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疑問にお答えいたします |
~福島第一原子力発電所3号機で発見された制御棒駆動水圧系配管の不具合について~ |
当社といたしましては、従来のトラブル対応と同様に徹底した原因究明と安全対策に全力を尽くしてまいります。 |
当社は、7月18日から福島第一原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)の第19回定期検査を実施しておりますが、8月17日、原子炉再循環系配管の取替工事をする際、同作業の支障となる制御棒駆動水圧系(*1)配管の一時撤去・復旧を行っていたところ、配管取付後の配管継手外周面に浸透探傷検査(*2)により表面にひびを発見しました。
その後、当該系統の他の配管についても、格納容器貫通部近傍などを調査した結果、表面の一部にひびがあることを確認しました。このため徹底的に原因調査および万全の対策を実施すると共に、今後より一層の安全確保に努めることとします。
なお、外部への放射能の影響はありません。
また、原子力安全・保安院による国際原子力事象評価尺度(INES)暫定評価では、0-(ゼロマイナス)となっています。
(*1)制御棒駆動水圧系
復水系統などから制御棒駆動機構に通常操作のための駆動水、スクラム時の
高圧水などを供給する系統。
(*2)浸透探傷検査
試験体表面に開口しているキズに浸透液を浸透させ、指示模様を観察すること
によりひびなどの欠陥を調査する非破壊試験方法。
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Q1.ひびを発見したキッカケは何ですか? |
3号機は平成14年7月18日より定期検査を実施しておりましたが、8月17日に原子炉再循環系配管の取替工事をする際、同作業の支障となる制御棒駆動水圧系配管(以下『CRD配管』という)の一部撤去・復旧を行っていたところ、配管取付後の浸透探傷検査(以下『PT』という)により、配管継手外周部表面にひびを発見しました。
その後、当該配管の格納容器貫通部近傍を含めて調べた結果、配管の外表面の一部にひびがあることが確認されました。
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Q2.今までの点検はどうしていたのですか? |
昭和53年2月、浜岡原子力発電所1号機のCRD配管の塩害による不具合が発生しました。
この事象に鑑み、当所では水平展開として全号機において格納容器内(以下『D/W内』という)CRD配管のPT・塩分付着量測定・配管外観点検等を計画的に実施して来ております。
これまでの点検結果において、配管外表面にひびが認められましたが、最大でも1mm程度の微少なひびであり、配管の機能には問題ないことを確認しています。
しかし、今回3号機においては最大深さ4.5mm程度のひびが確認され、配管の必要肉厚を満足しないため、徹底した原因究明とそれに基づく万全の安全対策を実施することとしました。
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Q3.原因と対策は何ですか? |
現在、原因については調査中でありますが、従来のトラブル対応と同様に徹底した原因究明と安全対策に全力を尽くしてまいります。
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Q4.安全性に問題は無いのですか? |
今回の事象については、制御棒の挿入に支障はありません。
仮に配管が破断した場合においても、制御棒はその場に止まるか挿入されるので、安全側に動作します。
また、緊急時に制御棒を挿入する事態が発生した場合においても、原子炉圧力(70kg/cm2)の力により制御棒を原子炉に挿入することができます。
従って、制御棒はきちんと挿入され、原子炉を停止することができることから、安全上問題となるものではありません。
なお、配管のひびが貫通し漏えいが発生した場合でも漏えい検出装置により早期に検知が可能です。
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Q5.プラントが老朽化しているのではないですか? |
定期検査において、計画的に機器の点検手入れを行うとともに過去のトラブル事例や予防保全の観点から各種設備の取替・保修を継続的に行ってきており、常に健全な状態を保持出きるように今後も万全な対応をしていくことにします。 |
(参考)今回のひびの発見された配管の仕様はどうなっているのですか? |
・材質:ステンレス鋼(SUS27TP)
・外径:34mm(肉厚:6.4mm) |
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