平成8年11月7日
東京電力株式会社
当社・柏崎刈羽原子力発電所6号機(電気出力135万6千キロワット、
改良型沸騰水型軽水炉)は、平成3年9月に工事着手して以来、鋭意建設
を進めてまいりましたが、本日、営業運転を開始いたしました。
これにより、当発電所の出力は685万6千キロワットとなり、現時点で
世界第2位の規模の原子力発電所となりました。また、当社の原子力発電
設備は合計で16基、1,595万2千キロワットとなり、総発電設備の約
30%を占めることになりました。
今回、営業運転を開始する6号機は、これまでの運転経験と最新技術に
もとづき、国およびBWRを採用している電力会社の協力を得て、昭和56
年から当社と米国GE社、東芝、日立製作所のメーカー3社と共同で開発
を行なってきた世界初の「改良型沸騰水型軽水炉(ABWR=Advanced
BWR)」であります。このABWRは、従来型に比べて安全性や信頼性
、作業者の受ける放射線量や放射性廃棄物量、運転性、経済性などの面で
一層の向上が図られています。
6号機の設備の主な特徴はつぎのとおりです。
従来、原子炉圧力容器の外に設置されていた原子炉冷却材再循環ポンプ
を内蔵型とした「インターナルポンプ」、駆動システムを多様化した「改
良型制御棒駆動機構」、原子炉建屋と一体構造とした「鉄筋コンクリート
製格納容器」など、新しい技術の採用により、安全性、信頼性の向上を図
っています。
また、原子炉冷却材再循環系の外部配管をなくしたことにより、原子炉
格納容器・原子炉建屋がコンパクトとなってコンクリート材などが減少し
たことや、全天候型建設工法などの新しい工法を採用し、工期の短縮を図
ったことによって、経済性も向上しています。
さらに、中央制御盤では、情報の迅速、的確な共有化を可能にする大型
表示盤や主要な監視・操作機能を集約したコンパクトな主制御盤の採用に
より、運転員への負担の軽減を図るなど、一層の運転性の向上を実現して
います。
なお、柏崎刈羽原子力発電所では、同タイプの7号機も来年7月の営業
運転開始を目指して現在建設を進めております。
以 上
柏崎刈羽原子力発電所6号機の概要
(1)所在地 新潟県柏崎市および刈羽郡刈羽村
(2)電気出力 135万6千キロワット
(3)原子炉 形 式 濃縮ウラン、軽水減速、軽水冷却、沸騰水型
熱出力 約393万キロワット
運転圧力 72.1kg/平方センチメートル
運転温度 287度
(4)主要機器メーカー 東芝、日立、GE
(5)燃 料 種 類 二酸化ウラン焼結ペレット
平均濃縮度 初装荷燃料 約2.6%
ウラン装荷量 約150トン(燃料集合体数 872本)
(6)建設費 約4,180億円
(7)送電ルート 新新潟幹線および南新潟幹線(ともに50万ボルト)で
西群馬開閉所を通じ、新榛名線、西群馬幹線により当社
サービス区域に送電
|