プレスリリース 2012年

東北地方太平洋沖地震による影響などについて

【午前11時現在】

                             平成24年2月10日
                             東京電力株式会社

 平成23年3月11日に発生いたしました三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震
により、当社の原子力発電所をはじめとした設備等が大きな被害を受けるなかで、
立地地域の皆さまをはじめ、広く社会の皆さまに大変なご心配とご迷惑をおかけし
ておりますことに対し、心よりお詫び申しあげます。
 福島第一原子力発電所の事故に関し、同年4月17日、事故の収束に向けた道筋を
取りまとめ、7月19日に、ステップ1の目標「放射線量が着実に減少傾向となって
いること」を達成いたしました。その後、12月16日に、ステップ2の目標「放射性
物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられていること」の達成を確認いた
しました。
 また、同年12月21日に、福島第一原子力発電所1〜4号機の廃止措置等に向けた
中長期ロードマップを取りまとめました。
 プラントの安定状態の維持に取り組むとともに、1〜4号機の廃止措置に向けて
必要な措置を中長期にわたって進めていくことにより、避難されている方々のご帰
宅の実現および国民の皆さまが安心して生活いただけるよう、引き続き全力で取り
組んでまいります。

 当社設備への主な影響について、以下の通りお知らせいたします。

※下線部が新規事項 

【原子力発電所】

・福島第一原子力発電所 1〜3号機 地震により停止中
 (4〜6号機については地震発生前から定期検査中)

 ※2月8日午前9時40分頃、協力企業作業員が2号機タービン建屋東側の仮設プ
  ールから水がオーバーフローしていることを確認。現場の仮設プールではサブ
  ドレン浄化試験のため、ポンプでサブドレン水のくみ上げを行っていたことか
  ら、同日午前10時15分頃にポンプを停止したことによりオーバーフローはおさ
  まっている。その後、現場調査を実施した結果、現場周辺の排水溝に水が無か
  ったことから排水溝への流れ込みは無く、海への流出は無いと判断。またタン
  ク内の水をサンプリングして核種分析を実施した結果、Cs-134は3.4×10-1 
  Bq/cm3、Cs-137は5.2×10-1Bq/cm3であり、本日サンプリングしたサブドレン
  水の分析結果と同等であったことから、オーバーフローした水はサブドレン水
  と判断。なお、タンクからオーバーフローした量については最大で約16m3 
  評価。 

 ※2月9日午前10時、6号機タービン建屋地下の溜まり水について、仮設タンク
  への移送を開始。同日午後4時、移送を停止。2月10日午前10時、同移送を開 
  始。 

 ※2月10日午前9時50分から、窒素封入の信頼性向上のため、3号機原子炉格納 
  容器側の窒素封入ラインへの流量計追設作業を行っており、この間、同作業に 
  伴い、一時的に窒素封入を停止 
  *原子炉施設保安規定第12章「中期的安全確保の考え方」に基づく設備の管理 
   においては、「運転上の制限」や「運転上の制限を満足しない場合に要求さ 
   れる措置」等が定められており、運転上の制限を満足していない場合には、 
   要求される措置に基づき対応することになっている。今回の場合は、保全作 
   業の実施のため計画的に運転上の制限外に移行(2月10日午前9時50分から 
   開始)して、3号機原子炉格納容器側の窒素封入を停止している。 

 ※2月2日以降、原子炉圧力容器底部の温度上昇の傾向が大きくなった2号機に
  ついて、原子炉への注水量を増加し、温度の傾向を監視していたが、依然70℃
  前後で高めの値を示している。2月6日、2号機原子炉格納容器ガス管理シス
  テムから気体をサンプリングした結果、当該システム入口でキセノン135は検
  出限界未満であり再臨界判定基準である1Bq/cm3以下を満足しており、再臨界
  していないことを確認しているが、急激な冷水の注水により炉内の水密度が高
  くなり臨界の可能性が高くなることを避けるため、注水の増加操作前の2月7
  日午前0時19分から午前3時20分にかけて、安全上の措置として念のため原子
  炉へのホウ酸水注入を実施し、同日午前4時24分、炉心スプレイ系からの注水
  量を約3.7m3/hから約6.7m3/hに変更(給水系からの注水量は約6.8m3/hで継
  続)。現在は約66.7℃(2月10日午前5時時点)である。引き続き、傾向監視
  を行う。

