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福島第一原子力発電所の状況について(日報)
平成26年7月14日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※7月14日午前7時28分頃、予備変メタクラ*において地絡警報が発生。現場を確認したところ、予備変メタクラから供給している構内配電線2号線のしゃ断器が開放していることを確認。
その後、構内配電線2号線から電源を供給されている負荷を調査した結果、多目的運動場照明用受電設備の電気回路について絶縁抵抗値が0オームである(地絡している)ことを確認。また、同設備へ供給しているケーブルが断線していることが判明。これらの原因については、1~4号機サブドレン浄化設備付属土木関連工事においてケーブルを断線してしまったものと判断。
これにより、構内モニタリング車による測定が出来なくなったため、午前9時10分より、代替措置にて測定を実施していたが、電源が復旧したため午後1時30分より通常監視を再開。構内モニタリング車と同様に絶縁抵抗値等に異常がなかった負荷については、順次復旧を実施し、午後1時48分にすべて復旧が完了。
なお、予備変メタクラ以外の電源設備、1~6号機の主要設備および関連パラメータに異常は確認されておらず、モニタリングポスト指示値に有意な変動は確認されていない。また、本件によるケガ人は発生していない。
現在、地絡が発生した当該しゃ断器については、開放中で装置は引き抜いた状態になっている。また、断線したケーブルについては、今後修理を検討する。
また、同日午前7時31分頃に多核種除去設備の電気品室において火災警報が発生したが、午前7時38分に現場に煙等がないこと当社社員が確認。午前7時51分に再度当社社員による現場確認を実施し、火災および煙の発生がないことおよび多核種除去設備の運転状態に異常がないことを確認。その後、午前8時2分に双葉消防本部へ一般回線にて連絡。その後の調査により、今回発生した地絡との直接的な因果関係が確認されなかったことから、火災報知器単体の故障であると判断。火災報知器については、点検および感知器の交換を実施し、午後2時27分に通常状態に復旧。
*メタクラ:所内高電圧回路に使用する動力用電源盤
※7月6日午前11時10分頃、5号機補機冷却海水系*1配管の弁付近より海水が漏えいしていることを、パトロール中の当社社員が発見。海水の漏えい箇所の特定等を行うため、補機冷却海水系の停止に先立ち、同日午後1時10分に使用済燃料プールの冷却を停止。冷却停止時の使用済燃料プール水温度は23.0℃。(冷却停止時における温度上昇は1時間あたり0.193℃となり、運転上の制限値65℃を超えるまでには約9日間の余裕がある。なお、原子炉の冷却は別系統で行っており、補機冷却海水系を停止後も、現時点で冷却に影響はない。)同日午後1時17分に当該補機冷却海水系を停止し、現場の状況を確認したところ、午後1時34分に海水の漏えいが停止したことを確認。
その後、7月8日午後3時11分 に原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)を停止後、午後3時40分に非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を開始し、使用済燃料プール冷却を開始。今後は、補機冷却海水系が復旧するまでの間、使用済燃料プール水温度ならびに原子炉水温度を見ながら、残留熱除去系による原子炉停止時冷却運転(炉心冷却)と非常時熱負荷運転(使用済燃料プール冷却)を交互に切り替えることで、使用済燃料プールの冷却を実施。
原子炉建屋地下階設備において、漏えいした海水が被水した設備への健全性を確認した結果、炉心スプレイ系ポンプ(A)室空調機本体およびケーブル端子箱内部に浸水があり、空調機用ケーブル接続部の絶縁抵抗が低下していることを確認。これらについては、被水箇所の清掃およびケーブル接続部の再端末処理を行い、当該部の絶縁抵抗が通常値に戻ったことを確認。また、空調機のフィルタについても交換を実施。
被水した設備のうち、炉心スプレイ系ポンプ(A)(空調機および電動弁を含む)、原子炉建屋機器ドレンサンプ*2Aポンプ(A)、トーラスサンプポンプ(B)について確認運転を行ったところ、炉心スプレイ系ポンプ(A)室空調機の電動機の振動が高いことから、7月14日より当該電動機の点検・手入れを実施。その他の設備については、異常は確認されなかった。
また、原子炉建屋機器ドレンサンプAポンプ(B)については、サンプ内の水位が低くポンプが起動できないことから、サンプ内に水が溜まってから確認運転を実施する。
*1原子炉やタービンで使用する冷却水を冷やすための海水
*2サンプ:各建屋内の機器(ポンプ・配管等)からの排水・漏えい水等を処理するために一時貯蔵するための水槽。
《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年7月10日午前10時28分~)
《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後2時42分~)
《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
《地下水バイパスの状況》
※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中。
※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備について、地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日7月3日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、7月14日午前10時33分、海洋への排水を開始。
《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
平成26年7月13日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。
<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。
《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、海側観測孔)は継続実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
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