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福島第一原子力発電所の状況について(日報)
2015年11月12日
東京電力株式会社
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※11月12日午前9時50分頃、共用プール建屋に設置されている、待機中の所内共通ディーゼル発電機(A)(以下、「所内共通D/G(A)」という。)において、発電機反カップリング側の下部に潤滑油らしきものの滴下した跡を、パトロール中の当社社員が発見した。このため、同日午前10時31分に双葉消防本部へ連絡した。現場を確認した結果、他に、同日午前10時45分、発電機カップリング側下部にも潤滑油らしきものの滴下した跡を、新たに発見した。二箇所の滴下跡共に、所内共通D/G(A)の発電機軸受けカバーボルト部から軸受け用潤滑油がにじみ、下部に滴下したと推定した。なお、現在は潤滑油のにじみ及び滴下はないことを確認。その後、同日午前10時45分、潤滑油プライミングポンプの運転を行い、漏えい確認を実施したが、当該軸受けカバーボルトからの油にじみは確認されなかった。潤滑油滴下範囲については、発電機カップリング側が30cm×5cm(深さなし)の油溜まりを確認し、発電機反カップリング側は20cm×5cm(深さなし)の油溜まりを確認した。なお、同日午前11時39分、当該油溜まりについて拭き取りを行った。本事象については、同日午前11時43分に双葉消防本部より「危険物漏えい事象ではない」と判断された。建屋内の堰内床表面上にてしみ状に止まっており、当該箇所から、建屋外へ流れ出ることはないと考えている。
※11月2日午前11時21分頃、高性能多核種除去設備において、フィルターのラインの切替作業を行っていたところ、当該ラインに設置してあるベント配管(空気抜き配管)より、水が漏れていることを当社社員が発見した。
水溜まりの範囲は、約5m×約10mであり、堰内に留まっており、外部への流出はない。なお、高性能多核種除去設備の運転を停止したことにより、漏えいは停止していた。原因を調査した結果、高性能多核種除去設備の前処理設備を構成する弁の一つ(以下、「当該弁」という。)が開動作しないことを確認した。これによって、前処理設備が締切運転となり、系統内の圧力が上昇したことで逃し弁が動作し、逃し弁の下流側にあるドレン配管を介して、ベント配管※へ回り込み、その先端に取り付けてある異物混入防止用スクリーンから溢れて、漏えいに至ったものと判断した。
※高性能多核種除去設備が停止中に発生する水素を排出させるために設置した配管
当該弁が開動作しなかった原因としては、10月30日に実施した弁交換時に、弁駆動部と弁体を繋ぐアダプターを接続していなかったことにより、弁体側に駆動力が伝わらずに当該弁が動作しなかったもの。当該弁については、弁体にアダプターを接続し、正常に動作することを確認した。また、ベント配管の先端にある異物混入防止用スクリーンについては、逃し弁が動作した場合の溢水防止として、暫定的に閉止フランジを取り付けた。本事象の発生に伴い、11月2日より高性能多核種除去設備を停止していたが、当該弁が正常に動作することが確認できたことから、同日午後より運転を再開する。
※11月5日午前0時9分頃、2号機タービン建屋に設置されている滞留水移送設備の漏えい検知器が作動した。このため、午前0時11分に2号機タービン建屋から高温焼却炉建屋への滞留水の移送を停止、午前0時12分に3号機タービン建屋から高温焼却炉建屋への滞留水の移送を停止した。当社社員が現場確認した結果、滞留水移送配管の下部に設置してある約2m×5m×5cmの堰内に高さ約2cmの水たまり、堰外に約5m×5m×1mmの水たまりを確認した。また、当該配管は塩化ビニール製シート※1で覆われており、そこから数秒に1滴程度、堰内に滴下していたが、配管を覆っている塩化ビニール製シートには、水が残っているものの、午前2時30分現在、水の滴下は停止している。確認された水たまりは、2号機タービン建屋内に留まっており、環境への影響はないと考えている。
水溜まりが確認された箇所の現場調査を実施し、水溜まり箇所の上部には、4本の滞留水移送配管が敷設されていた。そのうち3本の配管に巻きつけていた塩化ビニール製シート内に水が溜まっていることを確認した。水溜まりのあった床面および塩化ビニール製シート3箇所の水のサンプリング結果は以下の通り。
セシウム-134 セシウム-137 全ベータ (単位:Bq/L)
床面 2.5×106 1.1×107 3.2×107
配管A 4.0×106 1.8×107 5.5×107
配管B 2.2×106 9.5×106 5.1×107
配管C 3.2×106 1.4×107 4.0×107
※1 塩化ビニール製シート
配管からの漏えいを速やかに検知するため、漏えいした水を漏えい検知器に導く目的で、あらかじめ設置したもの。当該シートは4本の配管全てに設置している。
水溜まりが確認された箇所の上部に敷設された4本の滞留水移送配管について、ろ過水による漏えい試験を実施したところ、そのうちの1本の配管(以下、「当該配管」という。)から水の漏えいを確認した。
当該配管については、11月6日にお知らせした、塩化ビニール製シート内に水が溜まっていた3本の滞留水移送配管とは別の配管であった。
また、当該配管について、漏えい箇所近傍にある配管貫通部のシールプレートやコーキング材を剥がして目視確認したところ、配管に親指程度のへこみがあること、へこみの表面に亀裂があることを確認した。
当該配管については、今後準備ができ次第、配管の交換を行うとともに亀裂が発生した原因を調査する。
なお、当該配管以外の3本からは漏えいは確認されておらず、滞留水移送配管の塩化ビニール製シート内に水が溜まっていた原因としては、当該配管から漏れた水が配管表面を伝い、当該配管の下側に敷設※2されている3本の滞留水移送配管に巻き付けてある塩化ビニール製シート内に入り込んだものと推定。
漏えいの発生に伴い各建屋滞留水の移送を停止しているが、当該配管を隔離して、建屋滞留水の移送を実施できることが確認できたため、11月11日午後4時2分より各建屋の滞留水移送を再開した。
※2 4本の滞留水移送配管については、漏えい箇所近傍の配管貫通部では水平に並んで敷設されているが、その後に各配管が立ち下がり、上下方向に並んで敷設されており、当該配管はこの最上段に敷設された状態。
《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置停止中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
※高性能多核種除去設備は、H8タンクエリアのストロンチウム処理水の処理を実施していたが、11月2日の同設備建屋内での水漏れにより処理を停止。
《サブドレン他水処理施設の状況》
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月31日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月2日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日10月29日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、11月11日午前9時55分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後4時48分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,722m3。
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
11月11日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、2013年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
2013年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。3,4号機間においては2015年4月1日、ウェルポイントからの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、2013年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
《地下貯水槽の状況》
※2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
《1~3号機放水路の状況》
※1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
《K排水路の状況》
※耐圧ホースから漏えいした水が側溝からK排水路を経由し、港湾内に流出したことから、K排水路排水口ならびに港湾口連続モニタの監視を実施。
<最新のサンプリング実績>
11月10日採取の分析結果については、先日の分析結果から降雨の影響により、一時的に値が上昇。引き続き、監視を継続する。
11月11日採取の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
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