平成17年9月5日
東京電力株式会社
当社が炭素クレジット(注1)を購入する予定の「チリにおけるメタン回収プロ
ジェクト」(平成16年8月24日お知らせ済)が、9月2日、国連のCDM理事会
により、当社が関わるプロジェクトとしては、初めてクリーン開発メカニズム
(CDM)(注2)プロジェクトとして登録されました。
本プロジェクトは、チリの大手食品加工業者であるアグロスーパー社(注3)が、
同社の5つの養豚場において、排泄物の発酵にバクテリアを利用する最新鋭の閉
鎖式し尿浄化処理施設を設置し、CO2の約21倍の温室効果があるメタンガス
(注4)を回収して燃焼させるもので、年間約40万トン(CO2換算)という温
室効果ガスの大幅な削減が見込まれております。
当社は、本プロジェクトにより創出される炭素クレジットを、2004年から2012
年まで(注5)の9年間に約200万トン(CO2換算)購入することとしており、C
DMプロジェクトとして国際的な認定を受けるために、本年7月、アグロスーパ
ー社が国連に登録申請をしていたものです。
今後は、国連の指定運営組織(注6)より、温室効果ガス排出削減量の検証およ
び認証を受け、炭素クレジットが発行されることとなります。
当社は、環境保全を経営の最重要課題の一つと位置づけ、国内において地球温
暖化対策を積極的に進めるとともに、世界銀行の「炭素基金」や「バイオ炭素基
金」への出資など、海外プロジェクトへの協力による炭素クレジット取得に向け
た取り組みも先駆的に進めております。今後とも、国内外における環境保全に関
する取り組みを積極的に推進してまいります。
以 上
添付資料
・資料1:「チリにおけるメタン回収プロジェクト」の概要(PDF 15.5KB)
・資料2:クリーン開発メカニズム(CDM)プロジェクトの流れ(PDF 8.9KB)
(注1)炭素クレジット
先進国・移行経済国において、温室効果ガス排出量との相殺に使用できる削減
・吸収量の権利。
(注2)クリーン開発メカニズム(CDM:Clean Development Mechanism)
先進国・移行経済国が、途上国において温室効果ガス排出削減(または吸収増
大)プロジェクトを実施し、その結果生じた排出削減量等をクレジットとして取
得する仕組み。共同実施(JI:Joint Implementation)、排出量取引(ET:
Emission Trading)と並ぶ京都メカニズムの一つ。
京都メカニズムとは、1997年に京都市で開催された国連気候変動枠組条約第3
回締約国会議(COP3)で採択された「京都議定書」において定められた、温室効
果ガス削減をより柔軟に行うための経済的メカニズム。
(注3)アグロスーパー社
・名 称: Agricola Super Limitada
・本社所在地: チリ国ランカグア市
・会 長: ゴンサロ ビアル氏(Mr. Gonzalo Vial)
・設 立: 1982年
・事業内容 : ・食品生産、加工、販売会社を束ねるチリ最大の食肉加工グル
ープ(アグロスーパーグループ)傘下の企業。
・鶏、豚の育成(約2,000の鶏舎、豚舎を所有)、加工が主要
な業務であり、年間約20万トンの食肉を生産。
・アジア市場での食肉、果実、ワインの流通促進を狙い、2004
年に東京事務所を開設。
(注4)メタンガス
メタンガスはCO2の約21倍の温室効果があるため、燃焼させてCO2と水に
分解することにより、温室効果ガスの削減効果が得られる。
(注5)2004年から2012年まで
2004年については、炭素クレジットの発行後に、遡って購入することとなる。
(注6)国連の指定運営組織
国連のCDM理事会が指定する第三者機関で、CDMプロジェクトとして適格
かどうか評価・判断する有効化審査や温室効果ガス排出削減量の検証・認証を行
う。
[参 考]
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