1.需要想定 - ○電力需要について、5年度から16年度までの販売電力量の年平均伸率を
2.4%(気温補正後)と想定。
(注)( )内は気温・うるう補正後。
< >内は6年度に対する16年度の比率
※最大電力は8月最大3日平均
- 平成6年度は景気の緩やかな回復と記録的な猛暑の影響により、販売電力
量は前年比7.1%増(気温補正後3.6%増)と、平成2年度の7.6
%増(気温補正後6.3%増)以来の高い伸びとなり、最大電力(送電端
3日平均)は前年比719万kW、14.7%増(気温補正後146万kW
増、2.9%増)の5,599万kWと、2年ぶりに前年の実績を上回っ
た。
今後、景気の力強い回復は見込み難いものの、中長期的な電力需要は民生
用を中心に堅調な伸びとなる見通しであることから、販売電力量、最大電
力とも5年度から16年度までの年平均伸び率を2%台半ば(気温補正後)
と想定した。
- これは、15年度で前回計画と比較すると、販売電力量で26億kWh
(前回比99.1%)、最大電力で14万kW(同99.8%)の下方修
正となる。
2.設備計画と需給計画
(1)設備計画 - ○需要増に対応する主な供給力確保策は以下の通り。
(*は今回新規に計画に計上したもの)
<電 源> - 原子力を中核として、バランスのとれた電源のベストミックスを着実に
推進していく。
[水 力]
- 塩原揚水(30万kW)の増設…………………………7年7月運転開始
- 葛野川揚水(160万kW)の新設
……………………11年7月、13年7月運転開始
- 神通川揚水(270万kW)の新設
…………………15年7月、17年度以降運転開始
- 湯川のリパワリング(1.74万kW)………………9年7月運転開始
- 小野川、秋元、沼ノ倉のリパワリング(増出力2.92万kW)
………………9年7月~10年7月に順次運転開始
[火 力] - 常陸那珂火力1号(100万kW)の新設…………15年7月運転開始
*広野火力5、6号(各60万kW、計120万kW)の増設
………………………………13年度、15年度運転開始 - 横浜火力7、8号系列(各140万kW、計280万kW)の増設
……………………8年7月~10年7月に順次運転開始
- 千葉火力1、2号系列(各144万kW、計288万kW)の増設
…………11年2月、11年7月、12年2月運転開始
- 品川火力1号系列(114万kW)の新設
………13年7月、13年11月、14年3月運転開始
- 火力発電所(符号地点・各152万kW、計304万kW)の設置
…………12年7月、13年7月、14年1月運転開始
[原子力] - 柏崎刈羽原子力6、7号(各135.6万kW、計271.2万kW)
の増設
……………………………8年12月、9年7月運転開始
- 東通原子力1、2号(各110万kW、計220万kW)の新設
…………………………17年度、18年度以降運転開始
- 福島第一原子力7、8号(各135.6万kW、計271.2万kW)
の新設
…………………………16年度、17年度以降運転開始
[その他]
*八丈島地熱(0.3万kW)の新設……………………10年度運転開始 - 以上の結果、年度末の電源設備ならびに電源構成は以下のとおりである。
(注)他社受電分を含む
<流通設備> - 送変電設備については電源関連・外輪及び都内導入などの増強を効率的
に推進し、地域供給系統は需要動向を踏まえ、供給信頼度に配慮しつつ、
重点選別して実施する。
( )内は運転開始年月
- 100万V設計(50万V運転)送電線新設
[北栃木幹線(8年5月)、南いわき幹線(11年5月)]
- 50万V送電線新設
[葛野川線(10年5月)、新京葉豊洲線(12年5月)]
- 50万V変電所新設
[東群馬変電所(11年3月)、新飯能変電所(11年5月)、新豊洲
変電所(12年5月)]
- 27.5万V都内送電線新設
[葛南世田谷線(7年5月)、東新宿線(7年5月)、新豊洲東内幸町
線(12年5月)、新豊洲永代橋線(12年5月)]
- 27.5万V都内変電所新設
