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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

2015年4月16日
東京電力株式会社

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、2011年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 2013年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※4月2日午後1時頃、福島第一原子力発電所第二保管施設において、協力企業作業員が、ボックスカルバート*内に収納されている高性能容器(HIC)の確認作業を実施していたところ、HICの上部に溜まり水があることを確認。 
*ボックスカルバート
 鉄筋コンクリート製の箱型保管施設
 ボックスカルバート内には、HIC2基を収納

その後、HICに触れた際、HIC蓋外周部のベント孔より、水が滴下したことを確認。なお、ボックスカルバート外への漏えいはなく、当該作業にあたった15名の作業員への汚染はない。現場確認の結果、2箇所のボックスカルバート(AJ5、AJ8)において、水溜まりがあることを確認。
・AJ5ボックスカルバート:床面(約15L)およびHIC蓋外周部(約10L)(1基)
・AJ8ボックスカルバート:HIC蓋外周部(約1L)のみ(1基)
また、AJ5およびAJ8ボックスカルバート内のHIC蓋外周部に溜まった水とAJ8ボックスカルバート内で水溜まりが確認されたHICの内包水および蓋内部の水について分析を実施。

なお、これまでボックスカルバート内部については定期的に点検をしており、3月30日の点検において、協力企業はクレーンカメラにてAJ5ボックスカルバート内部床面に水溜まりがあることを確認し、3月31日に当社は報告を受けた。
3月31日に当該部のスミヤ採取・測定をした際に、目視にてHIC蓋外周部に水溜まりがあることを確認。当社はHIC上部からの漏えいは考えづらいこと、また、スミヤ測定結果においてHIC蓋外周部は100kcpm超であったものの、床面は34kcpmであったことから結露水と判断した。ただし、線量があったことから、念のため、ボックスカルバート内の確認作業を翌日以降も継続とした。
4月2日にHIC蓋外周部の溜まり水を回収した際、HIC蓋のベント孔から水が出てきたことを確認。また、他のボックスカルバート内も確認できる範囲で点検を実施したところ、AJ8ボックスカルバート内のHIC蓋外周部に少量の水溜まりがあることを確認。
水溜まりが確認された2基のHIC以外について、4月3日以降、以下の観点でHICの現場調査を実施。なお、ボックスカルバート内のHIC蓋外周部などに溜まり水が確認された場合には、分析を実施。
・高線量の内容物を収納したHIC
・保管期間の長いHIC
・構造に違いのあるHIC

また、AJ8ボックスカルバート内1基のHICについては、4月8日に増設多核種除去設備建屋内のHIC保管エリアへ輸送し、4月9日、HIC上蓋を開放し調査を行った結果、以下のことが確認された。
・HIC内包水の液位はHIC上蓋下面より低い位置にあること
・HIC上蓋内空間部には液体が溜まっていること
・HIC上蓋開放前に上蓋と本体の隙間にろ過水を注入したところ、ろ過水がHIC内に流入すること 等
引き続き、AJ8ボックスカルバート内1基のHIC上蓋開放調査を継続。
なお、当該HICは輸送時の振動等の影響で状態変化が発生してしまったことも想定されるため、AJ5ボックスカルバート内1基のHICを対象に、第二保管施設でHIC上蓋開放調査を実施することを計画する。

これまで水溜まりを確認しているHICの製造番号は以下の通り。
【水溜まりを確認したHIC】      【製造番号】
・AJ5ボックスカルバート内HIC → PO646393-172
                       (HICの蓋外周部、ボックスカルバート床面)
・AJ8ボックスカルバート内HIC → PO646393-182
                       (HICの蓋外周部)
・AK8ボックスカルバート内HIC → PO646393-194
                       (HICの蓋外周部)
・A1ボックスカルバート内HIC  → PO641180-229
                       (HICの蓋外周部)
・AN6ボックスカルバート内HIC → PO646393-181
                       (HICの蓋外周部)
・AO7ボックスカルバート内HIC → PO641180-240
                       (HICの蓋外周部および床面ゴムマット上)
・AP6ボックスカルバート内HIC → PO641180-242
                       (HICの蓋外周部)

4月14日、10基のHICの現場調査を実施した結果、以下のとおり、1基のHICの蓋外周部に水溜まり、また、3基のHICの蓋外周部ににじみを確認。
【水溜まりを確認したHIC】     【製造番号】
・AH8ボックスカルバート内HIC → PO646393-197(水溜まり)
・E1ボックスカルバート内HIC  → PO646393-211(にじみ)
・AG6ボックスカルバート内HIC → PO646393-187(にじみ)
・AH7ボックスカルバート内HIC → PO646393-185(にじみ)

4月15日、6基のHICの現場調査を実施した結果、水溜まり等は確認されなかった。なお、以下の要因を主とするHICについて、4月15日までに42基の点検を完了。
<要 因>
・高線量の内容物を収納したHIC
・保管期間の長いHIC
・構造に違いのあるHIC

引き続き、原因究明を行うとともに、今後は上記要因以外のHICについても点検を実施する。

1号機タービン建屋所内ボイラー室近傍のサブドレン水(N1)、および1号機ディーゼル発電機(B)室近傍のサブドレン水(No.1)の放射能濃度の測定結果は以下のとおり。

・1号機所内ボイラー室近傍のサブドレン水(N1) (採取日4月15日)
セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1.2×10-2Bq/cm3
セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:1.9×10-2)Bq/cm3

・1号機ディーゼル発電機(B)室近傍のサブドレン水(No.1)(採取日4月15日)
セシウム134:3.3×10-2Bq/cm3
セシウム137:1.1×10-1Bq/cm3

測定結果については、特定原子力施設に係る実施計画 III特定原子力施設の保安第1編第26条表26-3の運転上の制限値(セシウム134とセシウム137の放射能濃度の合計値が1.0×102Bq/cm3)以下であることを確認。

1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水については、4月16日午後1時11分より1号機タービン建屋へ移送を開始。

1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水移送前の水位は以下のとおり。
〈移送前〉 
実測値:OP 4,610mm(4月16日午後1時5分)
補正値:OP 4,733mm 

同日、午後1時25分頃の1号機ディーゼル発電機(B)室近傍のサブドレン(No.1)の水位は、OP5,102mm。

3号機使用済燃料プール(以下SFP)代替冷却系について、一次系ポンプ(A)の交換作業のため、4月12日午前10時11分に停止したが、同作業が終了したことから、4月16日午後0時16分にSFP代替冷却系を起動。同日午後0時22分運転状態に異常なしを確認。

《1号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(2015年4月16日午前5時53分~午前11時53分)

《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月14日午前10時49分~)

《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年4月14日午前11時34分~)

《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。

地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日4月6日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
4月15日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、測定箇所の上部で高所作業を行っていたことから、パトロール員の安全確保のために70μm線量当量率の測定を一部実施しなかった箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、2013年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
2013年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。3,4号機間においては2015年4月1日、ウェルポイントからの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新の地下水移送実績>
2013年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、2013年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、2014年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

<3-4号機間ウェルポイント汲み上げ水の測定結果(初採取):4月15日採取分>
・セシウム134 : 7.4 Bq/L
・セシウム137 : 29 Bq/L
・全ベータ   : 58 Bq/L

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※2013年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1号機放水路の状況》
※1号機放水路上流側立坑において、セシウム137の濃度が上昇した件について、1号機放水路立坑水の分析を実施。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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