東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について
【午後3時現在】
平成24年8月31日
東京電力株式会社
平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。
当社原子力発電所(福島第一および福島第二原子力発電所)への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。
※下線部が新規事項
【福島第一原子力発電所】
1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
5、6号機 地震発生前より定期検査中
※3号機タービン建屋地下と4号機タービン建屋地下は構造上つながっており、4号機タービン建屋地下から溜まり水を移送することで、3号機タービン建屋地下の溜まり水も移送可能なことから、滞留水移送配管の信頼性向上を目的として、4号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設への移送配管(ポリエチレン管)を敷設する工事を行っていた。同工事が完了したことから、8月30日午後4時15分、4号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(雑固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却炉建屋])へ溜まり水の移送を開始。
※8月30日午後3時、定時のデータ確認において、1~3号機の原子炉注水量が以下のとおり低下していることを当社社員が確認。
1号機:必要注水量4.3m3/hに対して、注水量4.9m3/h(午後2時時点)から4.0m3/hに低下
2号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.5m3/hに低下
3号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.6m3/hに低下
このため、同日午後3時に2号機、同日午後3時5分に3号機、同日午後3時7分に1号機について、原子炉施設保安規定*1で定める「運転上の制限」*2を満足していないと当直長が判断。現場にて注水量の増加操作を実施したが、引き続き低下傾向が見られたため、注水量の継続監視を行い、下記のとおり必要注水量を確保するため注水量の調整を実施。また、現場を確認した結果、原子炉注水系からの漏えいがないことを確認。その後、流量低下事象発生時に稼働していた常用高台炉注水ポンプ(B)および(C)のポンプ内への空気の混入の有無を確認するため、同日午後11時8分、同ポンプ(A)を起動し、午後11時10分、同ポンプ(B)を停止。停止した同ポンプ(B)についてはエアベント操作を実施し、ポンプ内への空気の混入がないことを確認。同様に午後11時30分、同ポンプ(B)を起動し、午後11時31分、同ポンプ(C)を停止。停止した同ポンプ(C)についてはエアベント操作を実施し、ポンプ内への空気の混入がないことを確認。
・8月30日午後3時21分
2号機:給水系1.0m3/hから2.0m3/hに調整、炉心スプレイ系4.0m3/hで調整なし。(合計5.0 m3/hから6.0m3/hに調整。)
3号機:給水系1.4m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系3.7 m3/hから4.3m3/hに調整。(合計5.1 m3/hから6.8m3/hに調整。)
・同日午後4時12分
1号機:給水系1.7m3/hから3.0m3/hに調整、炉心スプレイ系2.0m3/hで調整なし。(合計3.7 m3/hから5.0m3/hに調整。)
2号機:給水系0.9m3/hから2.0m3/hに調整、炉心スプレイ系5.0m3/hで調整なし。(合計5.9 m3/hから7.0m3/hに調整。)
3号機:給水系2.2m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系4.2 m3/hから4.5m3/hに調整。(合計6.4 m3/hから7.0m3/hに調整。)
・同日午後6時17分
1号機:給水系2.1m3/hから3.0m3/hに調整、炉心スプレイ系2.0m3/hで調整なし。(合計4.1 m3/hから5.0m3/hに調整。)
2号機:給水系1.1m3/hから2.1m3/h、炉心スプレイ系4.4 m3/hから5.0m3/hに調整。(合計5.5 m3/hから7.1m3/hに調整。)
3号機:給水系1.9m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系3.8 m3/hから4.5m3/hに調整。(合計5.7 m3/hから7.0m3/hに調整。)
・同日午後10時30分
1号機:給水系2.0m3/hから3.0m3/h、炉心スプレイ系1.8 m3/hから2.0m3/hに調整。(合計3.8 m3/hから5.0m3/hに調整。)
2号機:給水系1.8m3/hから2.0m3/h、炉心スプレイ系4.0 m3/hから5.0m3/hに調整。(合計5.8 m3/hから7.0m3/hに調整。)
3号機:給水系1.6m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系3.4 m3/hから4.2m3/hに調整。(合計5.0 m3/hから6.7m3/hに調整。)
・8月31日午前0時9分
1号機:給水系2.7m3/hから3.0m3/h、炉心スプレイ系1.5 m3/hから2.0m3/hに調整。(合計4.2 m3/hから5.0m3/hに調整。)
3号機:炉心スプレイ系4.4 m3/hから4.5m3/hに調整、給水系2.5m3/hで調整なし。(合計6.9 m3/hから7.0m3/hに調整。)
・同日午前3時50分
1号機:給水系2.8m3/hから3.0m3/hに調整、炉心スプレイ系2.0m3/hで調整なし。(合計4.8 m3/hから5.0m3/hに調整。)
2号機:給水系1.6m3/hから2.0m3/hに調整、炉心スプレイ系5.0m3/hで調整なし。(合計6.6 m3/hから7.0m3/hに調整。)
3号機:給水系2.3m3/hから2.5m3/hに調整、炉心スプレイ系4.5m3/hで調整なし。(合計6.8 m3/hから7.0m3/hに調整。)
・同日午前7時24分
1号機:給水系2.9m3/hから3.0m3/h、炉心スプレイ系2.1 m3/hから2.0m3/hに調整。(合計5.0 m3/hで変化なし。)
2号機:給水系1.6m3/hから2.0m3/h、炉心スプレイ系5.1 m3/hから5.0m3/hに調整。(合計6.7 m3/hから7.0m3/hに調整。)
3号機:給水系2.3m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系4.6 m3/hから4.5m3/hに調整。(合計6.9 m3/hから7.0m3/hに調整。)
・同日午前11時5分
1号機:給水系2.4m3/hから3.0m3/h、炉心スプレイ系1.9 m3/hから2.0m3/hに調整。(合計4.3 m3/hから5.0m3/hに調整。)
3号機:給水系2.3m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系4.3 m3/hから4.5m3/hに調整。(合計6.6 m3/hから7.0m3/hに調整。)
・同日午後2時47分
1号機:給水系2.4m3/hから3.0m3/h、炉心スプレイ系1.9 m3/hから2.0m3/hに調整。(合計4.3 m3/hから5.0m3/hに調整。)
2号機:給水系1.7m3/hから2.0m3/h、炉心スプレイ系4.9 m3/hから5.0m3/hに調整。(合計6.6 m3/hから7.0m3/hに調整。)
3号機:給水系2.8m3/hから2.5m3/h、炉心スプレイ系4.1 m3/hから4.5m3/hに調整。(合計6.9 m3/hから7.0m3/hに調整。)
今後、引き続き原因について調査するとともに、注水量の継続監視を行う。なお、各号機の原子炉圧力容器下部に変化はなく、他のプラントパラメータおよび発電所内のモニタリングポストにも有意な変動は確認されていない。
*1 原子炉施設保安規定
核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37条第1項の規定に基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあたって遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など)を定めたもので、国の認可をうけている。
*2 運転上の制限
原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。
【福島第二原子力発電所】
1~4号機 地震により停止中
以 上
- 添付資料
- ・過去の実績(平成24年1月1日以降)(PDF 503KB)
- 参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
- ・過去の実績(平成23年3月11日~12月31日)(PDF 523KB)