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福島第一原子力発電所の状況について(日報)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)
【午後3時現在】

平成26年2月20日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
 平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
 引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。

下線部が新規事項

2月19日、午後11時25分頃、タンクエリアパトロールにおいて、H6エリアに設置されているタンクの上部より水が垂れ落ちていることを協力企業作業員が発見。現場を確認した結果、タンク上部天板部のフランジ部より水が漏えいしており、上部天板部から漏えいした水は雨樋を伝わり堰外へ流出していることを確認。近くに排水路がないことから、海への流出はないと考えている。
漏えいしている水の表面線量率を測定したところ、70μm線量当量率は50mSv/h(ベータ線)、1cm線量当量率は0.15mSv/h(ガンマ線)。漏えいした原因については、今後調査を実施。
その後の現場確認の結果、当該タンクの受入弁(2箇所)が開状態になっていたことから、当該弁を全閉にし、漏えい量が減少したことを確認。また、滴下箇所については、ビニールで養生し、漏えい水を受けている。
本件については、2月20日午前0時43分に核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第62条の3に基づき制定された、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断。
漏えいを止める措置として、同日午前3時30分にH6タンクエリアの当該タンク群間の連結弁を開けて当該タンク水位を下げる操作を実施。その後、午前5時40分に漏えいが停止したことを確認。当該タンク水位は、上部天板部より47cmの位置まで低下。
H6エリアタンク漏えい水および堰内水の分析結果は以下のとおり。
H6エリアタンク雨樋水(2月20日採取)
・セシウム134:3,800 Bq/L
・セシウム137:9,300 Bq/L
・コバルト 60:1,800 Bq/L
・マンガン 54:1,300 Bq/L
・アンチモン125:41,000 Bq/L
・全ベータ:230,000,000 Bq/L

H6エリア堰内水(2月20日採取)
・セシウム134:42 Bq/L
・セシウム137:130 Bq/L
・コバルト 60:35 Bq/L
・マンガン 54:22 Bq/L
・アンチモン125:620 Bq/L
・全ベータ:3,000,000 Bq/L

(参考)淡水化処理装置濃縮水(1月14日採取)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1,000 Bq/L)
・セシウム137:2,600 Bq/L
・コバルト 60:3,400 Bq/L
・マンガン 54:検出限界値未満(検出限界値:450 Bq/L)
・アンチモン125:18,000 Bq/L
・全ベータ:55,000,000 Bq/L

現場にて詳細調査を実施したところ、漏えい範囲はタンク堰沿い南方向に約3m×約40m、近傍道路を跨いでU字溝の中に約30m×約1m、蒸発濃縮装置用タンク設置エリアに約36m×約20mであることを確認。また、漏えい量については、RO濃縮水供給ポンプの移送量およびタンクの空き容量等から、総漏えい量は約110mと推定しており、そのうち堰外に約100m漏えいしたものと判断。漏えいした水のうち回収可能な水については、パワープロべスター(バキューム車)で汲み上げを実施。

2月18日、2号機原子炉圧力容器温度計(TE-2-3-69R)の点検において、絶縁抵抗測定を実施したところ、0オーム(Ω)を指示することを確認。その後の評価により、温度計に短絡が発生しているものと推定され、原子炉圧力容器温度監視機能を発揮できていない状態と判断。
原因として、絶縁抵抗測定時に誤った電圧を印加したことにより、当該温度計に影響を与えた可能性が否定できないことから、今後、対策について検討することとし、当該温度計については交換のための準備を進める。なお、当該温度計は原子炉圧力容器底部温度を監視していたが、近傍にある温度計(TE-2-3-69H3)により監視することが可能。

2月19日午後2時55分頃、5号機タービン建屋地下1階にある漏えい検知器(タービン建屋南西側立溝ピット)が動作したことを示す警報が発生。当該検知器はタービン建屋地下1階に設置されており、タービン建屋外部にあるトレンチ内に入り込んだ水を、タービン建屋内に配管を通じて導き、容器で受けて検知するもの。
現場を確認し、受け容器内に溜まった水を排水したところ、水の流れは停止したことから、漏えいの継続はないことを確認。溜まった水は建屋内からの漏えい水ではなく、雨水または地下水と判断。当該漏えい検知器の受け容器内の水を排水したことにより、同日午後3時6分に同警報は解除された。

《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)

《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

《H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。

<最新のパトロール結果>
平成26年2月19日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、タンク上部天板部からの漏えいが確認されたH6タンクエリア以外のタンクエリアについては、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12の
サンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
H4エリアタンク周辺のE-9の全ベータの値(2月19日採取:6,100Bq/L)において、前回の測定結果(2月17日採取:500Bq/L)と比較して10倍を超過していることを確認。
<地下水観測孔[E-9]の分析結果(2月19日採取分)>
・全ベータ: 6,100 Bq/L
<地下水観測孔[E-9]の分析結果(2月17日採取分)>
・全ベータ: 500 Bq/L
(参考)【これまでの最高値】
<地下水観測孔[E-9]の分析結果(平成25年12月27日採取分)>
・全ベータ: 730 Bq/L
原因としては、2月15日の大雨で地下水が上昇するとともに、E-9付近は現在汚染土壌回収のため掘削作業中であり、周囲の汚染が流れ込み易い状況にあったものと想定。
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。

<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを適宜実施中。
1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.1-16で高い濃度の全ベータが検出されていることから、平成26年1月29日より当該観測孔近傍に設置した地下水汲み上げ用の孔(No.1-16(P))からの地下水の汲み上げを適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。

※地下貯水槽No.1~3における貯水槽内部の残水について、H1東エリアタンクへの移送を実施中。

<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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