1 信頼性評価について

1.1 なぜ温度計の信頼性評価を行っているのですか。

原子炉圧力容器及び原子炉格納容器に取り付けられている温度計は、原子炉が安定的に冷却されていることを監視するために使用しています。現在、1~3号機の原子炉圧力容器および原子炉格納容器内は放射線量が高いため、現場へ立ち入って直接計器を点検することができません。このため、別の方法で温度計の信頼性評価を行っています。
評価結果は一ヶ月に一度、原子力規制委員会へ報告しています。

1.2 原子炉は安定して冷却されているのですか。

原子炉は安定して冷却されています。
原子炉への継続的な注水、温度計の値、原子炉格納容器内部のガスの分析結果(※)から、原子炉は安定した冷却状態にあると評価しています。

※ 継続的な核分裂(臨界)の兆候を示すガスが発生していないことを確認しています。

1.3 温度計の評価結果の「監視に使用可、参考に使用、故障」とはどういう意味ですか。

  • 「監視に使用可」とは、温度計の指示値が正しいと評価(※)したという意味です。
  • 「参考に使用」とは、温度計の指示値は正しくないと考えられるものの、温度の変化傾向は正しいと評価したという意味です。
  • 「故障」とは、温度計の指示値、温度の変化傾向のいずれも正しくないと評価したという意味です。
  • ほかの温度トレンドと比較して特異な挙動を示していない等、原子炉内の監視に使用可能な温度計と評価したものです。また、「監視に使用可」の温度計の中から実施計画の監視計器(運転上の制限判断基準の計器:異常判断の計器)を選定しています。

2 温度トレンドについて

2.1 温度計の値を示したグラフで、突然温度が変わっている場合がありますが、なぜですか。

事故の際、原子炉圧力容器および原子炉格納容器は高温になったため、温度を計測する回路もこの影響を受け絶縁抵抗が低下しています。このため一時的に何らかの電気的影響を受けた場合、温度計の値が変動することがありますが、実際の温度変動ではないと考えています。

2.2 温度計の値を示したグラフで、マイナスの温度となっているものがありますが、なぜですか。

原子炉に注水している水の温度などから、実際にはマイナスの温度になっていないと考えています。事故の際、原子炉圧力容器および原子炉格納容器は高温になったため、温度を計測する回路もこの影響を受け絶縁抵抗が低下しています。このため、何らかの電気的な影響を受けてマイナスの値を示しているものと考えています。

2.3 温度計の値を示したグラフで、50℃付近の温度となっているものがありますが、なぜですか。

部分的に温度が高くなっていることも考えられますが、引き続き、原子炉格納容器の内部調査等を通じて内部の状況把握に努めてまいります。

2.4 温度計の値を示したグラフで、原子炉注水関連としてRPVおよびPCVへの注水方法を変更した際に温度計の値に変動がある場合がありますが、なぜですか。

注水方法の変更によって、原子炉内での冷却水の流れが変わったため温度が変動したものと考えています。

2.5 地震のタイミングで温度計の値が変動しているものがありますが、なぜですか。

地震の揺れにより、温度を計測する回路の接触状態や絶縁抵抗が一時的に変化したためと考えています。

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