平成13年６月14日 
                                              東京電力株式会社

　当社は、本日、福島第一原子力発電所２号機（所在地：福島県双葉郡大
熊町、沸騰水型、定格出力78.4万キロワット）及び福島第二原子力発電所
２号機（所在地：福島県双葉郡楢葉町、沸騰水型、定格出力110万キロワッ
ト）の定期安全レビュー報告書を取りまとめ、経済産業省へ提出しました。
　定期安全レビュー（PSR:Periodic Safety Review）は、既設の原子力発
電所の安全性・信頼性のより一層の向上を目的に、発電所での運転経験、
技術的知見及び確率論的安全評価にもとづき、原子力発電所の安全性等を
総合的に評価するもので、平成４年６月に通商産業省（現：経済産業省）
より実施の要請を受け、自主保安活動の一環として、約10年ごとに実施し
ているものです。
　今回対象とした福島第一原子力発電所２号機は、昭和49年７月（当社で
２番目）に営業運転を開始した沸騰水型軽水炉で、今回の報告は、平成７
年10月に行った第１回目の報告に引き続いて２回目の報告となります。な
お、今回は平成11年６月の通商産業省（現：経済産業省）の要請により、
30年目を迎えるにあたって実施する高経年化対策についても追加して評価
しています。
　また、福島第二原子力発電所２号機は、昭和59年２月（当社で８番目）
に営業運転を開始した同型の軽水炉で、同発電所では１号機（平成12年５
月に報告）に引き続いての報告となります。
　両報告書とも、これまで自主保安として実施した活動の成果を体系的に
評価し、取りまとめたものです。

　福島第一原子力発電所２号機及び福島第二原子力発電所２号機で実施し
た定期安全レビューの概要は次のとおりです。


１、運転経験の包括的評価
　運転管理、保守管理、燃料管理、放射線管理及び環境モニタリング、
放射性廃棄物管理、事故・故障等発生時の対応及び緊急時の措置、事故
故障等の経験反映状況について各分野ごとに運転開始以降現在までの各
種データのトレンド、（福島第一原子力発電所２号機は前回のＰＳＲ以
降現在までの）設備や管理の改善状況等を整理した。この結果、発電所
の安全性等を維持向上させる諸活動は、国内外の事故・故障等の教訓等
を適切に反映し、運転開始当初より改善されてきており、安全性・信頼
性は高い水準にあることを確認した。

２、最新の技術的知見の反映
　運転開始以降（福島第一原子力発電所２号機は前回のＰＳＲ以降）、
新たに得られた技術的知見が安全性向上のため、適切に設備へ反映され
ているかどうかを評価した。この結果、最新の技術的知見が設備の改善
や原子炉の安全性評価手法等に適切に反映され、安全性の向上が図られ
てきていることを確認した。

３、確率論的安全評価
　確率論的安全評価を実施して、プラント運転時の炉心及び格納容器の
健全性の維持のための安全上の特徴及びプラント停止時の炉心の健全性
の維持のための安全上の特徴を把握した。この結果、プラント運転時に
ついては、原子炉の停止、炉心の冷却、放射性物質の閉じ込めといった
基本的な安全機能により、本原子炉施設の安全性が十分確保されている
こと及び整備したアクシデントマネジメント策の効果が十分に認められ
ることを確認した。また、プラント停止時についても、適切な設備運用、
運転管理により、本原子炉施設の安全性が十分確保されていることを確
認した。

４、高経年化対策（福島第一原子力発電所２号機）
　運転開始後60年の運転を仮定した場合の機器等の健全性及び現状保全
に対する妥当性を技術評価するとともに、高経年化に際し追加して実施
すべき項目を長期保全計画として策定し、適切な保全を行うことにより
安全に運転を継続することに問題がないことを確認した。

　今回の定期安全レビューの結果、福島第一原子力発電所２号機及び福島
第二原子力発電所２号機の安全性・信頼性が高い水準にあることを確認い
たしました。これは、厳格な運転管理や設備の更新・改良等を含む予防保
全を基本とした、適切な保守管理や国内外の事故・故障等の経験に基づく
再発防止策の的確かつ継続的な実施による成果であると考えております。

　当社は、今回の定期安全レビューの結果を踏まえ、さらに原子力発電所
の安全性、ならびに安全に対する取り組みについて引き続き一層努力し、
社会の一層のご理解と信頼を得てまいりたいと考えております。

　                                                      以　上