プレスリリース 2012年

東北地方太平洋沖地震による当社原子力発電所への影響について

【午後4時現在】

平成24年8月30日
東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけしておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となっていること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いたしました。
 また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1~4号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップを取りまとめました。
 プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1~4号機の廃止措置に向けて必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り組んでまいります。

 当社原子力発電所(福島第一および福島第二原子力発電所)への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。

下線部が新規事項

【福島第一原子力発電所】
 1~4号機 廃止(平成24年4月19日)
 5、6号機 地震発生前より定期検査中

※7月27日午後2時54分、1~3号機の窒素供給装置(窒素ガス分離装置A)の流量指示が出ていないことを確認。このため、午後3時20分に現場を確認したところ、同装置が停止していることを確認。その後、「圧縮機故障」メッセージおよび「インバータ重故障」の表示が発生していたことを現場にて確認。停止の原因については、発生した警報がリセットできたこと、装置の再起動が可能であったことからインバータの故障の可能性は低く、インバータ誤動作により装置停止に至った可能性が高いと判断。診断装置による評価の結果、試運転が可能であると判断したため、8月2日午前8時2分に窒素ガス分離装置Aを起動、午前8時23分に窒素供給を開始し、運転状態確認を開始。午前9時13分、診断装置を手動停止した際に、インバータが停止したことから運転状態確認を中断したが、停止原因がインバータの不具合ではないことから、午後0時10分に窒素ガス分離装置Aを再起動、午後0時27分に窒素供給を開始し、運転状態確認を再開。午後2時3分、免震重要棟で警報が発生していることを確認。午後2時25分、現場を確認したところ、同装置が停止していることを確認したことから、運転状態確認を中断。その後、「圧縮機故障」メッセージおよび「インバータ重故障」の表示が発生していたことを現場にて確認。再度同様の事象が発生したことから、インバータに原因があるかどうか、診断装置により再評価した結果、インバータ内部の基板に何らかの不具合が発生と判断されたため、8月24日、インバータを交換。8月27日より試運転を行い連続運転していたが、問題が確認されなかったことから8月29日をもって試運転を完了(連続運転は継続)。

窒素ガスの供給については、窒素ガス分離装置Aの試運転が完了するまでの間、一時的にろ過水タンクバブリング用窒素ガス供給装置を窒素ガス分離装置Bと合わせて3台並列運転していたが、窒素ガス分離装置Aの試運転が完了したことから、8月30日午後0時10分、ろ過水タンクバブリング用窒素ガス供給装置を停止。

※8月28日午前10時26分、2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ溜まり水の移送を開始。8月30日午前8時47分、移送を停止。

※8月24日午後1時9分、3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ溜まり水の移送を開始。8月29日午前11時6分、滞留水移送配管のポリエチレン管化作業実施のため移送を一旦停止。当該作業が終了したことから、午後0時52分、移送を再開。8月30日午前8時52分、移送を停止。

津波の影響により使用出来なかった5号機残留熱除去海水系ポンプ(A)および(C)の復旧作業が完了したため、8月23、24日に試運転を実施し、異常がないことを確認。8月30日午前9時29分、残留熱除去系(B)を停止し、同日午前11時33分、残留熱除去系(A)を起動。以降運転状態に異常がないことから、残留熱除去系(A)の本格運用を開始。これにより、5号機における本設の残留熱除去系はA系とB系の両系統が復旧。

8月30日午前10時、6号機タービン建屋地下の溜まり水について、仮設タンクへの移送を開始。同日午後3時、移送を停止。

8月30日午後3時、定時のデータ確認において、1~3号機の原子炉注水量が以下のとおり低下していることを当社社員が確認。

 1号機:必要注水量4.3m3/hに対して、注水量4.9m3/h(午後2時時点)から4.0m3/hに低下
 2号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.5m3/hに低下
 3号機:必要注水量6.1m3/hに対して、注水量7.0m3/h(午後2時時点)から5.6m3/hに低下

 このため、同日午後3時に2号機、同日午後3時5分に3号機、同日午後3時7分に1号機について、原子炉施設保安規定*1で定める「運転上の制限」*2を満足していないと当直長が判断。現在、各号機の注水量は現状を維持しており、現場にて注水量の増加操作に向け準備中。なお、発電所内のモニタリングポストには有意な変動は確認されていない。

*1 原子炉施設保安規定
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第37条第1項の規定に基づき、原子炉設置者による原子力発電所の安全運転及び安定状態の維持にあたって遵守すべき基本的事項(運転管理・燃料管理・放射線管理・緊急時の処置・「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理など)を定めたもので、国の認可をうけている。

*2 運転上の制限
 原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。

【福島第二原子力発電所】
 1~4号機 地震により停止中

以 上

添付資料
過去の実績(平成24年1月1日以降)(PDF 507KB)
参考資料(最終更新日時:平成24年4月7日午後3時)
過去の実績(平成23年3月11日~12月31日)(PDF 523KB)
※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績ファイル】ページをご覧ください。

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