[東新宿変電所(7年5月)、東内幸町変電所(9年6月)]
<広域運営> - 需給の安定と供給コストの低減を図るため、広域運営を着実に推進する。
[広域開発]
*奥只見、大島水力増設[電源開発](28.7万kW)
………………………………………11年6月運転開始
*湯之谷揚水[電源開発](180万kW)
……………………17年6月、18年度以降運転開始
- 新地火力2号[相馬共同火力発電](100万kW)
………………………………………7年7月運転開始
- 磯子火力新1、*2号[電源開発](各60万kW、計120万kW)
………………13年10月、17年度以降運転開始
- 大間原子力[電源開発](60.6万kW)
……………………………………16年3月運転開始
- 東通原子力1号[東北電力](110万kW)
……………………………………17年7月運転開始
[広域連系・広域融通] - 相互応援能力の拡大による電力需給の安定、供給信頼度の向上を目指し、
東北・東京間の連系や60Hz系統との連系のための周波数変換設備の増
強など広域連系の強化を進める。特に東北・東京間の連系については、昭
和34年以来、27万5千Vで連系してきたが、平成7年6月に、関東地
域から東北宮城地域に至る50万V連系系統が完成し、これにより連系能
力の飛躍的な増大が図れる予定である。
(東北-東京50万V連系)
- 相馬双葉幹線(50万V)の新設………………………7年6月運転開始
(50Hz-60Hz連系) - 東清水変電所周波数変換装置[中部電力実施](30万kW)の新設
……………………10年6月運転開始
- 富士川線(15万V)の新設…………………………9年12月運転開始
(2)需給計画 - ○以上のような、電源の開発、流通設備の増強、需要面の対策ならびに広
域運営の推進など、需給両面からの総合的な対策を講じ、長期にわたる
需給の安定確保に努める。
(注1)送電端;発電機の能力(発電端)から発電所内の必要電力を除い
たもの。 (3)環境・エネルギー問題への対応 - ○国際的な取組みが必要な地球温暖化問題に対して、CO2排出量の抑制
のため、環境負荷の少ない設備形成と効率的なエネルギー利用に最大限
の努力を払う。
- ○太陽光・風力発電などについては、環境負荷の点で優れていることから、
コストの低減と性能向上を図るため、技術開発・実証試験等を推進する。
また燃料電池については、信頼性向上と総合エネルギー効率向上に重点
を置いた技術開発・実証試験を進める。
3.設備投資額と資金調達計画
<設備投資額> - ○平成7年度の設備投資額は、1兆5,504億円となり、6年度施計の
7年度計画値に比べ、1,407億円の減額となる。
(注)総計欄の( )内は、対前年度伸び率(%) - ○効率的な設備構成と建設単価の低減を行い、計画作成から設計・契約・
施工の各段階の全ての面で徹底的な設備投資額の抑制を図る。さらに、
極力、競争原理を推進し、総合的な資金コストの低減を図る。
<資金調達計画>
- ○資金調達にあたっては、自己資金について、業務運営全般にわたる徹底
したコストダウンと効率化に努め、内部留保を中心にその拡大を図り、
外部資金については、長期安定資金である社債に重点を置くとともに、
極力、競争を推進し、総合的な資金コストの低減を図る。
4.7年度夏期の需給バランス - ○7年度夏期の猛暑時の最大電力(発電端)は、5,950万kW程度を
想定している。これに対し、塩原などの運転開始、他電力からの応援融
通受電などにより、予備力159万kW、予備率3%程度を確保し得る
見通しである。
<昨年以降の主な供給力確保策> - ○次のとおり、電源の運転開始時期の確保と広域運営の推進などにより、
供給力の確保に努める。
- 塩原揚水 (30万kW) 運転開始 7年7月
- 相馬共同火力新地2号(100万kW×1/2)運転開始 7年7月
- 計画的な融通受電の確保 など
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