平成20年度入社式挨拶(要約)
平成20年4月1日
東京電力株式会社
社長 勝俣 恒久
東京電力は、「安定供給(Energy security)」、「経済性(Economy)」、「環境性(Environment)」という“3つのE”を同時に達成し、持続可能な社会の構築に貢献することを基本的使命としているが、昨年7月に発生した新潟県中越沖地震により、現在、柏崎刈羽原子力発電所の全7基が停止中であり、当社は、これら“3つのE”のすべての面において、創業以来の未曾有の危機に直面している。
しかし、グループの総力を結集すれば、必ず難局を克服できると信じている。
「ピンチの時に入社した社員は伸びる」と言われている。是非、この言葉を実現し、新たな東京電力グループの創造に向け、その一員として、大いに活躍して欲しい。
皆さんが配属となる現業第一線の職場には様々な仕事があるが、そこで働く社員には「強い責任感と使命感」、「職場の仲間と力を合わせる協働力」という、「TEPCOスピリッツ」が根付いている。
例えば、新潟県中越沖地震が発生した際にも、自宅が被災したにもかかわらず、地震発生から2時間足らずの正午には、150人を超える社員が集まった。劣悪な環境で、睡眠も不十分であったものの、現場は一体感に溢れ、誰もが前向きで、発電所の安全確保と復旧作業に全精力を傾けていた。
皆さんには今日から東京電力の一員として、当社のよき伝統である「TEPCOスピリッツ」を、身をもって体感し、これを実践・継承して欲しい。
社会人として第一歩を踏み出すにあたってのアドバイスとして、例年申し上げていることを、二点申し上げたい。
一点目は、「人間に深い関心と愛着を持ち、直接ふれあう機会をたくさんもつことで、人間について勉強し、人間通になって欲しい」ということ。
仕事は、決して一人の人間の能力・努力だけで成し得るものではなく、人間同士の信頼関係や共感・同感・親近感といった「心のつながり」があってはじめて成し得るものである。そのためには、お客さまや上司・仲間とのフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションをしっかりとるとともに、会社の内外を問わず、人との出会いの機会を多く作るよう努力し、その出会いを大切にして欲しい。
二点目は、「仕事を面白くするためには、自分の仕事に関心を持ち、熱中して取り組むことが大切」ということ。
どんな仕事でも、全力を傾けて取り組めば、面白いことや感動することが必ず出てくる。ぜひ、自らの仕事に誇りを持ち、目の前の仕事に全力を注いで欲しい。
以 上