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福島第二原子力発電所2号機原子炉格納容器漏えい率検査
バウンダリ構成作業の状況について


 当所2号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)につきましては、平成15年4月14日より第15回定期検査を実施しておりますが、シュラウド・再循環系配管の補修などが終了し、準備が整ったことから、平成16年3月8日より原子炉格納容器漏えい率検査バウンダリ構成*1作業を実施しております。(平成16年3月5日お知らせ済み)

 当該作業の一環として、原子炉圧力容器につながる各弁を閉じる作業をしましたが、3月12日から炉内の水位に若干の低下傾向が見られているため、バウンダリ構成作業の対象弁について、漏えい等の有無を調査しております。また、昨日、格納容器低電導度廃液サンプ
*2水位高の警報が発生しており、この状況も踏まえて調査を進めてまいります。
 なお、炉内の水位は通常範囲内にあり、安全上の問題はありません。

以 上

*1バウンダリ構成
    原子炉格納容器漏えい率検査を実施するために、バウンダリ(事故時に放射性物質が
   外部に放出しないよう隔離するための、原子炉格納容器の境界(しきり)を指す)となる弁
   の開閉状態を確認し、検査状態に構成すること。
    バウンダリ構成のあと、加圧による漏えい確認を行い、原子炉格納容器漏えい率検査
   を実施する。


*2
低電導度廃液サンプ
    各建屋内の機器からの排水、漏えい水試料採取の廃液等を受けるタンク。




<続報(調査結果)>
 原因調査の結果、原子炉格納容器内にある原子炉再循環ポンプ軸シール部の冷却水流量を調節する配管に設置してある弁1つが閉まりきっておらず、漏れ出た水がファンネルに流入していることが確認されました。ファンネルへの水の流入量と炉内の水の減少量を比較したところ、ほぼ一致したことから、当該弁が炉内の水位低下の原因と判断いたしました。
 その後、当該弁を調査した結果、故障等は見られませんでしたが、作業員からの聞き取り調査の結果から、弁の開閉動作が固かったため、当該弁が完全に閉まりきらない状態のままであったにも関わらず、閉まりきったと誤認していたことが原因と判断いたしました。
 このことから、当該弁の増し締め作業を実施した結果、炉内の水位は安定いたしました。

 また、本事象に鑑み、今後原子炉格納容器漏えい率検査を確実に実施していくため、検査の手順等について検査の実施要領書をレビューし、関係者全員に周知・徹底いたしました。

 なお、今後、準備が整い次第、原子炉格納容器漏えい率検査を受検いたします。

以 上

(平成16年4月13日 県政の定例記者懇談会で説明)

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