東北地方太平洋沖地震による影響などについて
【午後3時30分現在】
平成24年2月12日 東京電力株式会社 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震 により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、 立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし ておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。 福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を 取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となって いること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性 物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いた しました。 また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた 中長期ロードマップを取りまとめました。 プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1〜4号機の廃止措置に向けて 必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰 宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り 組んでまいります。 当社設備への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。 ※下線部が新規事項 【原子力発電所】 ・福島第一原子力発電所 1〜3号機 地震により停止中 (4〜6号機については地震発生前から定期検査中) ※2月2日以降、原子炉圧力容器底部の温度上昇の傾向が大きくなった2号機に ついて、原子炉への注水量を増加し、温度の傾向を監視していたが、依然70℃ 前後で高めの値を示している。2月6日、2号機原子炉格納容器ガス管理シス テムから気体をサンプリングした結果、当該システム入口でキセノン135は検 出限界未満であり再臨界判定基準である1Bq/cm3以下を満足しており、再臨 界していないことを確認しているが、急激な冷水の注水により炉内の水密度が 高くなり臨界の可能性が高くなることを避けるため、注水の増加操作前の2月 7日午前0時19分から午前3時20分にかけて、安全上の措置として念のため原 子炉へのホウ酸水注入を実施し、同日午前4時24分、炉心スプレイ系からの注 水量を約3.7m3/hから約6.7m3/hに変更(給水系からの注水量は約6.8 m3/hで継続)。その後も温度傾向の監視を続けていたところ、若干の温度 上昇傾向を示したことから、2月11日午後10時45分、給水系からの注水量を約 6.8m3/hから約7.8m3/hに変更(炉心スプレイ系からの注水量は約6.8 m3/hで継続)。2月12日、2号機原子炉格納容器ガス管理システムから気 体をサンプリングした結果、当該システム入口でキセノン135は検出限界値( 9.5×10-2 Bq/cm3)未満で、再臨界判定基準である1Bq/cm3以下を満足して おり、再臨界していないことを確認。その後も傾向監視を実施していたが、圧 力容器下部温度が依然高めの値を示していることから、急激な冷水の注水によ り炉内の水密度が高くなり臨界の可能性が高くなることを避けるため、注水量 の増加操作前の2月12日午前11時38分から午後1時50分にかけて、安全上の措 置として原子炉へのホウ酸水注入を実施。その後、午後2時10分より、注水量 増加操作を実施していたが、当該温度指示値が80℃を超えて82℃であることを 確認したため、午後2時20分、保安規定に定める運転上の制限*1である「原 子炉圧力容器底部温度80℃以下」を満足していないと判断。その後も、注水量 増加操作を継続し、午後3時30分、給水系からの注水量を約7.2m3/hから 約7.5m3/h、炉心スプレイ系からの注水量を約6.9m3/hから約9.9m3 /h、に変更*2。現在は約79.2℃(参考値)(2月12日午後3時現在)であ る。引き続き、傾向監視を行う。 *1 原子炉施設保安規定では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保 及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台 数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上 の制限という。保安規定に定められている機器等に不具合が生じ、一時 的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置 に基づき対応することになっている。 *2 原子炉施設保安規定第12章「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の 管理においては、「運転上の制限」や「運転上の制限を満足しない場合 に要求される措置」等が定められており、運転上の制限を満足していな い場合には、要求される措置に基づき対応することになっている。今回 の場合は、保全作業の実施のため計画的に運転上の制限外に移行(2月 12日午後1時55分から)し、2号機原子炉注水量の変更を行っていたが、 その後、当該温度指示値が80℃を超えて82℃であることを確認したため、 午後2時20分、保安規定に定める運転上の制限である「原子炉圧力容器 底部温度80℃以下」を満足していないと判断。なお、2号機原子炉注水 量の変更は継続して行っている。 ・福島第二原子力発電所 1〜4号機 地震により停止中 ・柏崎刈羽原子力発電所 6号機は通常運転中 (1〜5、7号機は定期検査中) 【火力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【水力発電所】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【流通設備等への影響】 ・電気の供給については、すべて復旧済み (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中) 【電力需給への影響】 今冬につきましては、柏崎刈羽原子力発電所5号機の定期検査などの減少要因が あるものの、一方で、地震により被災した共同火力の一部運転開始などの増加要因 を織り込んだ結果、5,370万kW(2月末)の供給力を確保できる見通しとなりまし た。 なお、これは、昨年冬期の最大電力である5,150万kWに対して220万kW程度の供給 予備力を確保できることになります。 今冬は安定供給を確保できる見通しですが、電源の計画外停止や急激な気温の変 化による需要増加の可能性もあることから、お客さまにおかれましては、無理のな い範囲での節電へのご協力をお願いいたします。 当社は、引き続き計画停電の「原則不実施」を継続するために、供給力を着実に 確保するとともに、電力設備の確実な運転・保守に努めてまいります。 以 上 添付資料 ・過去の実績(平成23年8月1日以降)(PDF 478KB) 参考資料(最終更新日時:平成23年8月19日午前9時) ・過去の実績(平成23年3月11日〜7月31日)(PDF 448KB) ※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績 ファイル】ページをご覧ください。