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福島第二原子力発電所4号機における運転上の制限の逸脱
にともなう調査結果について |
平成16年11月1日
東京電力株式会社
福島第二原子力発電所
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当所4号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、原子炉起動中のところ、平成16年10月22日、主タービンの電気油圧式制御装置*1の確認試験を実施中に、主蒸気流量の信号が正常に応答されていない可能性があることを確認したため、同日午後4時55分、保安規定第27条に定める「運転上の制限*2」を満足していないと判断し、当該検出装置等について点検を行うため、原子炉を停止することといたしました。(平成16年10月22日お知らせ済み)
調査の結果、主蒸気流量を検出する配管の一つに布ウエス(幅約4cm×長さ約40cm)が詰まっていたことが確認されました。この検出配管の詰まりにともない、プラント起動時の電気油圧式制御装置の確認試験において、主蒸気流量の信号の一つが正常に検出されなかったものと推定いたしました。
また、回収された布ウエスは、平成8年の定期検査時に主蒸気流量検出配管溶接部の信頼性向上のため当該検出配管を交換した際に、溶接部の検査*3や手入れなどに使用していた布ウエスと推定いたしました。なお、当時の作業報告書を確認した結果、作業手順において定められている配管溶接前の最終的な異物の回収および確認がなされていなかったため、当該布ウエスが残存していたものと推定いたしました。
当該布ウエスについては回収し、当該検出配管および重要な検出配管のうち同様な配管工事を実施した他の配管についても、通水試験により詰まりがないことを確認いたしました。
今後の再発防止対策として、作業時における異物の回収および確認を再徹底するとともに、原子炉の運転上、重要な検出配管の交換を実施した場合には、配管復旧後に通水試験等を実施し、詰まりのないことを確認することといたします。
なお、平成8年以降プラントの運転中において主蒸気流量は正常に検出されており、今回の布ウエスの詰まりによるプラントの運転への影響はありませんでした。
今後、準備が整い次第、原子炉を起動いたします。
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以 上
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*1:電気油圧式制御装置
原子炉で発生した蒸気(主蒸気)圧力とタービン回転数を一定に保つため、電気信号により
高圧の油を使って主タービンに送る蒸気などを制御する装置。
*2:運転上の制限
保安規定では原子炉の運転に関し、「運転上の制限」や「運転上の制限を満足しない場合
に要求される措置」等が定められており、運転上の制限を満足しない場合には、要求される
措置に基づき対応することになる。
*3:溶接部の検査
溶接部の健全性を確認するための液体浸透探傷検査。この検査は、試験体表面に赤色染
色液を塗布し、指示模様を観察することによりひびなどの欠陥を調査する試験。
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