弁(F704B、F704F)点検において、同弁2台の逆座に腐食が認められたため、当該弁2台の弁棒、弁体を交換 D  
15 3号機 所内電源設備480Vパワーセンター(閉鎖配電盤)3SHX(No.5C)のしゃ断器点検において、同しゃ断器投入回数カウンターに動作不良が認められたため、当該カウンターを補修 D  
16 3号機 タービン建屋高電導度廃液系サンプ(B)の出口流量計(FT-117B)において、同サンプポンプが停止中にも係わらず指示値の発生が認められたことから、当該流量計検出配管の詰まりが考えられるため、同検出配管を清掃 D  
17 3号機 残留熱除去機器冷却海水系の系統水張り後の漏えい確認において、非常用ディーゼル発電設備冷却系熱交換器(B)の海水側水室ベント弁(F607B)にシートリークが認められたため、当該弁を点検 D  
18 4号機 炉心性能計算機において、端末機器の電源が電源切替操作により一時的に停電したため、端末機器の再起動状況を確認したところ、同端末機器の画面に炉心性能計算機用メニューが表示されないこと、及び炉心性能計算機との通信異常の発生が考えられるため、原因調査後、対応検討 D  
19 4号機 定期事業者検査「電動機検査(その1の1)」において、原子炉冷却材再循環ポンプ(B)用電動機の電流測定に使用した電流計(検査測定器)に仕様間違いが認められたため、適正電流計を用い、再検査を実施。
 なお、当該電動機の運転電流は試運転時に本設電流計にて問題ないことを確認している。
D  
20 4号機 主復水器水室の正洗、逆洗操作時、主復水器連続洗浄装置(A系)のボール捕集器(A)に「差圧高」表示の発生、ボール捕集器(A)差圧計(DPIS-006A)に指示値不良(ハンチングの発生)が発生するため、ボール捕集器(A)差圧計に不具合があると考えられるため、当該差圧計を点検 D  
21 その他 高起動変圧器用中性点接地抵抗装置点検において、同装置油面計より油(絶縁油)のにじみが認められたため、当該油面計を交換 D  
22 その他 500kV富岡線2号用しゃ断器(O-2)点検において、同遮断器の空気タンク間弁ボンネットフランジ部(3箇所)、及び補助しゃ断部コントロールブロック用弁ボンネットフランジ(3箇所)に空気の微少漏えいが認められたため、当該弁の配管接続部を補修 D  

【凡 例】
公表区分 事象の概要 主な具体例
  区分1  法律に基づく報告事象等の重要な事象  ・ 計画外の原子炉の停止
 ・ 発電所外への放射性物質の漏えい
 ・ 非常用炉心冷却系の作動
 ・ 火災の発生  など
  区分2  運転保守管理上、重要な事象  ・ 安全上重要な機器等の軽度な故障
   (技術基準に適合する場合)
 ・ 管理区域内の放射性物質の軽度な漏えい
 ・ 原子炉等への異物の混入  など
  区分3  運転保守管理情報の内、信頼性を確保
 する観点から速やかに詳細を公表する
 事象
 ・ 計画外の原子炉または発電機出力の軽度な変化
 ・ 原子炉の安全、運転に影響しない機器等の故障
 ・ 主要パラメータの緩やかな変化
 ・ 人の負傷または病気の発生  など
  その他  上記以外の不適合事象  ・ 日常小修理  など

【原子力発電所における不適合事象の是正管理】

 原子力発電所では、設備の健全性を維持し、安全運転を継続するため、発電所設備の定期検査や運転中の巡視点検、定例試験、点検・修理等を行っております。その中で、「不適合」が発見された場合には、「不適合管理マニュアル」に基づき、必要な是正措置を講じることとしております。
 * 「不適合の定義」(JEAG4101-2000より)
   本来あるべき状態とは異なる状態、もしくは本来行うべき行為(判断)とは異なる行為(判断)

○ 不適合管理グレード分け(不適合管理委員会にて決定)
管理グレード 主な具体例
 As  ・法令、安全協定に基づく報告事象
 ・プラントの性能、安全性に重大な影響を与える事象
 A  ・国、地方自治体等へ大きな影響を与える事象
 ・定期検査工程へ大きな影響を与える事象
 B  ・国の検査等で指摘を受けた事象
 ・運転監視の強化が必要な事象
 C  ・品質保証の要求事項に対する軽微な事象
 D  ・通常のメンテナンス範囲内の事象
 対象外  ・消耗品の交換等の事象


(お問い合わせ)
 福島第二原子力発電所・広報部・企画広報グループ
 電 話 0240-25-1353



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