東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について
【午後3時現在】
平成24年9月11日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
当社原子力発電所(福島第一および福島第二原子力発電所)への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。
※下線部が新規事項
【福島第一原子力発電所】
1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
5、6号機 地震発生前より定期検査中
※8月30日午後3時、定時のデータ確認において、1~3号機の原子炉注水量が以下のとおり低下していることを当社社員が確認。
1号機:必要注水量4.3m3/hに対して、注水量4.9m3/h(午後2時時点)から4.0m3/hに低下
2号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.5m3/hに低下
3号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.6m3/hに低下
このため、同日午後3時に2号機、同日午後3時5分に3号機、同日午後3時7分に1号機について、原子炉施設保安規定で定める「運転上の制限」を満足していないと当直長が判断。現場にて注水量の増加操作を実施したが、引き続き低下傾向が見られたため、注水量の継続監視を行い、適宜必要注水量を確保するため注水量の調整を実施。また、現場を確認した結果、原子炉注水系からの漏えいがないことを確認。
その後、流量低下事象発生時に稼働していた常用高台炉注水ポンプ(B)および(C)のポンプ内への空気の混入の有無を確認したが、ポンプ内への空気の混入がないことを確認。
また、流量調整弁に何らかのゴミや異物等が付着している可能性が考えられるため、8月31日、フラッシング作業を実施。
(9月1日より各号機の必要注水量は、1号機が3.8m3/h、2号機が5.4m3/h、3号機が5.4m3/hに変更となっている。)
9月2日、流量低下の原因調査の一環として各号機入口の流量調整弁の開度を大きくし、異物の付着を抑制する作業を実施。同作業後も注水量の継続監視を行っており、適宜注水量の調整を実施。
9月4日午前11時55分から午後1時にかけて、待機中の常用高台炉注水ポンプ(C)のポンプ吸込側に設置されているスプールの取外しと内部点検、および午後0時から午後0時50分にかけて、バッファタンク水冷却用の冷凍機入口に設置しているストレーナ(冷凍機6台中の2台)について、異物の付着状況を確認した。常用高台炉注水ポンプ(C)吸込配管内面に、異物等は確認されなかったが、バッファタンク水冷却用冷凍機入口のストレーナに、褐色および白色の異物が付着していることを確認。9月5日、バッファタンク上面のマンホールよりカメラを挿入し、内部を確認したところ、タンク内に白い浮遊物と思われるものを確認。9月6日、バッファタンク水に含まれる金属成分を分析した結果、大部分が鉄であり、特に問題となるようなものではなかった。
9月8日午前9時32分頃から、水中ポンプを用いたバッファタンク内の浮遊物等の浄化作業を開始。同日午後1時40分、作業を終了。
9月9日午前9時から、水中ポンプを用いたバッファタンク内の浮遊物等の浄化作業を開始。同日午後1時30分、作業を終了。
9月10日午前9時から、水中ポンプを用いたバッファタンク内の浮遊物等の浄化作業を開始。同日午後1時、作業を終了。
9月11日午前10時42分、1~3号機の原子炉注水量が低下した際に発生する警報の設定値を、現在の崩壊熱相当必要注水量から求められる値に設定。なお、設定値については今後、適宜変更。
なお、前回のお知らせ(9月10日午後3時)以降、流量に大きな低下が見られないため、注水量の調整は行っていない。
今後、引き続き原因について調査するとともに、注水量の継続監視を行う。なお、各号機の原子炉圧力容器下部に変化はなく、他のプラントパラメータおよび発電所内のモニタリングポストにも有意な変動は確認されていない。
※9月11日午前10時、6号機タービン建屋地下の溜まり水について、仮設タンクへの移送を開始。同日午後3時、移送を停止。
※9月11日午前10時22分、3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(雑固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却炉建屋])へ溜まり水の移送を開始。
※6月19日午後0時19分頃、当社社員が3号機タービン建屋1階給水加熱器室入口付近にある原子炉格納容器ガス管理システムの配管において傷が8カ所あり、その部分から音が発生していることを確認。午後2時40分頃、当該箇所は負圧に維持されており、内包ガスは配管外に漏れている状態ではないことを確認。なお、3号機の原子炉格納容器圧力、原子炉格納容器内水素濃度、原子炉格納容器ガス管理システム排気ガス流量において変化は見られていない。午後4時30分、応急処置として当該箇所に対してテープによる補修を実施。当該箇所の交換準備が整ったことから、9月11日午前10時26分、原子炉格納容器ガス管理システムを停止*し、交換修理作業を実施。同日午前11時30分、作業が終了したことから原子炉格納容器ガス管理システムを起動。同日午後1時6分、希ガスモニタによる計測を再開。なお、当該設備の停止期間における監視パラメータの値について異常がないことを確認。
*原子炉施設保安規定第12章「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理においては、「運転上の制限」や「運転上の制限を満足しない場合に要求される措置」等が定められており、運転上の制限を満足していない場合には、要求される措置に基づき対応することになっている。今回の場合は、保全作業の実施のため計画的に運転上の制限外に移行(9月11日午前10時26分から同日午後1時6分)して、3号機原子炉格納容器ガス管理システムを停止している。
【福島第二原子力発電所】
1~4号機 地震により停止中
以 上
- 添付資料
- ・過去の実績(平成24年1月1日以降)(PDF 525KB)
- 参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
- ・過去の実績(平成23年3月11日~12月31日)(PDF 523KB)