川崎火力発電所1号系列全軸の営業運転開始について
平成21年2月5日 東京電力株式会社 当社は、本日、川崎火力発電所1号系列第1軸(50万kW)の営業運転を開始 いたしました。これにより、平成11年10月以来、建設を進めてまいりました1号 系列150万kW(50万kW×3軸)の全ての発電設備が完成し、全軸の営業運転 を開始いたしました。 発電方式は、既に営業運転を開始している川崎火力発電所1号系列第2軸およ び第3軸と同様に、横浜・千葉・富津・品川の各火力発電所で実績のある改良型 コンバインドサイクル発電(ACC:Advanced Combined Cycle=1,300℃級)(注1) にさらなる技術改良を加えた1,500℃級コンバインドサイクル発電(MACC: More Advanced Combined Cycle)を採用しております。 川崎火力発電所1号系列の特長は次のとおりです。 (1)世界最高水準の熱効率59%(注2)を実現 ガスタービンに最新の耐熱材料と冷却技術を導入し、燃焼温度をこれまで の改良型コンバインドサイクル発電の1,300℃から1,500℃へ上昇させたこと などにより、世界最高水準の59%という高い熱効率を実現しました。これに より、従来型のLNG火力と比較して約4割熱効率が向上し、燃料の使用量 および、CO2排出量を約25%抑制します。 (2)最新技術の採用で環境にやさしい発電所を実現(大気汚染を抑制) 燃料には硫黄酸化物(SOx)や、ばいじんを排出しないクリーンな液化 天然ガス(LNG)を使用するとともに、最新型の低NOx(窒素酸化物) 燃焼器および高性能脱硝装置を採用しました。 (3)川崎市千鳥・夜光地区コンビナートへ蒸気を供給 発電に使用した後の蒸気は、川崎市千鳥・夜光地区コンビナートへ供給し、 同地区の10社の工場で再利用していただく予定です(平成21年度下期)。 これにより、年間で約1.1万キロリットル(原油換算)の燃料と、約2.5万 トンのCO2排出量の削減効果が見込まれます。 なお、これは、一般家庭の約9,600世帯分の年間エネルギー消費量と、約 4,800世帯分の年間CO2排出量に相当します。(注3) 当社は、今後も、安全な発電所運営と、地域の皆さまの安心のために万全を尽 くすとともに、川崎臨海部の環境を守り、自然と調和したまちづくりに貢献して まいります。 以 上 (注1)改良型コンバインドサイクル発電(ACC:Advanced Combined Cycle =1,300℃級) コンバインドサイクル発電とは、ガスタービンと蒸気タービンとを組み合わ せたもので、ガスタービンから排出された高温の排ガスを再利用して蒸気を作 り、蒸気タービンとガスタービンで発電する。蒸気タービンだけの火力発電に 比べ、熱効率を上昇させ、出力の増加を図ることが可能。 改良型コンバインドサイクル発電とは、従来のコンバインドサイクル発電の 燃焼温度を1,100℃から1,300℃へ上昇させることなどにより、効率を上昇させ たもの。 また、1,500℃級コンバインドサイクル発電は、改良型コンバインドサイク ル発電の燃焼温度を1,300℃から1,500℃へ上昇させることなどにより、効率を さらに向上させたもの。 (注2)熱効率59% 燃料中の水分および燃焼によって生成された水分の凝縮熱を差し引いた低位 発熱量基準に基づき算出した熱効率で、凝縮熱を含めた発熱量を基にした高位 発熱量基準では53%。 (注3)年間の省エネルギー効果、CO2排出量削減効果 o年間の省エネルギー効果:約1.1万キロリットル(原油換算) (算出根拠) ・10社の年間エネルギー使用量(2005年度実績):約28万kl ・MACCからの蒸気のエネルギー量を含む10社の推定エネルギー使用量 :約27万kl *各社の燃料構成およびエネルギー使用量実績より推定 一般家庭約9,600世帯分の年間エネルギー消費量に相当 (算出根拠) ・一般家庭一世帯あたりの年間エネルギー消費量(2006年度) :10,485千kcal ・原油1リットルあたりの平均発熱量:9,126kcal (財団法人省エネルギーセンター発行「2008エネルギー・経済統計要 覧」より) o年間のCO2排出量削減効果:約2.5万トン (算出根拠) ・10社それぞれの燃料構成に基づき、「地球温暖化対策の推進に関する 法律」に定められた排出係数より算出。 一般家庭約4,800世帯分の年間CO2排出量に相当 (算出根拠) ・一般家庭一世帯あたりの年間CO2排出量(2006年度):約5.2t (国立環境研究所 地球環境研究センター温室効果ガスインベントリオ フィス「温室効果ガス排出量・吸収量データベース」より) 添付資料 ・別紙:川崎火力発電所1号系列の概要(PDF 89.1KB)
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