 ※集中廃棄物処理施設のプロセス主建屋と雑固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却
  炉建屋]間のトレンチにおける放射性物質を含む溜まり水の発見(平成23年12
  月18日)を受け、1月11日、発電所構内のその他のトレンチ等の点検を開始。
  2月9日の点検の結果、水溜まりが確認された場所および核種分析結果(速報
  値)は以下の通り。
   ・5・6号機通信ケーブル管路内 
    I-131:検出限界値未満、Cs-134:検出限界値未満、Cs-137:7.2× 
    10-2Bq/cm3 
   ・非常用ガス処理配管ダクト内 
    I-131:検出限界値未満、Cs-134:4.6×10-1Bq/cm3、Cs-137:6.7× 
    10-1Bq/cm3 
   ・5号機薬品タンク連絡ダクト連絡ダクト内、サプレッションプール水配管 
    トレンチ内、共用サプレッションプール水サージパイプダクト内、消火配 
    管トレンチ(5号機西側)内、消火配管トレンチ(6号機西側)内、消火 
    配管トレンチ(5号機南側)内については水溜まりがないことを確認。 

 ※2月10日午前8時39分、第二セシウム吸着装置において、徐々に処理流量に低 
  下傾向が見られることから、フィルタの逆洗をするため、当該装置を一時停止。 

 ※2月10日午前8時45分、集中廃棄物処理施設において、サイトバンカ建屋から 
  プロセス主建屋へ溜まり水の移送を開始。 

 ※2月7日午後2時14分、2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設(雑
  固体廃棄物減容処理建屋[高温焼却炉建屋])へ溜まり水の移送を開始。2月 
  10日午前8時21分、移送を停止。 

 ※2月10日午前10時21分、1号機原子炉への注水量の低下が確認されたため、炉 
  心スプレイ系からの注水量を約1.7m3/hから約2.0m3/hに調整(給水系からの 
  注水量は約4.5m3/hで継続中)。 

 ※2月10日午前10時5分、3号機原子炉への注水量の低下が確認されたため、給 
  水系からの注水量を約2.7m3/hから約3.0m3/hに調整(炉心スプレイ系からの 
  注水量は約6.0m3/hで継続中)。 

 ※2月9日午後6時30分頃、免震重要棟において、1号機の仮設計器によるデー 
  タ監視が不能になっていることを確認。これにより、格納容器雰囲気モニタ、 
  格納容器圧力、ドライウェルHVH温度、原子炉水位等のプラント関連パラメ 
  ータが欠測となる。その後、1・2号機中央制御室において当該仮設計器に電 
  源を供給する装置のヒューズが切れていること、及び本設計器の計器用電源の 
  故障を確認したため、2月10日午前6時15分、当該ヒューズの交換を実施し、 
  格納容器圧力、原子炉水位等のパラメータを除いて1号機の仮設計器により監 
  視可能となる。その後、故障が確認された計器用電源から他の計器用電源への 
  乗せ替え作業を実施したところ、同日午前10時55分、全てのパラメータを1号 
  機の仮設計器により監視可能となる。なお、1号機の仮設計器によるデータ監 
  視が不能になっている間も、免震重要棟内のウェブカメラ等によって安全上重 
  要なパラメータについては監視出来ており、パラメータに大きな変化はないこ 
  とを確認できていることから、安全上問題はない。 

・福島第二原子力発電所 1〜4号機 地震により停止中

・柏崎刈羽原子力発電所 6号機は通常運転中
 (1〜5、7号機は定期検査中)

【火力発電所】
・電気の供給については、すべて復旧済み
 (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中)

【水力発電所】
・電気の供給については、すべて復旧済み
 (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中)

【流通設備等への影響】
・電気の供給については、すべて復旧済み
 (ただし、設備損傷箇所については、適時対応中)

【電力需給への影響】
 今冬につきましては、柏崎刈羽原子力発電所5号機の定期検査などの減少要因が
あるものの、一方で、地震により被災した共同火力の一部運転開始などの増加要因
を織り込んだ結果、5,370万kW(2月末)の供給力を確保できる見通しとなりまし
た。
 なお、これは、昨年冬期の最大電力である5,150万kWに対して220万kW程度の供給
予備力を確保できることになります。

 今冬は安定供給を確保できる見通しですが、電源の計画外停止や急激な気温の変
化による需要増加の可能性もあることから、お客さまにおかれましては、無理のな
い範囲での節電へのご協力をお願いいたします。
 当社は、引き続き計画停電の「原則不実施」を継続するために、供給力を着実に
確保するとともに、電力設備の確実な運転・保守に努めてまいります。

                                  以 上

添付資料
・過去の実績(平成23年8月1日以降)(PDF 475KB) 

参考資料(最終更新日時:平成23年8月19日午前9時)
・過去の実績(平成23年3月11日〜7月31日)(PDF 448KB) 

※上記資料の最新版は、【「東北地方太平洋沖地震による影響などについて」実績 
 ファイル】ページをご覧ください。 



	

	



			
			
		

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