平成16年7月15日
東京電力株式会社
当社・柏崎刈羽原子力発電所1号機(沸騰水型、定格出力110万キロワット)は、
定格熱出力一定運転中のところ、平成16年7月9日午前3時11分頃、「発電機地絡
トリップ」の警報発生により発電機の保護装置が作動し発電機が停止、これにとも
ない原子炉が自動停止いたしました。(7月9日お知らせ済み)
現場にて目視点検を行ったところ、タービン建屋地下1階に設置されている発電
機用の3つの計器用変圧器*1のうち1つの変圧器の絶縁材にひびを確認いたしま
した。当該変圧器を調査した結果、高圧側の巻線(コイル)の抵抗値に異常が認め
られ、絶縁材内部に局部的な短絡(ショート)の跡が確認されました。なお、他の
2つの変圧器に異常はありませんでした。
また、プラントの運転状況についても確認いたしましたが、原子炉および発電機
本体に問題はなく、事象発生時における発電機まわりの各種測定データにも異常は
確認されませんでした。
以上の調査結果から、当該変圧器の高圧側巻線間の絶縁不良により局部的な短絡
が発生して大地に電流が流れ、それを発電機地絡継電器*2が検知し、動作したこ
とにより、発電機が停止したものと推定いたしました。
損傷が確認された当該変圧器は新品と交換するとともに、他の2つの変圧器につ
いても新品と交換いたしました。
なお、今回のように発電機が停止した場合には、直ちにタービンが停止し、これ
にともない原子炉も安全に自動停止するしくみになっております。
1号機については、本日午後8時頃から原子炉の起動操作を行う予定です。
以 上
*1 計器用変圧器
発電機の電気的状態を計器や継電器(発電機保護装置)等に伝える際に、
発電機からの高電圧を適当な電圧に下げる装置。
*2 発電機地絡継電器
発電機または発電機まわりに不具合が生じた場合、発電機を保護し安全
に停止させるために継電器が設置されている。これらの継電器のうち地
絡継電器は、発電機および発電機まわりの地絡による影響を防止する目
的で設置されているもの。
添付資料
・系統概略図・地絡にいたったメカニズム(PDF 14.9KB)
・計器用変圧器外観図(PDF 45.5KB) |