プレスリリース 2007年

タイにおけるバイオガスCDMプロジェクト設備の運転開始について

〜タピオカ澱粉[でんぷん]製造工場からメタンを回収し、6年間で約56.4万トンの炭素クレジットを購入〜

 
                            平成19年2月15日
                            豊田通商株式会社
                            東京電力株式会社

 豊田通商株式会社(本社:名古屋市中村区 取締役社長:清水 順三[しみず 
じゅんぞう])と東京電力株式会社(本社:東京都千代田区 取締役社長:勝俣
恒久[かつまた つねひさ])は、両社が出資しているプロジェクト事業会社「
キャッサバ・ウエースト・ツー・エナジー社」(以下、事業会社)を通じて、タ
イ東北部(カラシン)のタピオカ澱粉製造工場から発生するメタンを回収するク
リーン開発メカニズム(CDM)[注1]プロジェクト設備の建設を進めてまい
りましたが、本日竣工し、運転を開始いたしました。

 タイ国では、タピオカ澱粉製造の原材料であるキャッサバ[注2]が同国第2
位の農産品として広く栽培されていますが、タピオカ澱粉製造工場の有機排水か
ら発生するメタン[注3]については、法令による排出規制がないため、これま
で大気中に放出されていました。
 本プロジェクトでは、事業会社がメタン回収設備や発酵槽等の設備を建設し、
これまで大気中に放出されていたメタンを回収して、バイオガスとして同工場に
供給・販売いたします。さらに、同工場においてメタンを燃料として燃焼させる
ことで、温室効果ガスを大幅に削減[注4]するとともに、これまで同工場のボ
イラー用燃料として使用されていた重油の消費量も、大幅に削減することが可能
となります。

 両社は、本プロジェクトから創出される炭素クレジットの購入について事業会
社と合意しており、2012年12月までに約56.4万トン(豊田通商:約33.8万トン、
東京電力:約22.6万トン、CO換算)[注5]のクレジットを購入する予定で
す。
 なお、両社は、かねてより炭素クレジットの購入など、国内外において温暖化
ガス削減に向けた取り組みを積極的に実施しておりますが、CDMプロジェクト
の事業主体に直接出資・参画するのは、両社にとって初めての取り組みとなりま
す。

 豊田通商は、環境関連を注力分野と位置づけ、環境関連分野ビジネスを推進す
ることが持続可能な社会の形成に貢献できると考え、今後ともリサイクル事業や
温暖化対策・環境保全商品展開への取り組みを推進してまいります。

 東京電力は、地球温暖化防止への対応を経営の最重要課題の一つとして位置づ
けており、引き続き、国内における電気の供給面・使用面の対策や、海外プロジ
ェクトを通じた炭素クレジットの取得など、国内外での地球温暖化対策を積極的
に推進してまいります。

                                 以 上

[注1]クリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)
     先進国・移行経済国が、途上国において温室効果ガス排出削減(また
    は吸収増大)プロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量等を、
    炭素クレジットとして取得する仕組み。先進国・移行経済国で実施され
    る排出削減(または吸収増大)プロジェクトからの炭素クレジット取得
    の仕組みである共同実施(JI:Joint Implementation)、先進国・移行
    経済国間の排出枠の移転・取得の仕組みである排出量取引(ET:Emission
    Trading)と並ぶ京都メカニズムの一つ。
     京都メカニズムとは、1997年に「京都議定書」において定められた、
    温室効果ガス削減をより柔軟に行うための経済的メカニズムのこと。

[注2]キャッサバ 
キャッサバ
     中南米原産の多年生の低木で、やせ地・酸性土壌で育成することがで     き、タイにおいても広く栽培されている。乾燥に強く、熱帯気候では茎     をさすだけで容易に繁殖し、根が細長く肥大して30〜80cm程度になる。     すりつぶして沈殿させることで良質なタピオカ澱粉が得られる。 [注3]メタン(CH)      キャッサバからタピオカ澱粉を製造する過程で排出される有機排水が     発酵することにより、メタンが発生する。 [注4]温室効果ガスを大幅に削減      メタンはCOの約21倍の温室効果があるため、燃焼させてCOと     水に分解することにより、温室効果ガスの削減効果が得られる。 [注5]2012年12月までに約56.4万トン(豊田通商:約33.8万トン、東京電力:     約22.6万トン、CO換算)      平成18年2月8日にお知らせした時点では、「2006年12月〜2012年12     月の約6年間で約60万トン(豊田通商:約36万トン、東京電力:約24万     トン、CO換算)」としていたが、発生するバイオガスの量を再度試     算した結果、変更となったもの。 添付資料 ・別紙(PDF 57.8KB)


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