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福島第一原子力発電所の状況について(日報)
平成27年3月6日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※2月22日午前10時頃、構内側溝排水放射線モニタ「高」警報が発生。その後、午前10時10分頃、構内側溝排水放射線モニタ「高高」警報が発生。午前10時20分、当該放射線モニタの指示値については、以下のとおり。
・A系:5.05×103Bq/L(全ベータ)
・B系:5.63×103Bq/L(全ベータ)
午前10時25分、全汚染水タンクエリアの止水弁が「閉」となっていること、午前10時30分、全汚染水タンクの水位に有意な変動がないことを確認。
午前11時46分までに、多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備、RO濃縮水処理設備、モバイルストロンチウム除去装置(A系・B系・第二の2および4)を停止し、35m盤の移送をすべて停止。
当該放射線モニタA系は、午前11時50分に2.68×103Bq/L(全ベータ)を確認、当該放射線モニタB系は、午後0時20分に2.96×103Bq/L(全ベータ)を確認し、「高高」警報が解除(「高高」警報設定値:3.0×103Bq/L(全ベータ))。
午後0時20分、全汚染水タンクについて、タンクパトロールを完了し、漏えい等の異常がないことを確認。午後0時47分、排水路ゲートをすべて「閉」にした。当該放射線モニタA系は、午後1時30分に1.45×103Bq/L(全ベータ)を確認し「高」警報が解除となった。(「高」警報設定値:1.5×103Bq/L(全ベータ))
午後2時2分、当該モニタの警報発生時に汚染水の移送中であった系統の配管パトロールを実施し、漏えい等の異常がないことを確認。
午後3時1分、当該排水路に溜まった水の排水のため、パワープロべスター(バキューム車)によるくみ上げを開始。
当該排水路について全ベータ放射能の分析を行った結果、定例で分析している当該モニタ近傍(タンク脇側溝(C排水路の合流点前))の2月21日の全ベータ分析結果40Bq/Lと比較して、有意な変動であることを確認。
・構内側溝排水放射線モニタ近傍:3.8×103Bq/L(午前11時採取)
・発電所港湾内排水路出口 :3.0×103Bq/L(午後0時30分採取)
また、「高高」警報発生後の当該放射線モニタ指示値の最大値は以下のとおりであり、流入箇所は特定できていないものの、排水路に汚染された水が流入し、発電所港湾内に流出したと推定。
<構内側溝排水放射線モニタ指示値(最大値)>
A系:5.61×103Bq/L(全ベータ)
B系:7.23×103Bq/L(全ベータ)
2月22日、構内側溝排水放射線モニタ指示値(最大値)のA系を「5.63×103Bq/L(全ベータ)」とお知らせしたが、その後のデータ確認において、読み間違いによる誤りであると判明。正しい値である「5.61×103Bq/L(全ベータ)」に訂正。
構内側溝排水放射線モニタ警報発生については、2月22日午後4時55分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第11号「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物が管理区域外で漏えいしたとき。」に該当すると判断。
午後1時50分に採取した構内側溝排水放射線モニタ近傍の全ベータ放射能分析結果は、約390Bq/Lに低下。
2月22日午後10時に採取したC排水路(構内側溝排水放射線モニタ近傍)の分析結果については、全ベータ値が20Bq/L、セシウム134が検出限界値(3.3Bq/L)未満、セシウム137が6.9Bq/Lであり、通常の変動範囲内の値に低下していることを確認。
また、当該警報発生後、排水路から港湾内への汚染した水の流入防止のため、BおよびC排水路に設置してあるゲートを「閉」とし、溜まった水についてはパワープロベスター(バキューム車)による回収作業を行っている。
降雨の影響等により排水路内の水が溢水し、管理できないところで土壌に浸透する恐れ、さらには外洋への流出リスクを回避する目的から、2月23日午前3時50分から午前5時23分にかけて、最下流側の排水路ゲートおよびB、C排水路のゲートを全て「開」にした。
今後、排水路内の水(採取箇所:構内側溝排水放射線モニタ近傍)および港湾内等の海水(12箇所)については、ガンマ放射能および全べータ放射能の測定頻度を1回/週から1回/日に変更し、モニタリングを強化。
モニタリングを強化した以降、3月3日までの港湾内の海水の分析結果に、有意な変動は確認されていない。
2月23日、当該放射線モニタA系B系の点検清掃を実施。放射線モニタB系は、午後4時に6.92×102Bq/L(全ベータ)を確認し、「高」警報が解除(「高」警報設定値:1.5×103Bq/L(全ベータ))。なお、A系の指示値は、5.44×102Bq/L(全ベータ)。当該放射線モニタの指示値については、2月22日午後10時に採取したC排水路(構内側溝排水放射線モニタ近傍)の分析結果(全ベータ:20Bq/L)と比較し、高い値となっているが、これは当該放射線モニタの検出ラインのバックグランド値が高くなったためであると考えている。当該放射線モニタは、排水路中に含まれる放射性物質濃度の傾向監視として設置したものであり、実測値(評価値)については手分析値を使用する。
