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東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について
【午後3時現在】

平成25年7月25日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
 また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
 プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 当社福島第一原子力発電所への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。

下線部が新規事項

【福島第一原子力発電所】
 1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
 5、6号機 地震発生前より定期検査中

※6月15日午後11時頃、多核種除去設備A系(水処理設備で処理した廃液を用いた試験運転)のバッチ処理タンク(2A)において、当社社員が結露状況を確認した際に、当該タンク下の漏えい水受けパン内に、変色(茶色)した水の滴下跡があることを発見。水の滴下跡は、当該タンクの漏えい水受けパン内にあるため、当該設備より外部への漏えいの可能性はない。
多核種除去設備A系を6月16日午後6時17分より停止操作を開始し、同日午後11時20分に停止。
スミアろ紙による表面汚染測定および線量率測定の結果、当該タンク表面の溶接線近傍および水受けパンの変色していた部分の値は、変色していない部分より高いことから、当該タンク内の濃縮塩水がタンク溶接部から漏えいしている可能性が考えられるものと判断。
6月18日、当該タンクの水抜きを行ったうえで、タンク下部の外面調査における浸透探傷検査の結果、変色が確認された溶接線に2箇所の微小孔(ピンホール)を確認。
6月20日、バッチ処理タンク(2A)と同様の構造のバッチ処理タンク(1A)について、変色滴下水の跡は見られなかったものの、浸透探傷検査を実施した結果、タンク表面の1箇所に液体のにじみがあることを確認。2Aタンク同様タンク内表面にわずかに残存した液体が浸み出てきたものと推定しており、1Aタンクにも2Aタンクと同様のピンホールがあるものと判断。
バッチ処理タンクのすき間腐食を拡大させた要因は、海水由来の塩化物イオンが存在していることに加え、次亜塩素酸や塩化第二鉄の注入によって腐食が加速される液性であったこと、また、付着したスケール等がすき間環境を形成していたものと評価。再発防止対策として、当該欠陥部の補修を行った後、バッチ処理タンク内面が腐食環境にさらされないようにゴムライニングを施工する。また、多核種除去設備A系のその他の機器について腐食状況を調査したところ、一部の前処理設備のフランジ面に腐食を確認。本事象の原因は、バッチ処理タンクで注入された薬液の影響が残存していること等と推定。また、前処理設備の一部に限定されるが、次亜塩素酸が徐々に分解され、残留塩素濃度が低下したこと、また、共沈タンクでアルカリ液性となること等を原因として推定。再発防止対策として、フランジとガスケットの間に犠牲電極を挟む対策を行うとともに、今後、信頼性を高めるために全面ライニング配管への取替を検討。なお、多核種除去設備(B系、C系)についても、同様に再発防止対策を行っていく。

※5月23日午後3時10分頃、6号機使用済燃料プールにおいて、使用済燃料ラック点検を行っていたところ、当社社員が当該ラック点検記録ビデオの確認中に、使用済燃料プール東側底部に異物(アイナット*のようなもの)を発見。5月28日午後4時50分、当該異物(アイナット1個)を回収。使用済燃料プール冷却浄化系運転状態、使用済燃料プール温度、水位に異常はない。
6月12日、異物(板らしきもの)を発見。7月10日、当該異物(下げ札2枚)を回収。なお、当該異物及び5月28日に回収したアイナット1個については、使用済燃料や設備に影響を及ぼすものではない。また、当該点検において、テープ片、チューブ片や剥離片などの設備や使用済燃料の健全性に影響を及ぼさないゴミくず類が発見されており、全て回収している。
*重量のある機械をクレーンでつり上げる際、ワイヤー等を接続する環状の金具

