「川崎火力発電所1号系列の蒸気を利用した川崎市千鳥・夜光地区コンビナートにおける共同事業」がNEDO交付金事業に選定
~火力発電所からの蒸気を、わが国として最大級となる10社に供給する省エネルギーの取り組み~
平成18年8月1日
東京電力株式会社
株式会社日本触媒
旭化成ケミカルズ株式会社
東京電力株式会社と株式会社日本触媒、旭化成ケミカルズ株式会社の3社は、
川崎市千鳥・夜光コンビナートに工場を持つ9社*1と共同で、現在リニューアル
工事中である東京電力川崎火力発電所1号系列の蒸気を、工場用に再利用する大
規模省エネルギー事業を進めておりますが、このたび、独立行政法人新エネルギ
ー・産業技術総合開発機構(NEDO)より、本事業を「平成18年度NEDOエ
ネルギー使用合理化事業者支援事業*2」として選定いただきました。
わが国のコンビナートでは、生産活動により大量のエネルギーを消費する一方、
各企業や工場が省エネルギーに努めておりますが、川崎市千鳥・夜光地区コンビ
ナートについては、「平成16年度NEDO省エネルギー調査事業」で、「複数の
工場が蒸気を共同利用することにより、さらなる省エネルギーが可能である」と
いう調査結果が示されました。
これを踏まえ、3社は、本事業について検討を進めるとともに、他の9社と共
同で、本年5月26日にNEDOへの応募申請を行っていたものです。
具体的には、同コンビナート内に新たに蒸気配管を敷設するとともに、新日本
石油化学株式会社の既設の蒸気配管も一部利用し、最新鋭のコンバインドサイク
ル発電(MACC*3)として平成21年7月に竣工予定の川崎火力1号系列から、
発電に使用された後の蒸気を10社*4に供給して、工場用に再利用いたします。
現在、コンビナート内の各社は、それぞれボイラにより蒸気を作り、原料の加
熱などに利用しておりますが、これを川崎火力1号系列からの蒸気に切り替える
ことにより、年間で約1.1万キロリットル(原油換算)の燃料と、約2.5万トンの
CO2排出量の削減効果が期待されます。
これは、一般家庭約9,300世帯分の年間エネルギー消費量と、4,500世帯分の年
間CO2排出量に相当します。
今後は、本年10月を目途に、事業を運営する新会社を設立するとともに、平成
21年度下期の蒸気供給開始に向けて、蒸気配管の建設工事などの準備を進めてま
いります。
なお、本事業につきましては、「川崎市新エネルギービジョン」に基づくエネ
ルギーの効率的な利用の促進や、川崎市臨海部における企業間連携による産業競
争力の強化などに積極的に取り組まれている川崎市様にもご協力をいただいてお
ります。
以 上
*1 9社
川崎化成工業株式会社、昭和電工株式会社、大同特殊鋼株式会社、東京
油槽株式会社、日本ゼオン株式会社、日本乳化剤株式会社、日本ポリエチ
レン株式会社、日本油脂株式会社、新日本石油化学株式会社の9社。NE
DOへは、東京電力、日本触媒、旭化成ケミカルズの3社とともに、計12
社で共同申請(新日本石油化学株式会社は蒸気受け入れには不参加)。
*2 NEDOエネルギー使用合理化事業者支援事業
エネルギーを使用して事業を行っている事業者が、さらなる省エネルギ
ーを推進するための設備・技術を導入する取り組みに対し、独立行政法人
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が、当該事業に必要な
費用の一部を補助する制度。
*3 MACC(More Advanced Combined Cycle)
ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた改良型コンバインドサイク
ル(ACC)発電システムをベースに、ガスタービン入口温度をさらに高
温化した高効率・大容量の発電方式。ガスタービンの耐熱材料の開発、ガ
スタービンの蒸気冷却などの技術革新により、1500℃級まで高温化するこ
とで、世界最高水準の熱効率を実現。
*4 10社
共同申請した12社のうち、東京電力と新日本石油化学を除いた10社。
添付資料
・別紙1:「川崎火力発電所1号系列の蒸気を利用した川崎市千鳥・夜光地区
コンビナートにおける共同事業」の概要(PDF 15.1KB)
・別紙2:蒸気供給事業概要図(PDF 50.0KB)
・別紙3:東京電力川崎火力発電所リニューアル計画の概要(PDF 12.0KB)
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