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東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について
【午後4時現在】

平成25年10月3日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
 また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
 プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 当社福島第一原子力発電所への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。

下線部が新規事項

【福島第一原子力発電所】
 1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
 5、6号機 地震発生前より定期検査中

※7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリングは継続実施中。

<拡散防止対策>
○地下貯水槽漏えい検知孔水(No.1北東側、No.2北東側、No.3南西側)の全ベータ放射能濃度の低下が緩やかであることから、地下貯水槽No.1~3にろ過水または淡水化装置(RO)処理水(全ベータ放射能濃度:約1×101Bq/cm3)を移送し希釈する処置を適宜実施。

○最新の希釈実績
・地下貯水槽No.1(6月19日~):8月3日、約60m3のろ過水を注水。
・地下貯水槽No.2(6月27日~):8月1日、約60m3のろ過水を注水。
・地下貯水槽No.3(7月24日~):8月12日、約107m3の当該地下貯水槽ドレン孔水(北東側)を注水。

10月2日、3日、地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を実施。

<サンプリング実績>
10月2日、地下貯水槽No.1~7のドレン孔水(14箇所)、地下貯水槽No.1~4,6の漏えい検知孔水(10箇所のうち2箇所は試料採取不可)、地下貯水槽観測孔(22箇所)についてサンプリングを実施。分析結果については、前回(10月1日採取)実施したサンプリングの分析結果と比較して大きな変動は確認されていない。また、9月25日に採取した、地下貯水槽No.1~4,6のドレン孔水(10箇所)、地下貯水槽No.1~4,6の漏えい検知孔水(10箇所のうち2箇所は試料採取不可)についてトリチウムの分析を実施した結果、前回(9月18日採取)の分析結果と比較して大きな変動は確認されていない。

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、当該タンク含むH1エリアから移設した3基(H4エリアIグループNo.5タンク、H4エリアIグループNo.10タンク、H4エリアIIグループNo.3タンク)について、漏えいリスク低減対策としてタンク内の水の移送を実施するとともに、同様の構造のタンクの監視、H4エリアタンク周辺のサンプリングおよび詳細な調査を継続実施中。

<最新の移送実績>
・8月22日、H4エリアIグループNo.5タンク内の水および仮設タンクに回収していた水(堰内に溜まっていた水)をH4エリア内のBグループNo.10タンクへ移送完了。
・8月25日午後3時57分より、H4エリアIグループNo.10タンクからH4エリアBグループNo.10タンクへの移送を開始。8月27日午前2時7分、移送完了。
・8月29日午前10時30分より、H4エリアIIグループNo.3タンクからH4エリアBグループNo.10タンクへの移送を開始。9月2日午前11時3分、降雨対策のため移送を停止。

<最新のパトロール結果>
10月2日のパトロールにおいて、高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されなかった。また、堰内床部近傍は、堰内に溜まった雨水による遮へいにより、引き続き線量当量率が低い状態となっている。さらに、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、サーモグラフィーによる水位確認(10月1日撮影分の分析結果)により水位に異常がないことを確認。

<最新のサンプリング実績>
福島第一南放水口付近(T-2)、H4エリア付近B-C排水路合流地点(C-1)、8月21日高線量率測定箇所(B-1)、B-1の下流(B-2)、C排水路合流点前(B-3)、B排水路ふれあい交差点近傍(B-0-1)、C排水路正門近傍(C-0)、C排水路35m盤出口(C-2)で水を採取し、セシウム134、セシウム137、全ベータの核種分析を実施した(10月2日採取)。C-2の全ベータについては、前回(10月1日)の120Bq/Lに対し、840Bq/Lと上昇しているが、前回のB排水路内の別地点で2,200Bq/Lだったものが90Bq/Lに低下(台風の雨による回り込みなどの影響の可能性あり)したこともあり、今後これら上流からの影響も含めて、経過観察をしていく。なお、南放水路付近の海水ではいずれも検出限界値未満であり、有意な影響は確認されていない。その他の分析結果については、前回(B-2:9月26日採取、その他10月1日採取)と比較して大きな変動はなかった。

H4エリアタンク周辺に設置した観測孔(E-1~E-5)の10月1日採取分の全ベータ、トリチウム分析結果および観測孔(E-1~E-6)の10月2日採取分の全ベータ分析結果については、10月1日に採取したE-5のトリチウムの値が2,400Bq/Lと上昇傾向を示している他は、前回(E-6:9月25日、その他:9月30日採取)の分析結果と比較して大きな変動はなかった。

