平成26年2月7日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う当社福島第一原子力発電所の事故により、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに、大変なご心配とご迷惑をおかけしていることにつきまして、心より深くお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、平成23年4月17日、「東京電力福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」をとりまとめ、同年7月19日に、「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を目標とするステップ1を達成しました。その後、同年12月16日に、「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」を目標とするステップ2の達成を確認し、同年12月21日には、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップをとりまとめました。
平成25年11月18日、4号機使用済燃料プールからの燃料取り出し作業を開始しました。これに伴い、中長期ロードマップの第1期(ステップ2完了から2年以内に使用済燃料プールからの燃料取り出し開始)を前倒しして達成し、中長期ロードマップの第2期へ移行しました。
引き続き、プラントの安定状態の確実な維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰還の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
福島第一原子力発電所の状況について、以下のとおりお知らせいたします。
※下線部が新規事項
※2月6日午前8時50分頃、福島第一原子力発電所登録センター(
*)1階の火災報知器が発報したことから現場を確認したところ、同センター内の機械室から水が出ていることおよび2階で発煙があることを協力企業作業員が発見。同日午前9時10分、消防へ通報。なお、モニタリングポストおよび構内ダストモニタの値に有意な変動はなく、けが人は発生していない。現場確認の結果、登録センター内機械室の空調設備のヒーティングコイルが破損し温水が漏れた影響で、湯気が発生していることを当社社員が確認。当該コイルの通水元弁を閉にし、同日午前10時14分、温水の漏えいが停止。機械室内の雰囲気線量は、3.0μSv/hであり、床面等からは汚染は確認されていない。
その後、消防による現場確認の結果、火災報知器の警報発報については、同日午前10時45分に、消防から「これ以上の災害に発展する恐れはない」と判断された。
その後、2月7日午前11時20分に火災発生有無の調査のため、富岡消防署立会のもと、機械室の空調設備のモータ分解点検を実施。その結果、ヒーティングコイルの破損による蒸気によって火災報知器が動作したものと推定され、火災ではないと判断された。
(*)登録センター:現在は協力企業作業員の休憩所として利用されており、入退域管理施設の北側にある建物。
※2月6日午前10時50分頃、5,6号機北側のFタンクエリアに設置しているAタンクとBタンク(A,Bタンクともに、5,6号機タービン建屋地下滞留水を貯水)の間にある流量調整弁と逆止弁間のフランジ部より、水が鉛筆1本程度の太さで漏れていることを当社社員が発見。漏れた水は堰内に留まっているが、一旦ビニール袋での養生を実施。なお、モニタリングポストの指示値に有意な変動は確認されていない。
その後、AタンクからBタンクへの移送配管のAタンク側出口フランジ接合部を切り離して配管内の残水を抜いたことにより、同日午後0時8分、フランジ部からの漏えいが停止。
漏えい量は、漏えい範囲が約2m×約2m×厚さ約1mmであること(約4リットル)、ビニール袋等で漏えい水を受けた量が約74リットルであることから、総量約78リットルであることを確認。漏えい水の分析結果は以下のとおり。
・
セシウム134 :2.6×10-2 Bq/cm3
・
セシウム137 :6.5×10-2 Bq/cm3
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コバルト60 :検出限界値未満(検出限界値:1.3×10-2 Bq/cm3)
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マンガン54 :検出限界値未満(検出限界値:8.4×10-3 Bq/cm3)
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ヨウ素131 :検出限界値未満(検出限界値:1.1×10-2 Bq/cm3)
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全ベータ :4.6×10-1 Bq/cm3
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γ核種合計 :約7.1×103 Bq
・
β核種合計 :約3.6×104 Bq
漏えい停止後に目視にて漏えい部を確認したところ、ガスケットの損傷が見られたことから、当該ガスケットを交換。漏えいの原因は凍結によるガスケットの損傷と考えている。なお、滞留水の移送再開にあたっては、当該漏えい部の水張りを行い、漏えいがないことを確認する。
※2月6日午前11時5分頃、淡水化処理した淡水を原子炉注水用のタンク(バッファタンク、復水貯蔵タンク)へ移送する配管の途中に設置されている、異物を除去するストレーナの圧力指示計より水が漏えいしていることを作業員が発見。圧力指示計の元弁を閉めたことで漏えいは停止。漏えいした水は、原子炉注水に使用する淡水化処理後の淡水であるが、淡水化処理した後に原子炉注水として再利用する配管には問題はなく、原子炉注水用のタンクへの水補給および原子炉注水への影響はない。
