2015年8月28日
東京電力株式会社

　当社は、本日、2015年5月29日に発見した、福島第一原子力発電所1000トン鋼製角形タンク群から３号機タービン建屋への貯留水移送ホースからの漏えいについて、原因調査を実施し、再発防止対策をとりまとめ、東京電力株式会社福島第一原子力発電所原子炉施設の保安及び特定核燃料物質の防護に関する規則第18条に基づく報告（事故故障等の報告）を原子力規制委員会に行いましたのでお知らせいたします（別紙参照）。

○別紙
　・発電用原子炉施設故障等報告書(PDF 5.08MB)
（件名：福島第一原子力発電所1000トン鋼製角形タンク群から３号機タービン建屋への貯留水移送ホースからの漏えいについて（構内排水路から港湾内への放射性物質の漏えいについて））

（以下、2015年6月8日までにお知らせ済み）

　2015年5月29日10時8分頃、発電所構内の35ｍ盤から２号機と３号機原子炉建屋へ向かう道路（下り勾配の坂道）脇にある側溝（以下、「側溝K-4-7」という。）に敷設されているポリ塩化ビニル製の耐圧ホース（以下、「当該ホース」という。）より、水が漏えいしていることを、協力企業の作業員が発見しました。
　当該ホースは、1000トン鋼製角形タンク群（以下、「ノッチタンク群」という。）より３号機タービン建屋へ貯留水の移送に使用しており、発生当時、移送を実施中であったことから、10時26分に移送用ポンプを停止しました。
　移送用ポンプを停止したことで、当該ホースの漏えい箇所（以下、「当該箇所」という。）からの漏えいは停止しました。
　漏えいした水は、当該ホースが敷設されている側溝K-4-7内に流れ出し、その下流側（漏えいした箇所の約10ｍ下流の位置）で別の側溝（以下、「側溝K-4-2」及び「側溝K-4-3」という。）に流入^※１し、そこからさらにＫ排水路まで到達しました。（Ｋ排水路の水はＣ排水路に移送しており、Ｃ排水路から港湾内に排水している）
　※１：側溝K-4-7と側溝K-4-3は、上下で交差（側溝K-4-7が上、側溝K-4-3が下）しており、交差部で側溝K-4-7の下部より、側溝K-4-3に水が落ちる構造となっております。

　漏えい発生を受けて、定例的に採取しているＫ排水路排水口の水の放射能濃度を確認したところ、2015年5月27日採取分の全ベータ放射能が約29Bq/Lであったのに対して、2015年5月28日採取分の全ベータ放射能が約1,200Bq/Lと、Ｋ排水路排水口の全ベータ放射能が上昇していました。
　また、2015年5月29日の7時、及び当該ホースからの漏えい発見後の11時50分に採取したＫ排水路排水口の水の放射能濃度についても、全ベータ放射能がそれぞれ約1,400Bq/L、約1,200Bq/Lとの結果でした。
　ノッチタンク群から３号機タービン建屋への貯留水の移送については、2015年5月27日9時頃より行っていたこと、Ｋ排水路排水口の全ベータ放射能は、2015年5月28日採取分から（2015年5月27日７時に採取した以降に）上昇していることから、Ｋ排水路排水口の全ベータ放射能の上昇は、当該ホースから漏えいした水の影響によるものと判断しました。
　また、当該ホースから漏えいした水が側溝K-4-7内に流れ出て、側溝K-4-3及び側溝K-4-2を通じてＫ排水路へ流れ、そこからＣ排水路を経由して発電所港湾内へ流出したものと判断しました。
　本件については、放射性物質を含んだ水が発電所港湾内（管理区域外）へ流出したことから、2015年5月29日17時35分、福島第一規則第18条第11号「核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物が管理区域外で漏えいしたとき。」に該当すると判断しました。
　その後、2015年6月8日に、本不具合の内容等について、福島第一規則第18条に基づく報告（事故故障等の報告）を原子力規制委員会に行いました。

以　上