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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

2015年6月13日
東京電力株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※6月12日午前6時10分頃、1号機原子炉格納容器ガス管理設備(以下「当該設備」という。)(B系)の放射線検出器(以下「検出器」という。)の電圧が低下したことにより、監視不能と判断。今後、原因の調査および当該設備(B系)の点検を実施する。なお、当該設備(A系)については、正常に動作しており、プラントデータ監視に支障はない。また、プラントデータ(原子炉圧力容器底部温度、格納容器内温度等)の異常、モニタリングポスト指示値の有意な変動は確認されてない。
当該設備(B系)の状況を確認したところ、検出器を冷却する装置の冷却機能が一時的に低下したため、検出器の機器保護のため高圧電源の印加が遮断され、機器異常が発生したものと推定。なお、冷却装置の機能一時低下の要因としては、冷媒中の不純物が凍結したことに起因する詰まりが発生したためと推定しており、凍結した不純物が溶解すると、冷却装置の機能が回復したため、一過性のものと考える。
6月12日午後4時45分に、冷却機能回復後に採取したデータに異常がないことを確認したことから、当該設備(B系)は監視可能な状態に復帰(使用可能)したものと判断。
その後、6月13日午前4時36分に、キセノン135の指示が1.34×10-3Bq/cm3からダウンスケールとなったことから、当該設備(B系)は動作不良と判断。今後、原因の調査および当該設備(B系)の点検を行う。なお、当該設備(A系)については、正常に動作しており、プラントデータ監視に支障はない。
また、プラントデータ(原子炉圧力容器底部温度、格納容器内温度等)の異常、モニタリングポスト指示値の有意な変動は確認されていない。

※6月11日午後2時51分、増設多核種除去設備の制御回路に地絡が発生。地絡の影響により当該設備に電源が供給されなくなり、その後、無停電電源装置による運転を継続していたが、無停電電源装置の電源も喪失したため、午後4時54分に増設多核種除去設備の循環待機運転が停止したものと判断。
増設多核種除去設備制御回路の点検を行ったところ、特に循環待機運転が停止に至るような異常は確認されなかった。
また、調査の過程で同日午後2時17分頃、および午後8時3分頃に重故障警報の発生を確認したことから、当該設備を停止し詳細な原因調査を実施する。
なお、当該設備を安定した停止状態へ移行するための系統内の希釈操作を実施する必要があることから、同日午後8時44分に循環運転を再開し、午後9時40分に設備を停止した。
重故障警報(増設多核種除去設備から処理水を受けてタンク側へ払い出す設備(受け払い設備)の異常を検知した際に発報する警報)の発生原因について調査したところ、6月11日に行った受け払い設備およびタンクの水位等を監視する装置のプログラム変更作業による影響の可能性があることから、6月12日午後9時から同日午後11時30分にかけて、当該プログラムを変更前の状態に戻す作業を実施。その後、タンクの水位監視に問題がないことが確認できたことから、6月13日午前0時9分に増設多核種除去設備(A系)、同日午前1時14分に増設多核種除去設備(C系)の処理運転を再開。増設多核種除去設備の運転状態に異常なし。なお、増設多核種除去設備(B系)については、吸着塔交換を行っていることから、当該作業終了後に起動する。
引き続き、重故障警報の発生原因調査を実施していく。

※5月29日午前10時8分頃、構内の35m盤の五差路から2,3号機建屋へ向かう道路(2,3号機建屋側への下り勾配)脇に敷設されている耐圧ホースから水が漏えいしていることを協力企業作業員が発見。同日午前10時26分頃、移送していたポンプを停止したことにより漏えいが停止したことを確認。当該側溝はK排水路に導かれているため、当該側溝内5箇所に土嚢を設置するとともに、パワープロベスター(以下、「バキューム車」)による水の回収を同日午後1時8分に開始。K排水路の排水は、移送ポンプによりC排水路を経由して港湾内に放出されていることから移送ポンプを同日午前11時3分に一旦停止したが、K排水路が港湾外へ越流する可能性があることから、同日午前11時27分に港湾内への排水を再開。漏えいした耐圧ホースは、1,000tノッチタンクから3号機タービン建屋へ水移送に使用していたもの。
至近の1,000tノッチタンクから3号機タービン建屋への移送実績を確認したところ、5月27日より実施。
耐圧ホースから漏えいした水が側溝からK排水路を経由し、港湾内に流出したことから、5月29日午後5時35分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第11号「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物が管理区域外で漏えいしたとき。」に該当すると判断した。
耐圧ホースの穴は、縦約1cm×幅約0.2cmであることを確認。
K排水路排水口の全ベータは耐圧ホースから水の漏えいが確認された5月29日の午後2時に採取した試料において6,600Bq/Lを確認した後、減少し推移している。
福島第一1~4号機取水口内北側(東波除堤北側)、福島第一1号機取水口(遮水壁前)、福島第一2号機取水口(遮水壁前)、福島第一港湾中央においても5月29日朝採取のデータにおいて過去最高値を更新した後、減少し推移している。
K排水路排水口の放射性物質濃度(採取日:6月12日)については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。また、港湾口連続モニタの値に有意な変動が確認されていないことから、外洋への影響はないものと考えている。引き続き、監視を継続する。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を、1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機復水貯蔵タンクの滞留水を、1号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中。

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月11日午前10時15分~)

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年6月11日午前10時19分~)

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備停止中

《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日6月1日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。6月12日午前10時33分より海洋への排水を開始。同日午前10時42分に漏えい等の異常がないことを確認。同日午後3時44分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,278m3

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
6月12日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、2013年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
2013年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。3,4号機間においては2015年4月1日、ウェルポイントからの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新の地下水移送実績>
2013年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、2013年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、2014年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
6月11日採取した地下水観測孔No.1-17において、前回(採取日6月8日)と比較し、セシウム134は前回検出限界値未満(検出限界値:0.39Bq/L)に対し49Bq/L、セシウム137は前回0.88Bq/Lに対し190Bq/Lと上昇を確認。6月12日、再度採取し測定を行った結果、セシウム134は2.8Bq/L、セシウム137は5.0Bq/Lまで低下していることを確認。
なお、地下水観測孔No.1-17の位置する1・2号機取水口間では、海洋への流出防止を目的として、ウェルポイントにおける地下水の汲み上げを継続している。
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~3号機放水路の状況》
※1~3号機放水路については、1号機放水路上流側立坑および2号機放水路立坑において、セシウム137の濃度が上昇したことから定期的に水質調査を実施。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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