漏えい水については、地面に染み込んでおり、水の全ベータ放射能濃度を測定したところ至近の放射能分析結果(昨年12月10日採取)より2.8×103 Bq/Lであることを確認。このことから、本件については、同日(2月6日)午後3時6分に東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断。なお、漏えい水量は流量計指示値の変化量から約600リットルであると推定されることから、漏えい水の全ベータ放射能量は約1.7×106 Bqであると推定。漏えい水は地面に染み込んだが、染み込んだ土壌を回収(掘削部は1.8m×2m×0.3m)し、当該地面の表面線量当量率(γ線+β線)が0.24mSv/hから0.018mSv/hに低減。さらに、漏えい水は土のう外に流出していないことから海への流出はないものと判断。漏えいの原因は圧力指示計内部の水の凍結により、ボンネット部から漏えいが発生したものと推定。対策として、当該圧力指示計にヒーターを取り付ける予定であり、今後、当該圧力指示計の交換を行う予定。
《1号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《2号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《3号機(平成24年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)
《4号機(平成24年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
《5号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
※使用済燃料プール水の透明度が悪く、燃料取り出し作業に影響を与える可能性があることから、使用済燃料プール内の燃料取り出し準備作業として使用済燃料プール水の一部を入れ替えるため、2月6日午前9時14分、使用済燃料プール冷却を停止(停止時の使用済燃料プール水温度は、15.5℃)。同日午前9時21分、原子炉水冷却(残留熱除去系原子炉停止時冷却モード(SHC))を停止(停止時の原子炉水温度は、32.8℃)。
その後、作業が終了したことから、原子炉水冷却および使用済燃料プール冷却をそれぞれ起動した。起動実績は以下のとおり。
〈原子炉水冷却〉
・
起動時間:2月6日午後6時6分
・
原子炉水温度は停止時の32.8℃から35.4℃まで上昇したが、運転上の制限値(100℃)に対して余裕があり、原子炉水温度の管理上問題なかった。
〈使用済燃料プール冷却〉
・
起動時間:2月6日午後5時50分
・
使用済燃料プール水温度は冷却停止時の15.5℃から15.6℃まで上昇したが、運転管理上の制限値(65℃)に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題なかった。
《6号機(平成26年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《共用プール》
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
《H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況》
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、同様の構造のタンクの監視、および詳細な調査を継続実施中。
<最新のパトロール結果>
平成26年2月6日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺および地下水バイパス揚水井No.5~12のサンプリングを継続実施中。
<最新のサンプリング実績>
2月5日、H4エリアタンク周辺の地下水観測孔E-11のサンプリングを実施(初採取)。分析結果は以下のとおり。
[観測孔E-11の分析結果:2月5日採取分]
・
トリチウム:190 Bq/L
・全ベータ :110 Bq/L(お知らせ済み)/u>>/>
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《1~4号機タービン建屋東側の状況》
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、平成25年6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1,2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
平成25年11月27日に採取した2,3号機取水口間ウェルポイント北側における分析結果で全ベータが高い値で検出されたことから、計画的に2,3号機東側に設置したウェルポイントから地下水のくみ上げを実施。
<最新の地下水移送実績>
平成25年9月7日から1,2号機東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。1,2号機間護岸エリア地下水観測孔No.0-3-2でトリチウムが検出されていることから、平成25年12月11日より当該観測孔からの地下水の汲み上げを試験的に実施中。
<最新のサンプリング実績>
2月6日、地下水観測孔No.1-6のサンプリングを実施(初採取)。分析結果は以下のとおり。
[地下水観測孔No.1-6の分析結果:2月6日採取分]
・
全ベータ:560,000 Bq/L
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
《地下貯水槽の状況》
※平成25年7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリング(地下貯水槽No.1~7のドレン孔水、地下貯水槽No.1~4,6,7の漏えい検知孔水、地下貯水槽観測孔、地下水バイパス調査孔、地下水バイパス揚水井No.1~4、海側観測孔)は継続実施中。
※地下貯水槽No.1~3における貯水槽内部の残水について、H1東エリアタンクへの移送を実施中。
<拡散防止対策>
地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を適宜実施中。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成25年12月31日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成25年10月22日午後3時)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、
【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。