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東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について
平成25年9月1日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
当社福島第一原子力発電所への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。
※下線部が新規事項
【福島第一原子力発電所】
1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
5、6号機 地震発生前より定期検査中
※7月1日に地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリングは継続実施中。
<拡散防止対策<
・地下貯水槽漏えい検知孔水(No.1北東側、No.2北東側、No.3南西側)の全ベータ放射能濃度の低下が緩やかであることから、地下貯水槽No.1~3にろ過水または淡水化装置(RO)処理水(全ベータ放射能濃度:約1×101Bq/cm3)を移送し希釈する処置を適宜実施。
<最新の希釈実績<
・地下貯水槽No.1(6月19日~):8月3日、約60m3のろ過水を注水。
・地下貯水槽No.2(6月27日~):8月1日、約60m3のろ過水を注水。
・地下貯水槽No.3(7月24日~):8月12日、約107m3の当該地下貯水槽ドレン孔水(北東側)を注水。
・8月31日地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1、No.2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を実施。
<サンプリング実績>
8月31日、地下貯水槽No.1~7のドレン孔水(14箇所)、地下貯水槽No.1~4,6の漏えい検知孔水(10箇所のうち2箇所は試料採取不可)、地下貯水槽観測孔(22箇所)についてサンプリングを実施。分析結果については、前回(8月30日採取)実施したサンプリングの分析結果と比較して大きな変動は確認されていない。
※8月19日午前9時50分頃、発電所構内H4エリアのタンク堰のドレン弁から水が出ていることを、パトロール中の当社社員が発見。その後、当該ドレン弁については、閉操作を実施。なお、モニタリングポスト指示値に有意な変動は確認されていない。現場状況を確認した結果、堰内には1~2cm程度の水溜まりがあり、堰のドレン弁の外側に約3m×約3m×約1cmと約0.5m×約6m×約1cmの水溜まりを確認。
なお、汚染した水の発生源は特定できていないものの、汚染水を貯留しているタンク周辺の堰内に溜まっていた水がドレン弁を通じて堰外へ漏えいしたこと、タンクに貯留した水がタンクから漏えいしたことが否定できないこと、および堰外に漏えいした水溜まりにおいて高いベータ線、ガンマ線が検出されたことから、同日午後2時28分、福島第一原子力発電所原子炉施設の保安および特定核燃料物質の防護に関する規則第18条第12号「発電用原子炉施設の故障その他の不測の事態が生じたことにより、核燃料物質等(気体状のものを除く)が管理区域内で漏えいしたとき。」に該当すると判断した。
その後、同日午後7時から堰内に溜まっている水の回収作業を開始。水の回収については、仮設ポンプにて仮設タンクに汲み上げるとともに、堰内に吸着材を設置。
H4エリア内のIグループNo.5タンク近傍の底部で水の広がりがあることから、当該タンクの水位を確認した結果、タンク上部から3m40cm程度まで低下していることを確認。近接するタンクの水位は上部から50cm程度であることから、現時点で約3m水位が低下していることを確認。さらに、周辺タンクの水位について調査中。なお、約3mの水位低下分の水量は、約300m3。漏えいしたと思われる水については、堰内の水は一部回収を実施しているが、ドレン弁を通して堰外へ出ていると思われることから周辺の土壌の回収を行うとともに広がりの範囲について引き続き調査を実施。その後、H4エリアタンクの東側にある排水路の壁面において筋状の流れた痕跡が確認されたため、当該部の表面線量当量率を測定した結果、最大で6.0mSv/h(γ+β線(70μm線量当量率))であることを確認。このことから、汚染した土砂等が排水路に流れた可能性があるとし、今後、詳細な調査および評価を行う。なお、今回の漏水発見当時においては、当該排水路近傍の地表面で水が流れていないことを確認。