また、10月1日に採取した地下水バイパス揚水井No.5~12(8箇所)の水について全ベータ、トリチウムの分析を実施した結果、前回(9月24日採取)の分析結果と比較して大きな変動は確認されていない。今後も継続して経過を観察していく。

※10月1日午前11時50分頃、H5エリア東側に設置しているノッチタンク上部マンホールから水が溢れていることを協力企業作業員が発見。溢れた水は、H6エリアタンクの堰内の水を移送していたもので、その後、同日午後0時10分頃に移送ポンプを停止し、溢水は停止。現在、漏えい状況および原因等を調査中。
その後、漏えいしたノッチタンクへ移送していたH6エリア堰内の溜まり水(雨水)を採取、分析した結果は以下の通り。
【H6エリア堰内の溜まり水(雨水)】(10月1日採取)
・全ベータ:340Bq/L(簡易測定による)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:19Bq/L)
【H6エリア堰内の溜まり水(雨水)】(10月2日採取)
・全ベータ:520Bq/L(簡易測定による)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:20Bq/L)
全ベータ濃度の測定結果に差異はあるが、新たな漏えいなどによる大きな変動ではないと考えている。今後も継続して経過を観察していく。

10月2日午後0時20分頃、台風の影響によりH8南エリア(溶接型タンク設置エリア:RO濃縮塩水貯蔵)の堰内水位が上昇し、堰から溜まり水(雨水)が越えていることを、当社社員が確認した。当該の堰からの溜まり水(雨水)の漏出量は、最大でも23m3と試算。当該堰内の溜まり水(雨水)については、同日午後1時9分頃、H8エリアのタンクへ移送を開始した。当該堰内の溜まり水(雨水)の分析結果は、以下の通り。なお、10月1日の当該溜まり水(雨水)の分析結果(全ベータ)は検出限界値未満(検出限界値:8 Bq/L)であることを確認している。
【H8南エリア堰内溜まり水(雨水)の分析結果】(10月2日採取)
・全ベータ:15 Bq/L(簡易測定による)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:14 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:19 Bq/L)
その後、H8南エリアの堰内溜まり水(雨水)の溢水と同様のタンクエリアがないか点検したところ、G3東エリア(タンクは溶接タイプ)において、雨水が堰の上面まで達しており、堰を超えた可能性が否定できないことから、2日午後7時50分より、当該G3東エリア内のタンクへ堰内の溜まり水(雨水)の移送を開始した。G3東タンク堰内で採取した水の分析結果は以下の通り。
【G3東タンク堰内溜まり水(雨水)の分析結果】(10月2日午後8時採取)
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:8Bq/L)(簡易測定による)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:13 Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:19 Bq/L)

10月2日午後8時5分頃、B南エリアの堰内に溜まっていた水を処理するため、当該エリアにて作業を行っていた当社社員が、B南エリアタンク(BエリアAグループNo.5タンク)上部天板部から、鉛筆一本程度の滴下があることを確認した。当該タンク上部天板部から漏えいした水は堰内に滴下しているほか、当該タンク外周に設置されている点検用の足場を介して堰外へも滴下していることを10月2日午後9時55分に確認。当該堰内に溜まっている水の分析結果およびB南エリアタンク(BエリアAグループNo.5タンク)内の水の分析結果は以下の通り。
【堰内に溜まっている水の分析結果 】(10月2日午後3時採取)
・全ベータ:200,000 Bq/L(簡易測定による)
・セシウム134:18Bq/L
・セシウム137:54Bq/L
【BエリアAグループNo.5タンク内の水の分析結果】(10月2日午後9時5分採取)
・全ベータ:580,000 Bq/L
・セシウム134:24Bq/L
・セシウム137:45Bq/L
また、当該タンク上部天板部から漏えいした水は、当該タンク近傍の側溝を通じてC排水路に流れ、海へ流出している可能性が否定できないことから、C排水路手前の側溝に土のうを設置し、止水処置を行った。止水処置を行った地点、当該タンク近傍の側溝とC排水路との合流地点および南放水口付近(※)の海水の分析結果は以下の通り。
(※)C排水路出口付近で、1~4号機放水口から南側約330m地点(T-2)

