プレスリリース 2008年

当社原子力発電所における配管の構造強度評価結果の一部誤りに関する再評価結果および原因と再発防止対策の報告について

                             平成20年4月30日
                             東京電力株式会社

 当社原子力発電所の一部のプラントにおいて過去に実施した配管の構造強度評価
結果の一部に誤りが確認されたことから、平成20年4月10日に原子力安全・保安院
から該当する配管の構造強度の再評価を実施し、根本的な原因究明と再発防止対策
の報告を求める旨の指示文書*1を受領しておりました。
                     (平成20年4月10日お知らせ済み)

 当社は、該当する7プラント*2における配管の構造強度の再評価を実施し、根
本的な原因究明を行い、再発防止対策をとりまとめ、本日、原子力安全・保安院に
報告しましたのでお知らせいたします。

1.これまでの経緯
 当社は、平成19年7月16日に発生した新潟県中越沖地震を踏まえ実施している柏
崎刈羽原子力発電所7号機における各設備の点検・評価において、配管の構造強度
評価結果の一部が誤っていることを確認いたしました。その原因は、解析を実施し
たメーカの計算機プログラムの一部に問題があったことによるものです。
 このたびの事象を踏まえ、原子力安全・保安院から、当該メーカが過去に実施し
た配管の構造強度評価に関して、問題のあった計算機プログラムのデータ処理を修
正したうえ、構造強度の再評価を実施し報告すること、ならびに根本的な原因究明
と再発防止対策について併せて報告を求める旨の指示文書を受領いたしました。
 その後、再評価を実施するとともに原因究明と再発防止対策をとりまとめてまい
りました。

2.再評価結果
 当該メーカが過去に同様の方法により構造強度評価を実施した7プラントにおけ
る工事計画書等に関する構造強度の再評価を実施した結果、いずれの配管も許容値
を十分満足しており、構造強度に問題がなく、安全上の問題がないことを確認いた
しました。

3.原因
 解析を実施したメーカの計算機プログラムの一部に問題があった原因として、当
該メーカからの聞き取りにおいて、昭和55年当時、計算機プログラムを作成する際、
データの整合性を確認する具体的な要領が不明確であったことが確認されました。
また、当社においても、解析を実施するメーカに対し計算機プログラムの検証の要
求やその検証結果を確認する行為を、昭和55年当時は行っていなかったことなどが
一因として挙げられました。
 なお、当社において、本年3月に柏崎刈羽原子力発電所7号機における各設備の
点検・評価に関する解析実施状況調査を実施した際も、これまで十分実績のある計
算機プログラムであることをもってその妥当性の確認をしていたことから、評価結
果に誤りがあったことを確認できなかったものです。

4.再発防止対策
 当社は、これまで十分実績のある計算機プログラムを含め、当該メーカが作成・
改造した計算機プログラムについて、当該メーカが適切な方法で検証していること
を確認いたしました。
 また、現在においては、当社がメーカへ解析業務を発注する際は、発注仕様書に
おいて解析業務の管理に関する要求をしており、解析実施状況調査においてそれら
が正しく行われていることを確認しております。
 これらの取り組みについて、引き続き活動内容を充実するとともに確実に実施し
ていくことにより、品質向上を図り、再発防止に努めてまいります。

5.今後の対応
 当社は、このたびとりまとめた再発防止対策を着実に実施することで信頼性の一
層の向上に努めてまいりますが、今回の事象を鑑み、当該メーカ以外の過去に作成
・改造されたメーカオリジナルのプログラムについて点検を行ってまいります。
 また、現時点においてプラントの安全性に影響を及ぼすものではありませんが、
当該メーカが過去に構造強度評価を実施した福島第一原子力発電所1号機および4
号機における高経年化技術評価等報告書について、平成20年5月30日までに再評価
を行ってまいります。

                                  以 上

添付資料
 ○ 当社原子力発電所における配管の構造強度評価結果の一部誤りに関する再評
   価結果および原因と再発防止対策の概要(PDF 46.5KB)

*1 指示文書
   「配管設計の応力解析における不備への対応について」(平成20年4月10日
   付平成20・04・10原院第1号)
   ・今回の報告を踏まえ、柏崎刈羽原子力発電所第7号機における当該配管の
    応力解析に使用しているものと同じ計算機プログラムを使用して応力解析
    を行った配管分岐部に対して、修正した計算機プログラムを使用して応力
    解析を実施した上で、その結果を平成20年4月30日(水)までに当院に報
    告すること。
    なお、応力解析の結果、発生する応力が配管の持つ許容応力を満足しない
    ことが判明した場合には、速やかにその事実及び対応策について当院に報
    告すること。
   ・今回、配管設計の応力解析に不備が生じたことの根本的な原因を究明し、
    その再発防止対策についても、併せて報告すること。

*2 7プラント
   ・福島第一原子力発電所1号機、4号機
   ・福島第二原子力発電所2号機、4号機
   ・柏崎刈羽原子力発電所4号機、5号機、7号機


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