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| １．本事案の概観・経緯（別紙１[PDF15KB]参照） |
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| （１）申告案件２件についての調査 |
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平成12年７月４日、通産省から「平成元年に実施した福島第一原子力発電所１号機におけるドライヤをめぐるトラブル報告」について電話による調査依頼がなされたことが端緒。 |
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同年12月25日、上記ドライヤ案件について、書面による確認依頼がなされ、同時に初めて、「福島第一原子力発電所１号機におけるアレンレンチ紛失の疑い」（後に３号機の誤りと判明）について書面により確認を求められた。この際、通産省から当社に、これら２件を原子炉等規制法第66条の２に定める申告制度に基づくものとして扱うとの方針が示された。 |
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その後、これらの申告案件２件について通産省（後に原子力安全・保安院。以下「保安院」という）からの要請に適宜回答しつつ、GE社との折衝や情報交換を通して調査を行った。 |
| （２）その他案件27件を加えて（計29件）の調査 |
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上記申告案件２件について調査を進めていたところ、平成14年５月中旬、GE社から当社に対し、GE社の社内調査の結果、申告案件２件以外に当社原子力発電所の点検・補修作業に関し不適切な取り扱いが行われた可能性のある案件が20数件存在する旨指摘があった。 |
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当社は重大な事態と受け止め、同年５月下旬、社内に「安全情報申告制度に係る調査委員会」を設置し、申告案件２件に加え、その他の20数件についても早急に調査を行うこととした。 |
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同年８月７，９日、当社から保安院に対し、初めて申告案件以外の26件の概要を説明し、また現在使用中の機器が安全である旨を報告した。（最終的にその他案件の件数が27件となり、申告案件と合わせ計29件となった） |
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８月28日、当社から保安院に対し、これら29件のうち現在使用中の機器について安全である旨の評価書を提出。 |
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８月29日、これら29件について保安院は「原子力発電所における事業者の自主点検作業記録に係る不正等に関する調査について」として公表し、現在使用中の機器が安全性において問題ないことを確認した。 |
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同日、当社はこれら29件について調査中であり、９月中旬に調査結果を報告する旨公表した。 |
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本日９月17日、「当社原子力発電所の点検・補修作業に係るGE社指摘事項に関する調査報告書」を保安院に提出するとともに、公表するに至った。 |
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| ２．事実関係の調査 |
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| （１）調査の方法 |
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GE社から調査結果を聴取するとともに、GE社内の英文資料の提供を受け、その内容を精査。 |
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同時に当社本店内及び発電所内に保管されている文書類を調査し、GE社から提供された資料とのつき合わせを行うとともに、当社社員約50名、その他の関係者約20名の計約70名に対し、本事案に関する聞き取り調査を行った。 |
| （２）調査結果の総括 |
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調査結果（別紙２[PDF17KB]参照） |
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全29件のうち、事実隠しや記録の修正等の「不適切な点が認められたものは16件」、「不適切な点が認められなかったものは13件」であった。 |
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いずれの機器についても、当時の時点において安全性に問題のないことは確認されていた。 |
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今回の不適切な取り扱いに関する責任の所在 |
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今回の一連の不適切な取り扱いは、原子力の点検・補修業務に関して長年にわたり組織的に行われてきたと認定せざるを得ない。 |
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保修業務に携わる社員たちは、たとえ個人的には「何かおかしい」と感じようと、組織の中では、従前どおりのやり方を踏襲せざるを得なかった。職場において誰が指示したというよりも、こうした行為が連綿と続けられてきたという事実が、今回の件が組織管理上の問題であったことを象徴的に表している。 |
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上記のような事情を考慮した場合、今回の一連の問題に対する責任を、個別の事案の実行者としての個人に求めるのは適切ではない。 |
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その責任は、こうした業務を組織として遂行し、もしくは容認してきた、原子力発電所及び本店原子力部門が組織全体として負うべきものであり、最終的にはそれぞれの幹部に帰するものと判断すべきである。 |
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現在使用中の機器に関する安全性評価 |
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当社は、現在も使用中の機器（シュラウド、ジェットポンプのウェッジ等、ジェットポンプセンシングライン（計測用配管））について優先的に安全性評価を行い、安全上の問題がないことを確認し、保安院も安全上の問題がないことを確認した。 |
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| ３．今回の不適切な取り扱いが行われた動機・背景等（別紙３[PDF13KB]参照） |
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原子力の点検・補修に携わる保修部門の社員にとっては「スケジュールどおりに定期検査を終わらせて自分たちの電源を系統に復帰させる（＝送電線に電気を送り出す）」ことが最大の関心事であり、そのことに強い責任を感じていた。 |
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また、原子力部門の幹部にも同様の意識が強かった。 |
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こうしたことにより、保修部門全体に「安全性に問題がなければ、国へのトラブル報告はできるだけ行いたくない」という心理が醸成されていった。 |
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また、この心理に引きずられ、信頼関係を大事にしなくてはならない地元自治体への情報提供についてすら、消極的な姿勢をとることとなってしまった。 |
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こういった心理に「安全性に問題がなければ報告しなくてもよいのではないか」という誤った考えが加わり、不適切な取り扱いが実行されることとなった。 |
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| ４．再発防止対策（別紙４[PDF16KB]参照） |
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情報公開と透明性確保
～情報公開を徹底し、社外の視点を取り入れて透明性の高い発電所運営を行います～ |
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業務の的確な遂行に向けた環境整備
～社員・組織の的確な業務遂行を支援する機能を強化します～ |
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原子力部門の社内監査の強化と企業風土の改革
～原子力部門の閉鎖性を打破し、風通しのよい企業風土を構築します～ |
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上記の取り組みを推進していく上での基盤整備として「企業倫理の徹底」 |
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| 以 上 |