【C排水路手前の側溝に土嚢を設置し止水処置を行った地点の水の分析結果】
(10月2日午後11時採取)
・全ベータ:5,200Bq/L
・セシウム134:66Bq/L
・セシウム137:170Bq/L
【当該タンク近傍の側溝とC排水路との合流地点手前の水の分析結果】
(10月2日午後11時10分採取)
・全ベータ:15,000Bq/L
・セシウム134:120Bq/L
・セシウム137:310Bq/L
【南放水口付近の海水の分析結果】(10月3日午前7時採取)
・全ベータ:検出限界値未満(検出限界値:20Bq/L)
・セシウム134:検出限界値未満(検出限界値:1.5Bq/L)
・セシウム137:検出限界値未満(検出限界値:1.2Bq/L)
なお、本件については、10月2日午後9時55分に東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断している。

※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1・2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。

<最新の地下水移送実績>
8月31日午後3時50分、ウェルポイントおよび集水ピット(南)から2号機立坑Cへの移送を停止し、午後3時55分、2号機タービン建屋への移送を開始。
9月3日から日中時間帯に2号機立坑B水(トレンチ閉塞により集められた水)を2号機タービン建屋へ移送するため、ウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水の移送先の切替を順次実施していたが、トレンチ閉塞作業がほぼ終了し、9月7日からウェルポイントおよび集水ピット(南)地下水を2号機タービン建屋へ移送中。

※1~4号機建屋に隣接している井戸(サブドレンピット)の浄化試験をした結果、ピット内の溜まり水から放射性物質が検出されており、その流入経路としてフォールアウトの可能性があることから、新たに1~4号機建屋周辺に観測井を設置し、フォールアウトの影響について確認することとしている。

<サンプリング実績>
今回、新たに分析した1号機建屋海側観測井1T-5の10月1日採取分の水のトリチウムの分析結果について、7,500Bql/Lであることを確認。

※10月2日午前7時50分頃、3号機原子炉建屋5階中央部近傍(機器貯蔵プール側)より、湯気が発生していることをカメラにて確認。なお、同日午前8時6分までに確認したプラント状況、モニタリングポストの指示値等に異常は確認されていない(午前7時時点の気象データは、気温21.0℃、湿度93.6%)。その後、10月3日午前7時55分頃、湯気が確認されなくなった。なお、午前8時10分時点におけるプラント状況、モニタリングポスト指示値等に異常は確認されていない(午後8時時点で気温24.4℃、湿度68.2%)。

10月3日午前9時53分、屋外にある6号機残留熱除去系海水ポンプDを定例の確認運転のため起動したところ、当該ポンプのモータを冷却する配管から海水が鉛筆の芯1本程度漏えいしていることを、同日午前9時57分に当社社員が発見した。当該ポンプを直ちに停止し、現在、漏えいは停止している。なお、原子炉の冷却は、残留熱除去系ポンプBおよび残留熱除去系海水ポンプBにて継続中。今後、原因を調査していく。

10月3日、5号機廃棄物処理建屋の床ドレン収集ポンプ(各建屋内の床面の排水口に流入した水を浄化処理するために移送するためのポンプ)を起動したところ、当該ポンプ軸受を冷却する水の水受け部から排水口へ流す排水配管より水が漏えいしていることを、同日午前11時10分に当社社員が発見した。当該ポンプを停止した時点では連続滴下していたが、その後は1秒に1滴程度滴下しており、滴下しているドレン水はドレンパンにて受けて回収している。*漏えい範囲は約1m×約1m×約0.5mm、漏えい量は約500mLで、堰内に留まっており、外部への影響は無い。今後、原因を調査していく。

※使用済燃料プール代替冷却系について、同冷却系の瞬時電圧低下対策工事に伴い9月30日午前6時27分に停止。冷却停止時のプール水温は22.3℃。作業が終了したことから、10月3日午後2時44分、同冷却系を起動。起動後の運転状態に異常なし。なお、使用済燃料プール水温度は31.5℃まで上昇したが、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温管理上問題はない。

10月3日、3号機原子炉建屋上部において、ダストサンプリングを実施

10月3日、3号機原子炉格納容器ガス管理システムのチャコールフィルタ・粒子状フィルタのサンプリングを実施。

以 上

 

*:床ドレン収集ポンプ軸受けの排水配管からの水漏れについて、ポンプ停止後の滴下の状況を訂正しています。(平成25年10月4日訂正)

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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