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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時30分現在】

平成26年4月4日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

※4月2日午前8時46分頃、南米西部(南緯19.8度、西経70.8度)でマグニチュード8.2(推定)の地震が発生。これに伴い、4月3日午前3時に気象庁より、福島県沿岸部に『津波注意報』が発令。発電所海側沿岸部の作業については実施していないことを事前に確認しているが、念のため同日午前3時3分に発電所構内一斉放送にて、高台待避を指示。その後、4月3日午後6時、『津波注意報』が解除されたことから、午後6時12分に発電所構内一斉放送にて高台待避指示を解除。なお、津波注意報発令期間における当発電所沿岸の津波は、目視では確認できない程度の高さだった。また、プラントパラメータおよびモニタリングポスト指示値についても有意な変動は確認されていない。

4月4日4時15分頃、3号機タービン建屋1階西側廊下エリアに設置した建屋内漏えい警報が発生。その後、現場状況を確認したところ、3号機廃棄物処理建屋中央操作室の天井部から流れ込んだ雨水(指3本程度の流れ)が3号機タービン建屋1階西側廊下エリア流入して、当該漏えい検出器が動作させていることを確認。また、本日午前0時から4時までの福島第一原子力構内の降雨量は約36mmであり、降雨量が多い状況であった。(本日午前4時から5時においても約23mmの降雨量。)このことから、当該漏えい警報の発生は、雨水によるものと判断。漏えい水の放射性物質濃度の分析結果は以下のとおり。

<3号機タービン建屋1階西側廊下エリアの建屋内漏えい水分析結果(4月4日採取)>
・全ベータ:29,000 Bq/L 
・全放射能:31,000 Bq/L
・セシウム134:8,100 Bq/L
・セシウム137:22,000 Bq/L

なお、採取水の放射能濃度が高い理由としては、雨水が3号機タービン建屋1階まで流れるまでに、建屋内に付着した放射能が取り込まれたものと推定。また、3号機廃棄物処理建屋中央操作室の天井部から流れ込む雨水の量は指3本程度での流れであり、事象発生時から変更なし。

※4月4日午前4時46分、モニタリングポストNo.8は、本設備の機器故障が発生して、無線式の代替測定器にて監視を継続していたが、同日午前6時3分に無線式代替測定器の機器故障が発生し、午前6時10分より欠測。なお、その他のモニタリングポストについては、異常なし。モニタリングポストNo.8の欠測の対応として、午前7時から人為的な測定を開始。なお、線量当量率は2.5μSv/hであり、無線式代替測定器が欠測する前の測定値と同じ値であった。また、無線式代替測定器の機器故障から人為的な測定を開始するまでの欠測時間は、午前6時10分から6時50分であり、欠測時間におけるモニタリングポストおよびプラントパラメータに異常なし。本設備のモニタリングポストNo.8の機器故障については、正常に復旧したことから、午前8時10分から本設備による測定に切り替えを実施。

※4月4日午前7時頃、福島第一原子力発電所南側にあるG5タンクエリア堰内に溜まった雨水が二重堰(外側)工事中の型枠下部から染み出していることを、パトロール中の当社社員が発見。本日の強い降雨の影響により当該タンクエリア堰内水位が上昇し、内側仮堰(高さ約25cm)からオーバーフローし、施工中の外側堰(高さ約1m)型枠下部から水が染み出た。水が染み出している型枠部分に土のうを設置。G5タンクエリア内には多核種除去設備で処理した水を貯蔵しているが、現時点で当該タンクの水位に変動はなく、タンクからの漏えいも確認されていない。なお、現場付近に側溝はない。当該堰内水の放射性物質濃度の分析結果は以下のとおり。

<G5タンクエリア堰内水分析結果(4月4日採取)>
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値は12 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値は17 Bq/L)
・ストロンチウム90 :検出限界値未満(検出限界値は2.2 Bq/L)※簡易測定結果

分析結果より、当該堰内水は雨水であると判断。なお、G5タンクの水位については有意な変動はなし。

※4月4日午前5時30分頃、強い降雨の影響により、No.1ろ過水タンク堰内に雨水が溜まり堰から溢水したことを、当社社員が確認。当該タンク内には昨年4月25日から29日にかけて、地下貯水槽No.1に貯槽していた濃縮塩水を貯槽しておりますが、タンク内の水位に変動がないことを確認。溢水時、強い降雨に対応するために当該堰内水をノッチタンク(3基)に移送していたが、降雨量が多く溢水した。その後、吸引車により4,000 m3ノッチタンクへ移送を開始し、同日午前8時25分、溢水が停止したことを確認。No.2ノッチタンクの水については排出基準(*)を満足していることから、排水を開始した。No.1,3ノッチタンク水については吸引車により、4,000m3ノッチタンクへの移送を行う。各ノッチタンク内の水の放射性物質濃度の分析結果は以下のとおり。

<No.1>
・セシウム137:39 Bq/L
・セシウム134:25 Bq/L
・ストロンチウム90:10 Bq/L ※簡易測定結果
<No.2>
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:18 Bq/L)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・ストロンチウム90:検出限界値未満(検出限界値:2.2 Bq/L)※簡易測定結果
<No.3>
・セシウム137:30 Bq/L
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:12 Bq/L)
・ストロンチウム90:3 Bq/L ※簡易測定結果

また、No.1ろ過水タンクは溶接式タンクであり、タンク内の水位は現在59.2%で、この数日は変化がないことから、タンク内の水の漏えいはないと判断。なお、当該タンクには地下貯水槽No.1に貯水していた水が貯水されている。
また、当該堰内水およびNo.1,3ノッチタンク水の4,000m3ノッチタンクへの移送実績は以下のとおり。

・No.1ろ過水タンク堰内水の吸引車による4,000m3ノッチタンクへの移送
(午前8時20分~10時10分に実施)
・No.1ノッチタンク水の吸引車による4,000m3ノッチタンクへの移送
(午前10時15分~10時30分に実施)
・No.3ノッチタンク水の吸引車による4,000m3ノッチタンクへの移送
(午前10時15分~10時35分に実施)

なお、No.2ノッチタンク水の排水は午前9時1分~10時5分に実施。また、No.1ろ過水タンク堰内水のオーバーフロー水については、発電所構内A排水路に流れている可能性があることから、当該ろ過水タンク周りの側溝出口(A排水路入口)の水を採取分析したところ、排水基準値未満であることが確認。分析結果は以下のとおり。

<A排水路水分析結果(4月4日採取)>
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値は13 Bq/L)(排水基準値:15 Bq/L)
・セシウム137:20 Bq/L(排水基準値:25 Bq/L)

*排出基準:
・セシウム134:15 Bq/L未満
・セシウム137:25 Bq/L未満
・その他のガンマ核種が検出されていないこと(天然核種を除く)
・ストロンチウム90:10 Bq/L未満(簡易測定法により計測)
・タンク内の水質等を参考に、他の核種も含めて告示濃度基準を満たすこと

《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

4月4日午前4時49分から、1号機原子炉格納容器内温度計(PCV温度計:TE―1625T3)の指示値が、17.2℃(午前4時00分時点)から-20.0℃に低下し、現在も継続している。その他の原子炉格納容器内温度計およびプラントパラメータには、有意な変化は確認されていない。

《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月27日午前9時49分~)

《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年3月12日午後3時48分~)

《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
4月4日午前10時15分、集中廃棄物処理施設において、サイトバンカ建屋からプロセス主建屋への溜まり水の移送を開始。

《H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
4月3日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(トレンドによる監視または警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。

<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機サブドレン観測井の状況》
※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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