平成17年11月24日
東京電力株式会社
当社は、本日(現地時間11月23日)、サハリンIIプロジェクト向けのLNG船
の保有を目的とする新会社「シグナス・エルエヌジー・シッピング株式会社」
(Cygnus LNG Shipping Limited)をバハマ国ナッソー市に設立いたしました。
なお、設立にあたりましては、日本郵船株式会社、三菱商事株式会社から出資
参加をいただきました。
当社は、LNG調達における取引形態の多様化と調達コストの低減を目指して、
既にLNG船等を活用したFOBによるLNG調達スキーム[注1]を導入し、平
成12年からLNG船の保有ならびに運航事業を進めております。
このたび設立した新会社は、当社LNGプロジェクトからのLNG船としては
第4船目の保有を目的としており、平成21年1月より、サハリンIIプロジェクト
(別紙2参照)のLNGの輸送を行う予定です。
また、新会社は、三菱重工業株式会社から同船の引き渡し(平成20年12月予定)
を受けるとともに、同船の船員手配や保守・管理については、今後、日本郵船株
式会社に委託する予定です。
さらに、同船の運航管理業務については、当社子会社「エルエヌジー・マリン・
トランスポート株式会社」[注2]が、今後、新会社と定期用船契約[注3]を締結
し、担当いたします。
当社は、今後とも、LNG船の保有・運航事業で培ったノウハウを活用して、
低コストで安定したLNG調達・輸送事業に取り組んでまいります。
以 上
[注1]LNG船等を活用したFOBによるLNG調達スキーム
当社は、既に、子会社が保有するLNG船を活用するなどしてLNG
船運航事業を行っている。具体的な事例は3件あり、以下のとおり。
なお、FOB(Free on Board)とは、LNGが、売主の出荷基地で
LNGタンカーに積み込まれた時点で、所有権ならびに危険負担が売主
から買主に移転する取引。買主側が海上保険、海上輸送の手配を行い、
保険料や運賃の負担は買主が負う。
<第1船>
マレーシアプロジェクト向けに、LNG船保有子会社「パシフィック・
エルエヌジー・シッピング株式会社」(Pacific LNG Shipping Limited,
平成12年12月設立)所有のLNG船を平成15年10月から運航中。
<第2船>
ダーウィンプロジェクト向けに、LNG船保有子会社「パシフィック・
ユーロス・シッピング株式会社」(Pacific Eurus Shipping Limited,
平成14年2月設立)所有のLNG船を活用し、平成18年4月から運航開
始予定。
<第3船>
ダーウィンプロジェクト向けに、日本郵船子会社とLNG船に係わる
定期用船契約を平成16年12月に締結。平成20年4月から運航開始予定。
<参考>
九州電力が購入を予定しているLNGプロジェクト(未定)向けに、
九州電力と当社その他で設立したLNG船保有会社「パシフィック・ホ
ープ・シッピング株式会社」(Pacific Hope Shipping Limited,平成17
年8月設立)が保有するLNG船(平成21年3月引き渡し予定)の運航
管理業務を、当社子会社「エルエヌジー・マリン・トランスポート株式
会社」が担う予定。
[注2]「エルエヌジー・マリン・トランスポート株式会社」
(LNG Marine Transport Limited)
所 在 地:東京都港区新橋一丁目1番1号
社 長:川口 信(かわぐち まこと)
設 立 日:平成16年10月5日
事業内容:液化天然ガスの海上輸送事業及びその代理業。
当社が導入を決定している3隻のLNG船(1隻は運航中)
ならびにこのたびの新会社が保有するLNG船(第4船)、
さらには九州電力とのLNG船共同保有会社「パシフィッ
ク・ホープ・シッピング株式会社」が保有するLNG船の
運航管理業務を担う。
資 本 金:9,500万円
出資比率:東京電力(株)70%、日本郵船(株)15%、三菱商事(株)15%
[注3]定期用船契約
船舶の使用者が、その船舶の所有者と取り交わす契約形態の一つ。あ
る一定期間を定め、使用者がその船を用船(チャーター)することをい
う。使用者は所有者に対し、用船料を支払う。
添付資料
・別紙1:新会社ならびにLNG船の概要(PDF 15.3KB)
・別紙2:サハリンIILNGプロジェクトの概要(PDF 23.4KB) |