トップページ > リリース・お知らせ一覧 > プレスリリース > 福島第一原子力発電所の状況について(日報) > 2014年 >
福島第一原子力発電所の状況について(日報)
平成26年9月5日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※9月4日午後0時4分頃、G4南タンクエリアのA5タンクとA6タンクの連絡弁より水が滴下していることを、A4タンクからA5タンクへの水張り作業中の当社社員が発見。滴下している水はRO濃縮水(淡水化装置で発生した濃縮水)で、堰内に留まっており、堰外への流出はない。当該連絡弁からG4南タンクエリア堰内に滴下した量を評価した結果、移送開始後にA5タンク水位が当該連絡弁の高さに到達したおおよその時間から、滴下発見後にビニール袋による養生を施すまでの時間を算出(滴下は1滴/秒として計算)して、約1リットルと推定。A5タンク内の水位を下げるため、午後2時40分頃より、仮設ポンプにてA4タンクへの移送を行っていたが、ひび割れ箇所の補修および夜間における作業安全を考慮して、午後5時50分頃に移送を一旦停止。その後、接着剤(パテ)にてひび割れ箇所の補修を行い、午後6時3分に滴下が停止したことを確認。9月5日以降、仮設ポンプを移送容量の大きなポンプに変更したうえで、A4タンクへの移送を再開する予定。
<A5タンクとA6タンク間の連絡弁からの滴下した水の分析結果>
・セシウム134:2.5×103Bq/L
・セシウム137:7.3×103Bq/L
・全ベータ :9.8×107 Bq/L
<滴下したRO濃縮水が混入したG4南タンクエリア堰内雨水(堰内の四隅から採取したもの)の分析結果>
・セシウム134:検出限界値未満~3.1×100 Bq/L(北東位置のみ検出)
(検出限界値:7.4×10-1~2.2×100Bq/L)
・セシウム137:1.3×100~6.5×100 Bq/L(最大値は北東位置)
・全ベータ:1.8×101~3.6×103Bq/L(最大値は北西位置)
上記の結果から、当該連絡弁よりRO濃縮水が滴下した場所に近い北西位置で全ベータが高い値となっているが、滴下した水(全ベータで9.8×107Bq/L)に比べて、十分低い値となっている。
<滴下場所近傍で採取した堰内雨水の分析結果>
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1.6×101Bq/L)
・セシウム137:2.1×101Bq/L
・全ベータ:3.9×105Bq/L
なお、堰内雨水については、パワープロべスター(バキューム車)にて断続的に汲み上げを行っている。接着剤によるひび割れ箇所の補修を行った以降、定期的なパトロールを実施し、当該連絡弁からの滴下が無いことを確認。
※8月29日午後0時45分頃、3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業において、燃料交換機の操作卓をクレーンにてつり上げるため専用治具で操作卓をつかもうとしたところ、操作卓が当該プール東側中央付近に落下。落下した燃料交換機の操作卓は、燃料ラック上部に設置してある養生材(鉄板高さ30cm程度)と、当該プール内の瓦礫の間に落下していることを確認。瓦礫の下部に燃料が2体あることから、今後水中カメラにて詳細に状況を確認する。なお、3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業は遠隔作業により無人で行われており、作業員の負傷はなし。3号機使用済燃料プール付近の線量は3.2mSv/hで通常値と変化はなく、発電所構内の線量とともに継続監視中。3号機使用済燃料プール代替冷却系については、8月25日より停止していたが、プール水の放射能分析のため、8月29日午後2時37分に起動。
水中カメラによる確認結果(8月30日実施)
・使用済燃料プール内に散乱している瓦礫の堆積により、燃料ラックおよび燃料の目視確認はできなかった。
・使用済燃料プール内に落下した操作卓と共に、操作卓が据えつけられていた架台の一部(約170kg)が落下していたことがわかった。
・落下物の位置、使用済燃料プール内の機器材の配置により、落下物は燃料ラック上部に設置している養生材に落下した後、燃料ラック上部の瓦礫の上に着床したと推定。
・落下物の下部に燃料が2体あることをお知らせしたが、水中カメラの確認による落下物の位置から、落下物の下部に燃料が10体程度あることを確認。
使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月4日)
・セシウム134:2.1×102 Bq/cm3
・セシウム137:6.1×102 Bq/cm3
・コバルト 60:1.5×102 Bq/cm3
・プラントパラメータ(9月4日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし
分析結果については、前回と比較して有意な変動がないこと、また、プラントパラメータに有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。
※4号機使用済燃料プール内に保管している燃料の取り出し作業については、燃料取り出しに使用している4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検を行うため、平成26年7月1日から燃料取り出し作業を中断していたが、当該点検が終了したことから、9月4日より燃料取り出しに係る作業を再開。
《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月3日午前10時47分~)
《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中。
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)
《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備について、地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日8月25日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、9月3日午前10時、海洋への排水を開始。同日午前10時17分に漏えい等の異常がないことを確認。同日午後4時23分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は1,559m3。同日、この際の南放水口付近の海水についてサンプリングを実施し、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
9月4日のパトロールにおいて、タンク間の連絡弁からの滴下の影響で堰内入域を制限したG4南タンクエリアを除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。
<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。
《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
© Tokyo Electric Power Company Holdings, Inc.