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平成16年8月25日

2号機原子炉起動時における原子炉水位高事象の調査結果について

  当所2号機は原子炉起動中のところ、平成16年8月7日午後10時6分頃、原子炉水位に上昇傾向が認められました。
  このため、監視を強化し給水ポンプ等の停止操作を行いましたが、原子炉水位の上昇は継続し、8月8日午前1時3分頃、「原子炉水位高」警報
*1が発生いたしました。その後、原子炉水位を調整し、同警報は解除されました。(8月8日お知らせ済み)

  このため、起動操作を中断して原因の調査を行うこととし、8月8日午後10時34分、原子炉を停止いたしました。(8月9日お知らせ済み)

  原子炉を起動する過程においては、原子炉の起動操作を一時的に中断して原子炉格納容器内の最終点検を行います。その際、原子炉圧力は徐々に低下しますが、今回の事象はこの過程で生じたものです。
  調査の結果、原子炉水位が上昇し警報発生に至った原因は、以下のように推定いたしました。

○ 今回はプラントの停止期間が長いことから、燃料から発生する余熱が少なく、
   原子炉圧力が早めに低下することは想定していたものの、原子炉圧力低下に
   伴う給水ポンプ吐出弁バランス管
*2からの給水の増加量を予測できなかった
   こと。

○ 原子炉水位の維持は、運転手順書に基づき通常操作である原子炉冷却材浄
   化系
*3による排出量増加操作で対応したものの、水位の上昇が継続したた
   め、同浄化系の流量制限器バイパス弁
*4を「開」操作して排出量を増加させ
   ることを検討しました。しかしながら、運転手順書には、原子炉圧力が高い場
   合の当該バイパス弁の操作手順が明確に記載されていなかったために操作
   が遅れ、結果として、水位維持のための排出量増加操作が間に合わなかった
   こと。

  再発防止対策といたしましては、原子炉起動時において原子炉圧力の低下が早い場合は、原子炉給水系からの流入が多くなり、これまでの排水操作手順では水位が上昇することもあり得ることについて、あらためて関係者に周知いたします。また、今回のような水位上昇時の排水操作を適確に行うため、運転手順書に原子炉冷却材浄化系排出ラインの流量制限器バイパス弁の運用方法について明記いたします。

以 上

*1「原子炉水位高」警報
    「原子炉水位高」の警報は、タービンを保護するために設置されています。したがって、タービン
    起動前の状態ではプラント状態への影響はありません。

*2給水ポンプ吐出弁バランス管
    吐出弁内部の圧力上昇による弁の動作不良を防止するために設置されており、通常は「開」
    運用している。

*3原子炉冷却材浄化系
    原子炉水中の不純物を除去し水質を維持する系統。炉内の余剰水を排出して原子炉の水位
    を制御するためにも使用される。

*4流量制限器バイパス弁
    流量制限器バイパス弁は、過流量防止用として設置されている流量制限器を迂回する配管に
    設置されている弁で、排出量を増加させる場合に「開」操作する。

図面


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