プレスリリース 2006年

点検停止中の福島第一原子力発電所3号機ハフニウム板型制御棒の一部欠損部の回収・調査結果について

                               平成18年4月14日
                              東京電力株式会社

 当社・福島第一原子力発電所3号機(沸騰水型、定格出力78万4千キロワット)は、
平成18年2月22日より点検停止*1中ですが、3月10日、気水分離器等貯蔵プール*2 
内の仕切りゲート受け架台上に、金属片らしきもの1個(約1cm×約4cm)を発見・
回収したことから、調査を行いました。
 調査の結果、3月10日に回収した金属片らしきものは、色、厚さ、形状、放射線量
から、3月7日に原子炉内の制御棒案内管*3内より全量を回収したとお知らせした
ハフニウム板型制御棒*4のシース部*5の欠損部分の一部であると判断いたしました。
 当該シース部の欠損部が気水分離器等貯蔵プール内で発見された原因は、制御棒案
内管内に落下していた当該シース部の欠損部分の回収作業で使用した装置*6をプー
ル内で解体した際に、吸引によりホース内に留まっていた回収物が残留水とともに落
下したものと推定いたしました。
 また、回収物(2個)を当該シース部の欠損部分と比較したところ、2個の未回収
部分(約4mm×約10mm[約0.26g]、約2mm×約10mm[約0.13g])があると判断し、
落下した可能性があるエリアについて調査を行っておりました。
                   (平成18年3月11日、20日お知らせ済み)

 平成18年3月11日以降、当該シース部の欠損部の未回収部分(2個)については、
回収作業で使用した装置から落下した可能性が考えられることから、当該装置が移動
した原子炉上部やシュラウド外周部、気水分離器等貯蔵プールなどのエリアについて、
水中テレビカメラによる目視確認とビデオテープによる再確認を行うとともに、当該
装置についても分解調査を行いました。また、欠損部の一部が発見された制御棒案内
管内部の再調査を行いましたが、未回収部分の発見には至りませんでした。
 このことから、未回収部分が原子炉内に残っているものとして、燃料集合体、原子
炉内の設備、原子炉再循環ポンプ等の原子炉につながる設備を損傷させたり、機能低
下を引き起こす可能性について評価いたしましたが、未回収部分は極めて小さく、軽
量であることなどから、これらの設備の健全性には影響を与えるものではないと判断
いたしました。
 なお、未回収部分については、今後の定期検査等における設備点検の中で確認をし
てまいります。

 また、当初、当該シース部の欠損部分の全量を回収したと誤判断した原因について
は、欠損部分を回収後、当該制御棒案内管内部に他の金属片がなかったこと、回収し
た欠損部分の形状が当該制御棒の剥がれた部分と似ていたことから、全量を回収した
と判断してしまったものです。今後、回収物の確認については、可能な限り定量的な
データを採取した上で評価するなど、慎重に実施してまいります。

以 上

*1 点検停止
    原子炉再循環ポンプ(B)軸封部(メカニカルシール)のシール性が低下し
   たことから、当該軸封部を取り替えるため、2月22日午前8時3分、原子炉停
   止。(平成18年2月20日お知らせ済み)
*2 気水分離器等貯蔵プール
    定期検査時において燃料を取り替える際等に、原子炉圧力容器内燃料の上部
   に設置される蒸気乾燥器、気水分離器を取り出し、保管するためのプール。
*3 制御棒案内管
    制御棒を引き抜いた際に制御棒を収納する管。
*4 ハフニウム板型制御棒
    高い中性子吸収能力を有するハフニウムを使用した制御棒で、ボロンカーバ
   イド型制御棒よりも寿命が長い。
*5 全量を回収したとお知らせしたハフニウム板型制御棒のシース部
    3月3日より、原子炉内から取り出したハフニウム板型制御棒(18本)につ
   いて外観確認を実施した結果、合計5本の制御棒のシース部(ハフニウムを包
   んでいる金属板)にひび、また、そのうち1本の制御棒にはタイロッド部のひ
   びとシース部の一部に欠損部(約3cm×約7cm)が認められた。当該制御棒の
   欠損部分については、3月4日に原子炉内を確認したところ、当該制御棒が運
   転中に使用されていた位置の制御棒案内管内より欠損部らしき金属片を回収し、
   翌5日に全量を回収したと判断していた。(平成18年3月3日、7日お知らせ
   済み)
*6 回収作業で使用した装置
    今回の異物を吸引・回収するために設置した仮設装置で、水中ポンプ・フィ
   ルタ・ホースで構成される。

添付資料
・3号機ハフニウム板型制御棒のシース欠損部 回収部品確認状況(PDF 36.1KB)3号機ハフニウム板型制御棒シース部の未回収部分調査状況図(PDF 56.4KB) 


pdfデータをご覧になるにはAcrobatリーダーが必要です。 アクロバットリーダー

ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Xアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします
  • 東京電力 公式LINEアカウントのご案内ページへリンクします