平成10年６月８日
                                                    東京電力株式会社
                                            　　　　株式会社アステル東京

　東京電力は、このたび、アステル東京と共同で、東京電力の雷に関する情報を、
一般向けにＰＨＳ端末を通じ試験的に提供することといたしました。本日より、
お手持ちのパソコンに、アステル東京のＰＨＳ端末を接続するだけで、雷情報を
ご覧いただけます。まず雷雲の発生状況をご提供するサービスから始め、本年７
月下旬より落雷状況についても提供する予定です。

　東京電力は従来より、独自に観測する気象データに既存の気象情報も加えて、
防災情報システム（注１）を構築し、落雷などの自然現象の影響を受けやすい電
力設備の保守・管理、災害時の迅速な対応等に役立ててまいりました。自然現象
の中でも特に雷による停電や瞬時電圧低下は、現在のところ完全には避けられな
い状況にあり、このため東京電力では、雷レーダや落雷位置標定システム（注２）
を利用して雷雲・落雷の状況を観測し、この情報をもとに電力設備の故障による
停電の防止対策、ならびに故障復旧の迅速化に努めてきました。さらに、お客さ
まにも、雷による停電や瞬時電圧低下の影響の未然防止、あるいは、軽減に役立
てていただくため、以前より雷観測情報（実況）を音声（電話）により、ご希望
されるお客さまに対して提供してまいりました。

　近年、オフィスや工場のＯＡ化・コンピュータ化はますます進展しており、多
数のお客さまから、落雷による影響を回避するため、東京電力の持つさらに正確
な雷情報が欲しいという強いご要望が寄せられております。東京電力においても
屋外作業現場において雷情報のニーズがあり、携帯に便利で高速データ伝送が可
能なＰＨＳを用いた雷情報の活用について検討していたことから、このたび、あ
わせてお客さまに提供させていただくことといたしました。

　雷情報の提供にあたりましては、ウィンドウズ95対応のパソコン、32kbps高速
データ伝送対応アステルＰＨＳ端末、32kbpsデータカード、インターネットブラ
ウザソフト（注３）をご用意いただき、アステル東京のホームページから入手で
きるソフトウェアをインストールすれば、簡単に雷情報をご覧いただくことがで
きます。このサービスは、ＰＨＳの特長のひとつである「32kbps高速データ伝送
機能」(注４)を利用しているため、従来のアナログに変換する伝送に比べ、雷雲
の発生状況などを高速かつ鮮明に表示することが可能となりました。
　　　
　なお東京電力としては、今年度は試験実施の位置づけから実況情報のみを無償
で提供いたしますが、来年度以降は予報等を含めたより高度な情報を加えて有償
化する方向で検討を進めてまいります。
　また、本年７月下旬より、東京通信ネットワーク（ＴＴＮｅｔ）のインターネ
ットサービスによっても、この情報を試験的に提供することを予定しています
（注５）。

                                                                  以　上

（注１）防災情報システム
　　　　既存の気象情報（地震情報、津波注意報・警報、ひまわり、雷雨警戒報、
      高層気象情報等）に加えて、東京・新潟・福島の３ヵ所にある雷レーダや
      落雷位置標定システム（注２参照）、東京電力の各種センサ（地震センサ、
      気象センサ、送電線着雪センサ、塩分付着量センサ）からの情報を東京電
      力本店のホストコンピュータで受信・集約し、各事業所のＣＲＴ端末で表
      示できる東京電力が独自に開発したシステム。
 
（注２）落雷位置標定システム（ＬＰＡＴＳ）
        落雷発生時、複数地点に設置された受信局（６ヶ所）で電波を受信し、
　　　この電波の到達時間差から落雷位置を標定するシステム。

（注３）ソフト：ネットスケープナビゲータ（Ver.3以上）
  　　　　　　　インターネットエクスプローラー（Ver.3.02以上）

（注４）32kbps高速データ伝送サービス
　　　　ＰＨＳを使った32kbpsのデジタル伝送方式によるデータ通信のためのサ
　　　　ービス。（平成９年４月サービス開始）
        デジタル携帯電話の9.6kbpsの約３倍と高速であるのが特徴。

（注５）このサービスについてはＴＴＮｅｔ（電話03-4555-3939、平日午前9:30
　　　～午後５時）にお問い合わせください。