7月25日、6号機の非常用ディーゼル発電機Aのロジック確認試験(自動起動試験)として、6号機6.9kVメタクラ(電源盤)Cを停止したところ、午前10時16分頃に原子炉を冷却していた残留熱除去系B系が停止。状況については、以下のとおり。
・原子炉建屋空調が停止し、非常用ガス処理系が起動。(原子炉建屋の負圧は維持)
・使用済燃料プール冷却系は、運転継続中。
・午前10時43分現在の原子炉水温は27.1℃で、冷却停止時の炉水温度上昇率は1時間当たり約1℃と想定。
その後、午後0時6分に残留熱除去系B系を再起動し、原子炉の冷却を再開。
再起動後の運転状態は異常なし。なお、午後0時現在の原子炉水温は27.6℃であり、運転上の制限値100℃に対して十分低い状況。
その後、原子炉建屋空調を午後0時22分に起動したことから、非常用ガス処理系A系を午後0時32分に、非常用ガス処理系B系を午後0時34分に停止。なお、原子炉建屋空調については、再起動後の運転状態は異常なし。午後1時現在の原子炉水温は28.0℃であり、安定している。引き続き、残留熱除去系B系停止の原因調査を行う。

7月25日午後2時18分、3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(雑固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却炉建屋])へ溜まり水の移送を開始。

※7月1日、地下貯水槽の汚染水は全て移送を終了しているが、拡散防止対策およびサンプリングは継続実施中。

<拡散防止対策>
6月19日より、地下貯水槽No.1検知孔水(北東側)の全ベータ放射能濃度の低下が緩やかであることから、地下貯水槽No.1にろ過水または淡水化装置(RO)処理水(全ベータ放射能濃度:約1×101Bq/cm3)を移送し希釈する処置を開始(地下貯水槽No.1内残水の全ベータ放射能濃度:6.6×104Bq/cm3)。
最新の希釈作業実績:7月23日、約70m3仮設タンクへ移送。

6月27日より、地下貯水槽No.2検知孔水(北東側)の全ベータ放射能濃度の低下が緩やかであることから、地下貯水槽No.2にろ過水または淡水化装置(RO)処理水(全ベータ放射能濃度:約1×101Bq/cm3)を移送し希釈する処置を実施。
最新の希釈作業実績:7月23日、約60m3のろ過水を注水。

7月24日より、地下貯水槽 No.3検知孔水(南西側)の全ベータ放射能濃度の低下が緩やかであることから、地下貯水槽 No.3にろ過水または淡水化装置(RO)処理水(全ベータ放射能濃度:約1×101Bq/cm3)を移送し希釈する処置を実施。
最新の希釈作業実績:7月24日、約40m3の淡水化処理水を注水。

7月24日、地下貯水槽No.1~3の漏えい検知孔内に漏えいした水を仮設地上タンクへ、地下貯水槽No.1,2のドレン孔内に漏えいした水を当該地下貯水槽内へ移送する処置を実施。

<サンプリング実績>
7月24日、地下貯水槽No.1~7のドレン孔水(14箇所)、地下貯水槽No.1~4,6の漏えい検知孔水(10箇所のうち2箇所は試料採取不可)、地下貯水槽観測孔(22箇所)についてサンプリングを実施。分析結果については、前回(7月23日)実施したサンプリングの分析結果と比較して大きな変動は確認されていない。7月17日に採取した地下貯水槽No. 1~4,6のドレン孔水及び漏えい検知孔水についてトリチウムの分析を実施。分析結果については、前回(7月10日採取)の値と比較して大きな変動はなし。

※1~4号機タービン建屋東側に観測孔を設置し地下水を採取、分析しており、6月19日、1,2号機間の観測孔において、トリチウムおよびストロンチウムが高い値で検出されたことを公表し監視強化中。

7月23日に採取した地下水観測孔No.3-1の水のトリチウムの測定を実施。今回新たに掘削した地下水観測孔No.3-1採取水のトリチウム測定結果は290Bq/Lであり、近傍にある地下水観測孔No.3(7月18日採取分:1,700Bq/L)と比較して低い値であった。また、7月21日に採取した港湾内海水(1~4号機取水口内北側海水、1・2号機取水口間海水(表層・下層)のトリチウム、および同箇所で7月23日に採取したガンマ核種および全ベータの測定を実施。分析結果については、前回と比較して大きな変動は確認されていない。

以 上

添付資料

参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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