東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について
【午後3時現在】
平成24年9月5日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
当社原子力発電所(福島第一および福島第二原子力発電所)への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。
※下線部が新規事項
【福島第一原子力発電所】
1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
5、6号機 地震発生前より定期検査中
※8月30日午後3時、定時のデータ確認において、1~3号機の原子炉注水量が以下のとおり低下していることを当社社員が確認。
1号機:必要注水量4.3m3/hに対して、注水量4.9m3/h(午後2時時点)から4.0m3/hに低下
2号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.5m3/hに低下
3号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.6m3/hに低下
このため、同日午後3時に2号機、同日午後3時5分に3号機、同日午後3時7分に1号機について、原子炉施設保安規定で定める「運転上の制限」を満足していないと当直長が判断。現場にて注水量の増加操作を実施したが、引き続き低下傾向が見られたため、注水量の継続監視を行い、適宜必要注水量を確保するため注水量の調整を実施。また、現場を確認した結果、原子炉注水系からの漏えいがないことを確認。
その後、流量低下事象発生時に稼働していた常用高台炉注水ポンプ(B)および(C)のポンプ内への空気の混入の有無を確認したが、ポンプ内への空気の混入がないことを確認。
また、流量調整弁に何らかのゴミや異物等が付着している可能性が考えられるため、8月31日、フラッシング作業を実施。
(9月1日より各号機の必要注水量は、1号機が3.8m3/h、2号機が5.4m3/h、3号機が5.4m3/hに変更となっている。)
9月2日、流量低下の原因調査の一環として各号機入口の流量調整弁の開度を大きくし、異物の付着を抑制する作業を実施。同作業後も注水量の継続監視を行っており、適宜注水量の調整を実施。
9月4日午前11時55分から午後1時にかけて、待機中の常用高台炉注水ポンプ(C)のポンプ吸込側に設置されているスプールの取外しと内部点検、および午後0時から午後0時50分にかけて、バッファタンク水冷却用の冷凍機入口に設置しているストレーナ(冷凍機6台中の2台)について、異物の付着状況を確認した。常用高台炉注水ポンプ(C)吸込配管内面に、異物等は確認されなかったが、バッファタンク水冷却用冷凍機入口のストレーナに、褐色および白色の異物が付着していることを確認。
その後も注水量の継続監視を行っていたが、引き続き低下傾向が見られたため、以下のとおり注水量の調整を実施。
・9月5日午前10時30分
2号機:給水系1.2m3/hから2.0m3/h、炉心スプレイ系5.0m3/hで調整なし。(合計6.2m3/hから7.0m3/hに調整。)
3号機:給水系4.3m3/hから4.5m3/h、炉心スプレイ系2.0m3/hから2.5m3/hに調整。(合計6.3m3/hから7.0m3/hに調整。)
今後、引き続き原因について調査するとともに、注水量の継続監視を行う。なお、各号機の原子炉圧力容器下部に変化はなく、他のプラントパラメータおよび発電所内のモニタリングポストにも有意な変動は確認されていない。
※9月4日午前10時30分、1号機の原子炉格納容器ガス管理システムで測定している水素濃度および希ガス(クリプトン85)濃度が間欠的に上昇する現象の検証として、原子炉建屋1階に敷設済みの窒素封入ラインから、水素が滞留していると推定される圧力抑制室上部に窒素を封入し、滞留している水素およびクリプトン85をドライウェルに押し出すことにより、ガス管理システムにより圧力抑制室上部における水素およびクリプトン85の滞留の有無の確認を開始。同日午後4時37分、圧力抑制室上部への窒素封入を停止。本作業に伴い、1号機原子炉格納容器の水素濃度の値が0.54%(9月5日午前11時現在)となっているが、可燃限界(4%)以下であるため問題はない。
※8月30日午後4時15分、4号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(雑固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却炉建屋])へ溜まり水の移送を開始。9月4日午後5時18分、移送を停止。午後5時31分、移送を再開。
※9月4日、2号機原子炉建屋開口部(ブローアウトパネル)のダストサンプリングを実施。
※9月4日、2号機原子炉格納容器ガス管理システムのチャコールフィルタ・粒子状フィルタのサンプリングを実施。
※9月5日午前4時25分、免震重要棟において所内電源で過負荷トリップの警報が発生し、正門・西門・企業厚生棟の電源が切れていることを確認。このため、正門の連続ダストモニタが使用できなくなったことから、午前5時5分、全面マスク着用省略の運用を一時的に中止。その後、代替の電源に切り替え、連続ダストモニタが復旧したことから、午前6時15分、全面マスク着用省略の運用を再開。なお、1~6号機のプラントに影響はなく、各種パラメータおよびモニタリングポストの値に影響はない。
※9月5日午前10時、6号機タービン建屋地下の溜まり水について、仮設タンクへの移送を開始。同日午後3時、移送を停止。
【福島第二原子力発電所】
1~4号機 地震により停止中
以 上
- 添付資料
- ・過去の実績(平成24年1月1日以降)(PDF 516KB)
- 参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
- ・過去の実績(平成23年3月11日~12月31日)(PDF 523KB)