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平成19年度 不適合管理委員会報告情報(平成19年7月3日分)

◆ 不適合とは、本来あるべき状態とは異なる状態、もしくは本来行うべき行為(判断)とは異なる行為(判断)を言います。法律等で報告が義務づけられているトラブルから、発電所の通常の点検で見つかる計器や照明の故障など、広い範囲の不具合事象が対象になります。
平成19年7月3日(火)に不適合管理委員会で審査された不適合事象は、下記のとおりです。

   区分 1 : 該当なし

   区分 2 : 1 件
No. 号機等 不適合件名 グレード 備 考
1 4号機 定格熱出力一定運転中の4号機において、7月2日、3,4号機共通の起動用電源の点検準備作業を実施していたところ、同日午前7時51分頃、誤って4号機の非常用電源の制御電源を切ってしまった。
 このため、4号機の非常用電源に負荷としてつながっている低圧注水系(A系)、低圧炉心スプレイ系、及び非常用ディーゼル発電機(A系)が動作可能な状態にないことから、同日午前8時13分、保安規定第39条、及び第60条に定める「運転上の制限」を満足していないと判断した。
 また、復旧手順を確認していた際、非常用ディーゼル発電機計装が動作可能な状態にないことを確認したことから、同日午後0時10分、保安規定第27条に定める「運転上の制限」を満足していないと判断した。
 保安規定にもとづき、要求される措置を実施していたが、4号機の非常用電源の制御電源を復旧したことから、同日午後0時51分、「運転上の制限」を逸脱している状態から復帰した。
今後、原因について詳細に調査
As 7月2日公表済
 (PDF104KB)

   区分 3 : 該当なし

   その他 : 23 件
No. 号機等 不適合件名 グレード 備 考
1 1号機 設備監視において、原子炉冷却材浄化系逆洗受タンクに液位上昇傾向が確認されたことから、調査を行った結果、同逆洗受タンクの復水スプレイ弁(F006)にシートリークが認められたため、当該復水スプレイ弁を点検、補修 D  
2 2号機 復水器空気抽出系蒸気式空気抽出器(A)第2段空気入口弁(MO-F086A)点検において、同弁の弁体シート面(入口側)に割れが認められたため、当該弁体を交換 D  
3 2号機 中央制御室換気空調系空気調和機ファン(B)の試運転において、同ファンの風量調整を行った際、吸込側風量調整ダンパーに動作不良(固着)が確認されたため、当該ダンパー開度を手動操作し風量を調整及びダンパーを交換 D  
4 2号機 計装用圧縮空気系空気圧縮機(B)用冷却水の水源切替(「雑用水系」→「原子炉補機冷却系第2中間ループ系」)操作時、同空気圧縮機(B)のフローグラス2個(第1、3気筒用)が変形したため、当該フローグラス2個を交換 なお、原因は、冷却水の水張り不良により無通水状態となり加熱されたものと推定 D  
5 2号機 計装用圧縮空気系空気圧縮機(B)用冷却水の水源切替(「雑用水系」→「原子炉補機冷却系第2中間ループ系」)操作時、同空気圧縮機(B)の温度指示計(TI-212B)の指示値がオーバースケールとなったため、当該温度指示計を点検 なお、原因は、冷却水の水張り不良により無通水状態となり加熱されたものと推定 D  
6 2号機 高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電設備空気圧縮機(H-1)の高圧吐出弁点検において、同高圧吐出弁(潤滑油ポンプ側)に空気の漏えいが認められたため、当該吐出弁を交換 D  
7 2号機 中性子計装系点検時、中性子計装系平均出力領域モニタ(C)(APRM)に軽故障警報の発生・復帰事象の発生が確認されたことから、同平均出力領域モニタ(C)の不良が考えられるため、調査及び対応検討 D  
8 3号機 設備監視において、換気空調補機冷却系コントローラに「故障」表示の発生が確認されたため、調査後、対応検討 D  
9 3号機 運転データ採取時、主発電機固定子巻線温度記録計(TRS601)の打点1点に指示値不良(他の測定点に比べ打点温度が低い)が認められたため、調査後、対応検討 D  
10 3号機 タービングランド蒸気系グランド蒸気排風機の運転切替(A→B)時、停止した排風機(A)の吐出逆止弁にチャタリング(バタツキ)が発生したため、調査及び対応検討 対象外 ・H20年1月24日再審議にてグレード変更
「D→対象外」
11 3号機 換気空調補機冷却系において、中温用冷水ポンプに「出口温度低」表示が発生したことから確認を行った結果、同中温用冷水ポンプ出口温度調節器(TICS015)の指示値に問題がなかったことから、同表示の復帰操作を行ったが、復帰されないことが確認された。同温度調節器の不良が考えられるため、当該温度調節器を点検 D  
12 3号機 定期事業者検査「蒸気タービン性能検査(その2)」の記録確認時、同検査使用計器の校正範囲が対象測定範囲を含んでいないことが認められたため、対応検討 B  
13 3号機 復水ろ過装置の再生工程運転時、同装置プリコート材供給タンクの上蓋フランジ部より水の微少漏えい(5秒に1滴程度)が認められたため、当該タンクの上蓋フランジ部を点検 D  
14 3号機 設備パトロールにおいて、タービン建屋復水ろ過装置制御盤エリアのページング装置スピーカに拡声不良(音が出ない)が認められたため、当該ページング装置スピーカを交換 D  
15 3号機 設備監視において、主発電機固定子冷却水系貯水槽に水位上昇傾向が認められ、その後、同貯水槽に「水位高」表示が発生した。調査の結果、同貯水槽の補給水供給弁(F008)にシートリークが考えられるため、対応検討 D  
16 3号機 復水ろ過装置の再生工程運転時、同装置制御盤のプログラムタイマー画面表示器の表示不良が認められたため、当該画面表示器を調査後、対応検討 D  
17 3号機 主タービン計装系において、「タービンスラスト軸受摩耗トリップ回路除外」表示が発生、復帰する事象が発生したため、調査後、対応検討 D  
18 4号機 設備パトロールにおいて、停止中の原子炉格納容器補給用窒素ガスラインの流量記録計(F/PRS606)に指示が認められたことから、同窒素ガス流量発信器(FT-033)の不良が考えられるため、当該流量発信器を点検 D  
19 4号機 気体廃棄物処理系エリアプロセス放射線モニタ系試料採取装置において、同装置試料採取ポンプの異常停止を防止するため、同装置の流量調整を行った際、同装置試料採取ポンプの吸込圧力不足により流量調整が困難であることが確認されたため、調査後、対応検討 D  
20 4号機 高圧炉心スプレイ系ディーゼル発電設備冷却系ポンプの定例試験において、同系の海水ポンプを起動した際、同ポンプ排水ライン破裂板(D110)が破損したため、当該破裂板を交換 D  
21 4号機 設備監視において、中性子計装系局部出力領域モニタ(LPRM)検出器(24-57C)に指示値不良(ドリフト)が認められたため、当該モニタ入力を除外、及び電気特性試験を実施 D  
22 1.2号廃棄物
処理設備
除染廃液系受ポンプ(A)点検によるドレン排水作業時、ドレン水が高電導度廃液系機器ファンネルに滞留することが認められたことから、同ファンネルの詰まりが考えられるため、当該機器ファンネル排水ラインを清掃 D  
23 1.2号廃棄物
処理設備
高電導度廃液系受ポンプ(C)点検によるドレン排水作業時、ドレン水が高電導度廃液系機器ファンネルに滞留することが認められたことから、同ファンネルの詰まりが考えられるため、当該機器ファンネル排水ラインを清掃 D  