当該モニタ「高高」警報の発生に伴い、停止していた多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備、RO濃縮水処理設備、モバイル型ストロンチウム除去装置(A系・B系・第二の2および4)、35m盤の移送については、2月23日午後4時51分までに、順次これらの設備の再起動および移送を再開。起動後の現場確認においても、漏えい等の異常は確認されず、また、当該モニタにおいても有意な変動は確認されていない。
2月22日の当該モニタの指示値に上昇が見られた午前9時30分頃から、排水路の最下流側ゲート(BC1)を閉止するまでの間に、港湾内へ流出した全ベータ放射能量を算出した結果、全ベータ放射能量は約4×108Bq(暫定値)と評価。
3月3日に採取したH4北・H4東エリア南側を通っているC排水路へと繋がる側溝内(H4・H4北・H4東エリア全体の外周堰の内側)に溜まっていた水の分析を実施したところ、全ベータで比較的高い放射能濃度を3月5日に検出。
<C排水路枝側溝内溜まり水>(採取日:3月3日、採取地点:H4東エリア南東側)
・全ベータ : 1.9×103Bq/L
・セシウム134 : 検出限界値未満(検出限界値:2.1Bq/L)
・セシウム137 : 検出限界値未満(検出限界値:2.3Bq/L)
当該側溝内に溜まった水は、3月3日夜に降った雨の影響により、C排水路を通じて発電所港湾内に流れ出たものと考えられるが、構内側溝排水放射線モニタにおける「高高警報」が発生以降、構内側溝排水放射線モニタの指示値は通常の変動範囲内(約1.0×102Bq/L以下)であり、福島第一港湾内の海水分析結果においても、有意な変動は確認されていない。
また、H4・H4北・H4東エリア内のタンク水位に有意な変動はなく、タンクパトロールの結果でも漏えい等の異常は確認されていない。
当該側溝内で比較的高い放射能濃度の水が検出された原因については、今後調査を実施。
3月5日に採取した当該側溝内等の水の分析結果
<C排水路枝側溝内溜まり水>(採取日:3月5日、採取地点:H4東エリア南東側)
・全ベータ : 3.6×102Bq/L
・セシウム134 : 検出限界値未満(検出限界値:0.6Bq/L)
・セシウム137 : 検出限界値未満(検出限界値:2.5Bq/L)
<H4エリア内周堰内溜まり水>(採取日:3月5日)
・全ベータ : 2.5×102Bq/L
・セシウム134 : 検出限界値未満(検出限界値:5.2Bq/L)
・セシウム137 : 検出限界値未満(検出限界値:8.7Bq/L)
<H4北エリア内周堰内溜まり水>(採取日:3月5日)
・全ベータ : 2.9×102Bq/L
・セシウム134 : 検出限界値未満(検出限界値:4.8Bq/L)
・セシウム137 : 検出限界値未満(検出限界値:7.8Bq/L)
<H4東エリア内周堰内溜まり水>(採取日:3月5日)
・全ベータ : 1.6×103Bq/L
・セシウム134 : 検出限界値未満(検出限界値:5.4Bq/L)
・セシウム137 : 検出限界値未満(検出限界値:8.7Bq/L)
3月5日に採取した当該側溝内の水の全ベータ放射能濃度は、3.6×102Bq/Lであり、3月3日に採取した値(1.9×103Bq/L)から10分の1程度に低下。
また、H4東エリア内周堰内の溜まり水は、3月3日に採取した当該側溝内の水と同程度の全ベータ放射能濃度が検出されているが、昨日までのタンクパトロールにおいて、漏えい等の異常は確認されていない。
当該側溝内で比較的高い放射能濃度の水が検出された原因については、引き続き調査中。
なお、2月23日に実施したタンクパトロールにおいて、H4北エリア内周堰の外側近傍(当該側溝付近)のコンクリート床面(2箇所)で、以下の表面線量当量率が検出されたため、2月25日に床面のジェット洗浄を実施。
この際に使用した水は、パワープロベスター(バキューム車)にて全て回収していることから、当該側溝内で比較的高い放射能濃度の水が検出された原因ではないと判断。
<H4北エリア内周堰外側近傍で検出された表面線量当量率>(床面から50cmの距離)
(1)1.5mSv/h(70μm線量当量率(ガンマ+ベータ線))
(2)1.8mSv/h(70μm線量当量率(ガンマ+ベータ線))
《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月2日午前10時25分~)
《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月3日午前9時58分~)
《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日2月24日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。3月6日午前10時12分、海洋への排水を開始。同日午前10時16分に漏えい等の異常がないことを確認。
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
3月5日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。
<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。
《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1号機放水路の状況》
※1号機放水路上流側立坑において、セシウム137の濃度が上昇した件について、1号機放水路立坑水の分析を実施。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成26年12月31日午後4時)
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
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