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点検停止中の福島第一原子力発電所4号機
制御棒駆動水圧系配管の調査状況について
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当社・福島第一原子力発電所4号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)は、9月16日からのシュラウド点検のための停止に先立ち、原子炉格納容器外側の制御棒駆動水圧系配管*1(以下、「CRD配管」)の点検を実施していたところ、9月14日にCRD配管1本の表面において水のにじみを確認しました。
現場の状況を確認した結果、当該配管上部にある海水系ドレン配管の点検口キャップから海水が漏えいしていた痕跡を確認するとともに、当該配管を含む一部に海水の影響と思われる錆を認めました。
本件につきましては、当日、原子力安全・保安院へ連絡し、調査を継続しておりました。
プラント停止後、当該配管近傍のCRD配管について液体浸透探傷検査を行ったところ、CRD配管9本に指示模様を確認したため、当該配管の破面調査及び指示模様の詳細を分析した結果、粒内型応力腐食割れ*2によるひびの可能性が高いと推定いたしました。
なお、上記以外の格納容器内側ならびに外側のCRD配管の一部について液体浸透探傷検査を行ったところ、4本に指示模様が確認されましたが、当該部を磨いて再度検査を行った結果、指示模様は確認されなくなりました。
今後、引き続きひび等が発生した原因の詳細調査と対策の検討を行います。
なお、外部への放射能の影響はありません。
また、原子力安全・保安院による国際原子力事象評価尺度(INES)暫定評価では0-となっています。
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*1 |
制御棒駆動水圧系配管
復水系統などから制御棒駆動機構に通常操作のための駆動水、スクラム時の高圧水などを供給する系統。 |
*2 |
粒内型応力腐食割れ
塩化物付着のような環境条件で生ずることが多く、結晶粒の内部を横切るような形で発生・進展する応力腐食割れの一種。 |
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