8月20日午後9時55分、H4エリアIグループNo.5タンク内の水および仮設タンクに回収していた水(堰内に溜まっていた水)をH4エリア内のBグループNo.10タンクへ移送を開始。8月21日午後9時13分、H4エリアIグループNo.5タンク内の水の移送を終了。8月22日午後3時、仮設タンクに回収していた水の移送を完了。
8月22日午前11時から午後3時頃にかけて、漏えいしたタンクと同様のフランジ型の他エリアのタンクについて総点検(外観点検、線量測定)を実施。タンクおよびドレン弁の外観点検において、漏えいおよび水溜まりは確認されなかったが、H3エリアのタンク周辺において、部分的に線量が高い箇所(2箇所)を確認。当該箇所は乾燥しており、堰内および堰外への流出は確認されなかった。また、当該タンクの水位は受け入れ時と変化がないことを確認した。
[高線量箇所および表面線量当量率測定結果(γ+β線(70μm線量当量率))、水位レベル]
・H3エリアBグループNo.4タンク底部フランジ近傍:100mSv/h、水位レベル約97%
・H3エリアAグループNo.10タンク底部フランジ近傍:70mSv/h、水位レベル約95%
上記以外のタンクおよびドレン弁については、高線量の箇所は確認されていない。
漏えいが確認されたH4エリアIグループNo.5タンク内の水の核種分析を実施。以下の分析結果から、当該タンクに貯蔵されている水がRO濃縮水であることを確認。
<H4エリアIグループNo.5タンク内の水(採取日時:8月23日午後9時)>
・セシウム134:4.4×101Bq/cm3
・セシウム137:9.2×101Bq/cm3
・アンチモン125:5.3×101Bq/cm3
・全ベータ:2.0×105Bq/cm3
・塩素濃度:5200ppm
また、5・6号機の滞留水の保管等に使用しているフランジタイプタンクの健全性確認(外観目視確認、水位確認)を8月26日までに実施し、異常が無いことを確認。
漏えいが発生したH4エリアIグループNo.5タンクについて確認を行っていたところ、当該タンク含む3基(H4エリアIグループNo.5タンク、H4エリアIグループNo.10タンク、H4エリアIIグループNo.3タンク)が当初H1エリアに設置されていたこと、H1エリアで当該タンクが設置された基礎で、地盤沈下が起こったため、H2エリアに設置する計画であったが、実際には、H4エリアに設置されていることが判明。No.5タンクからの水漏れと、H1エリアの基礎が地盤沈下した際に設置していた経過があることの因果関係は不明であるが、漏えいリスクの低減対策として、8月25日午後3時57分よりH4エリアIグループNo.10タンクから、H4エリアタンクBグループNo.10タンクへの移送を開始。8月27日午前2時7分、移送完了。また、8月29日午前10時30分より、H4エリアIIグループNo.3タンクからH4エリアBグループNo.10タンクへの移送を開始。同日午後4時50分、一時的に移送を停止(台風15号の接近に伴い、堰内に雨水が溜まることが予想され、その際の汲み上げ先としてH4エリアBグループNo.10タンクを使用する可能性があるため)。
8月31日のパトロールにおいて、4箇所の高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))を確認。関連する全てのタンクの水位に低下は見られず、排水弁も閉としているため、堰外への漏えいはないと評価。各箇所の線量等量率は以下の通り。
・H5エリアIVグループNo.5タンクとH5エリアIVグループNo.6タンクの連結配管部の床面:約230mSv/h(70μm線量当量率)
・H3エリアAグループNo.10タンク底部フランジ近傍:約220mSv/h(70μm線量当量率)(8月22日にタンクの点検をした際に、約70mSv/hが確認されたところと同箇所*1)
・H3エリアBグループNo.4タンク底部フランジ近傍:約1,800mSv/h(70μm線量当量率)(8月22日にタンクの点検をした際に、約100mSv/hが確認されたところと同箇所*1)
・H4エリアIIグループNo.6タンク底部:約70mSv/h(70μm線量当量率) *1:8月22日に測定を行っていた箇所について、8月31日に再度測定を実施。値が異なっている原因については、調査していく。
H5エリアIVグループNo.5タンクとH5エリアIVグループNo.6タンクの連結配管部の床面については、パトロールを実施した際に線量が高いこと(100mSv/h(70μm線量当量率)以上)が確認されたことから、上部にある配管の保温材を押したところ、床面に水滴が1滴滴下。水が滴下した床面を測定したところ、約230mSv/hであることを確認。当該の連結配管からの滴下は継続していないが、当該配管下部の床面に変色箇所(乾いた状態)があり、大きさは約20cm×約20cmで、床面の変色箇所から離れたところでは、高線量当量率箇所は確認されていない。当該箇所の応急処置として変色のある床面にドレン受けを設置すると共に、当該連結配管に吸着マットの巻き付けを実施。また、H3エリアおよびH4エリアの当該箇所については、継続した滴下がないことを確認している。