【凡 例】
公表区分 事象の概要 主な具体例
  区分1  法律に基づく報告事象等の重要な事象  ・ 計画外の原子炉の停止
 ・ 発電所外への放射性物質の漏えい
 ・ 非常用炉心冷却系の作動
 ・ 火災の発生  など
  区分2  運転保守管理上、重要な事象  ・ 安全上重要な機器等の軽度な故障
   (技術基準に適合する場合)
 ・ 管理区域内の放射性物質の軽度な漏えい
 ・ 原子炉等への異物の混入  など
  区分3  運転保守管理情報の内、信頼性を確保
 する観点から速やかに詳細を公表する
 事象
 ・ 計画外の原子炉または発電機出力の軽度な変化
 ・ 原子炉の安全、運転に影響しない機器等の故障
 ・ 主要パラメータの緩やかな変化
 ・ 人の負傷または病気の発生  など
  その他  上記以外の不適合事象  ・ 日常小修理  など

【原子力発電所における不適合事象の是正管理】

 原子力発電所では、設備の健全性を維持し、安全運転を継続するため、発電所設備の定期検査や運転中の巡視点検、定例試験、点検・修理等を行っております。その中で、「不適合」が発見された場合には、「不適合管理マニュアル」に基づき、必要な是正措置を講じることとしております。
 * 「不適合の定義」(JEAG4101-2000より)
   本来あるべき状態とは異なる状態、もしくは本来行うべき行為(判断)とは異なる行為(判断)

○ 不適合管理グレード分け(不適合管理委員会にて決定)
管理グレード 主な具体例
 As  ・法令、安全協定に基づく報告事象
 ・プラントの性能、安全性に重大な影響を与える事象
 A  ・国、地方自治体等へ大きな影響を与える事象
 ・定期検査工程へ大きな影響を与える事象
 B  ・国の検査等で指摘を受けた事象
 ・運転監視の強化が必要な事象
 C  ・品質保証の要求事項に対する軽微な事象
 D  ・通常のメンテナンス範囲内の事象
 対象外  ・消耗品の交換等の事象


(お問い合わせ)
 福島第二原子力発電所・広報部・企画広報グループ
 電 話 0240-25-1353



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