H5エリアIVグループNo.5タンクとH5エリアIVグループNo.6タンクの連結配管部からの水の滴下について、連結配管の保温材及び吸着マットを外して状況を確認したところ、各タンクと連結配管を接続している隔離弁(2弁)のうち、No.5タンク側の隔離弁と連結配管を繋いでいるフランジ部より約90秒に1滴の滴下があることを、8月31日午後11時10分頃に確認。その後、当該フランジ部に吸着マットを巻き付け、ビニール養生を施すとともに、当該フランジ部の床面にドレン受けを設置。なお、当該連結配管の隔離弁(2弁)については、No.5側およびNo.6側のどちらも閉められていたことを確認している。
今回のタンクからの漏えいを踏まえ、以下の場所で水を採取し、核種分析を実施(8月31日採取)。分析結果は以下のとおり。分析結果については、前日(8月30日採取)の測定結果と比較して大きな変動はない。
<福島第一南放水口付近海水(排水路出口付近)>
(採取日時:8月31日午前10時40分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:1.3 Bq/L(1.3×10-3[Bq/cm3])】
セシウム137:検出限界値未満【検出限界値:1.5 Bq/L(1.5×10-3[Bq/cm3])】
全ベータ :検出限界値未満【検出限界値:22 Bq/L(2.2×10-2[Bq/cm3])】
<H4エリア付近B-C排水路合流地点(旧名称:コア倉庫前側溝)>
(採取日時:8月31日午前11時13分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:19 Bq/L(1.9×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:検出限界値未満【検出限界値:25 Bq/L(2.5×10-2[Bq/cm3])】
全ベータ :200 Bq/L(2.0×10-1[Bq/cm3])
<B排水路ふれあい交差点近傍>
(採取日時:8月31日午後1時20分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:19 Bq/L(1.9×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:26Bq/L(2.6×10-2[Bq/cm3])
全ベータ :43Bq/L(4.3×10-2[Bq/cm3])
<C排水路正門近傍>
(採取日時:8月31日午後1時32分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:18 Bq/L(1.8×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:検出限界値未満【検出限界値:26 Bq/L(2.6×10-2[Bq/cm3])】
全ベータ :検出限界値未満【検出限界値:14 Bq/L(1.4×10-2[Bq/cm3])】
<C排水路30m盤出口>
(採取日時:8月31日午前11時)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:19 Bq/L(1.9×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:検出限界値未満【検出限界値:26 Bq/L(2.6×10-2[Bq/cm3])】
全ベータ :210 Bq/L(2.1×10-1[Bq/cm3])
また、B排水路内3地点については、8月22日の測定結果と比較し大きな変動なし。
<B排水路内(8月21日に高線量率測定された地点(B-1))>
(採取日時:8月31日午前11時44分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:19 Bq/L(1.9×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:検出限界値未満【検出限界値:26 Bq/L(2.6×10-2[Bq/cm3])】
全ベータ :32Bq/L(3.2×10-2[Bq/cm3])
<B排水路内(B-1の下流側)>
(採取日時:8月31日午前11時35分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:20 Bq/L(2.0×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:32Bq/L(3.2×10-2[Bq/cm3])
全ベータ :480 Bq/L(4.8×10-1[Bq/cm3])
<B-C排水路合流地点前(合流地点の上流側)>
(採取日時:8月31日午前11時23分)
セシウム134:検出限界値未満【検出限界値:19 Bq/L(1.9×10-2[Bq/cm3])】
セシウム137:検出限界値未満【検出限界値:27 Bq/L(1.9×10-2[Bq/cm3])】
全ベータ :920 Bq/L(9.2×10-1[Bq/cm3])
地下水バイパス揚水井No.11~12(2箇所)の水について分析を実施。分析結果は以下 のとおり。なお、地下水バイパス運用準備として平成25年2月に測定したNo.11のトリチウムの分析結果は57Bq/L、No.12のトリチウムの分析結果は450Bq/L。また、法令値告示濃度(60,000 Bq/L)と比べて十分に低い値である。
<揚水井No.11>
・8月30日採取分:トリチウム 300 Bq/L
:全ベータ 検出限界値未満【検出限界値:16Bq/L】
<揚水井No.12>
・8月30日採取分:トリチウム 900 Bq/L
:全ベータ 検出限界値未満【検出限界値:16Bq/L】
※8月19日午前10時4分頃、免震重要棟前に設置している連続ダストモニタで放射能濃度が高いことを示す警報(放射能高高警報)が発生。そのため、同日午前10時15分に発電所内の全面(半面)マスク着用省略可能エリアでのマスク着用を指示。8月29日、飛散防止剤を散布したうえで午後1時15分から午後2時3分の間、3号機原子炉建屋上部瓦礫撤去作業を一時的に実施し、この間に3号機原子炉建屋上部のダストを採取。その結果、3号機原子炉建屋上部は最高でセシウム137が1.7×10-2Bq/cm3であり、瓦礫撤去作業未実施時(8月22日)の分析結果と比較して約7倍高くなっており、3号機原子炉建屋上部瓦礫撤去作業により空気中放射性物質濃度が上昇することを確認。また、福島第一原子力発電所構内のダスト分析結果において、3号機原子炉建屋の風下に位置する3、4号機法面および企業棟で若干のダスト濃度上昇が確認されたが、3号機原子炉建屋に最も近い3、4号機法面でセシウム134が3.1×10-6Bq/cm3、セシウム137が9.1×10-6 Bq/cm3であり、全面(半面)マスク着用基準である2.0×10-4 Bq/cm3および連続ダストモニタで放射能濃度が高いことを示す警報(放射能高高警報)が発生する基準である1.0×10-4Bq/cm3を十分下回っている。発電所構内の空気中放射性物質濃度が、全面(半面)マスク着用基準および連続ダストモニタ高高警報値を十分下回っていることを踏まえ、全面(半面)マスク着用省略可能エリアでの着用マスクに防塵マスク(DS2/N95)を加える運用を9月1日午前0時から開始。
※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化するとともに、1・2号機タービン建屋東側に設置したウェルポイントおよび集水ピット(南)から地下水をくみ上げ中。
<最新の地下水移送実績>
8月31日午後3時50分、ウェルポイントおよび集水ピット(南)から2号機立坑Cへの移送を停止し、午後3時55分、2号機タービン建屋への移送を開始。
※8月22日午後2時55分、2号機タービン建屋東側に設置されている2号機分岐トレンチ(立坑Bおよび電源ケーブルトレンチ)の閉塞を行うため、当該トレンチ内に滞留している汚染水を2号機タービン建屋へ移送開始。8月24日午後1時16分、移送を停止。全ての移送を終了。8月31日午後1時3分から午後3時32分にかけて、2号機立坑Bの溜まり水(トレンチ閉塞作業により集められた水)を2号機タービン建屋へ移送実施。
※8月31日午前9時45分頃、福島第一原子力発電所6号機Fタンクエリアにおいて、ドラム缶の移動作業に従事していた協力企業作業員が体調不良を訴えたため、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受診。その結果医師により緊急搬送の必要があると判断され、同日午前10時46分頃に救急車を要請。同日午後0時20分、いわき市立総合磐城共立病院へ搬送され、検査のため入院。
以 上
添付資料
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Reader(無料)が必要です。Adobe Readerのダウンロード
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