不適合管理委員会報告情報（平成18年11月2日分）｜原子力

福島第二原子力発電所トップ

平成１８年度不適合管理委員会報告情報（平成１８年１１月２日分）

◆ 不適合とは、本来あるべき状態とは異なる状態、もしくは本来行うべき行為（判断）とは異なる行為（判断）を言います。法律等で報告が義務づけられているトラブルから、発電所の通常の点検で見つかる計器や照明の故障など、広い範囲の不具合事象が対象になります。

平成18年11月2日（木）に不適合管理委員会で審査された不適合事象は、下記のとおりです。

　　区分１　：　該当なし

　　区分２　：　該当なし

区分３　：　２　件
No.	号機等	不適合件名	グレード	備　考
1	4号機	定期検査中の４号機において、11月２日午前10時頃、海水熱交換器建屋で残留熱除去系海水ポンプの点検作業を行っていた協力企業作業員４名が、同ポンプの回転軸（長さ約6.7m、重さ約450kg）を専用台車２台に載せ、手で押さえて移動していたところ、１台の台車が傾き、載せていた回転軸が落ち、作業員１名が回転軸と床の間に右手の小指をはさみ負傷した。このため、業務車で病院に搬送、診察の結果、「右小指挫創」と診断され、通院加療することとなった。　なお、当該作業員に放射性物質による汚染はなし今後、原因について、調査	A	・11月6日公表済　(PDF69.1kB)
2	1.2号廃棄物処理設備	11月２日、1.2号廃棄物処理建屋１階沈降分離槽室の沈降分離槽（Ｂ）点検のため、当該槽の洗浄水を隣接する沈降分離槽（Ｃ）に移送する作業を行っていたところ、10時55分頃、当該沈降分離槽室での水の漏えいを示す警報が発生した。現場を確認したところ、当該作業で使用していた仮設ホースが固定していたロープより外れ、移送中の水が沈降分離槽ピット内（堰内）に漏れていることが分かった。このため、水の移送作業を中止し、漏れた水を沈降分離槽（Ｃ）に回収した。漏れた水の量は、約3,150リットル、放射線量は、約5.5E+5ベクレルであった。　今後、原因について調査	A	・11月6日公表済　(PDF63.0kB)

その他　：　１３　件
No.	号機等	不適合件名	グレード	備　考
1	2号機	タンクベント処理系タンクベント排風機（Ｂ）試運転時、小流量時における系統流量が安定しないことから、インレットベーンの制御不良と考えられるため、調査及びインレットベーンを点検	D
2	3号機	シャワードレン系受タンク液位検出器（LE001）点検（指示動作確認）時、指示値不良（ハンチング）が認められたため、当該液位計を点検	D
3	4号機	タービンバイパス弁の浸透探傷検査において、同弁４台（No.２、４、６、８）の弁座の廻り止め溶接部に指示模様が認められたため、当該部を補修	D
4	4号機	タービン蒸気加減弁（No.３）のスイッチロッド用ブッシュ間隙寸法測定において、上部ブッシュ間隙寸法に許容値外れが認められたため、当該ブッシュ部を点検	D
5	4号機	主タービン点検に伴う高圧タービン上半車室の浸透探傷検査において、同上半車室のインサートリング（車室内からの蒸気漏れを防止するシール機能を有する）溶接部に線状指示模様が認められたため、当該溶接部を補修	D
6	4号機	主タービン点検に伴う低圧タービン（Ａ）上半内部車室の浸透探傷検査において、同上半内部車室の溶接部（140箇所）に指示模様が認められたため、当該溶接部を補修	D
7	4号機	活性炭式希ガスホールドアップ装置の再生ガス加熱器ヒータエレメントブロック（Ａ）温度検出器（TE-043A）点検において、絶縁抵抗測定値の判定値外れが認められたため、当該温度検出器を点検	D
8	4号機	主タービン制御系組合せ中間弁のストレーナリベット溶接部の浸透探傷検査において、同弁２台（F003B：No.2弁、F003E：No.5弁）のストレーナリベット溶接部に指示模様が認められたため、当該溶接部を補修	D
9	4号機	電気油圧式制御装置油タンク液位指示スイッチ（LIS-041）点検後の取付復旧時、同計器取付フランジ締付けボルトを規定締付けトルク値で締め付けたところ、当該フランジ面にひび割れが生じたため、当該フランジを交換及び原因を調査	D
10	4号機	主タービン点検による低圧タービン（Ａ）上半内部車室点検において、防熱板に開口の発生（２箇所）、ワッシャーの緩み（25箇所）、ワッシャーの侵食（１箇所）、及びワッシャーカシメ部侵食（23箇所）が認められたため、防熱板を補修、及びワッシャーを溶接補修	D
11	4号機	補機冷却海水系配管点検において、配管フランジ（接続部）用スぺーサの内面ライニングに剥離が認められたため、当該ライニングを補修	D
12	1.2号廃棄物処理設備	低電導度廃液処理系収集槽（Ｂ）点検に伴う同収集槽（Ｂ）入口弁（F102B）の閉操作時、同弁にシートリークが認められたため、当該弁を点検	D
13	その他	一次水処理設備前処理設備現場盤点検において、ポンプスペースヒータ回路の絶縁抵抗測定値に判定値外れが認められたため、当該回路を調査及び補修	D

【凡　例】

公表区分	事象の概要	主な具体例
区分１	法律に基づく報告事象等の重要な事象	・計画外の原子炉の停止　・発電所外への放射性物質の漏えい　・非常用炉心冷却系の作動　・火災の発生　　など
区分２	運転保守管理上、重要な事象	・安全上重要な機器等の軽度な故障　　　（技術基準に適合する場合）　・管理区域内の放射性物質の軽度な漏えい　・原子炉等への異物の混入　　など
区分３	運転保守管理情報の内、信頼性を確保　する観点から速やかに詳細を公表する	・計画外の原子炉または発電機出力の軽度な変化　・原子炉の安全、運転に影響しない機器の故障　・主要パラメータの緩やかな変化　・人の負傷または病気の発生　　など
その他	上記以外の不適合事象	・日常小修理　　など

【原子力発電所における不適合事象の是正管理】

　原子力発電所では、設備の健全性を維持し、安全運転を継続するため、発電所設備の定期検査や運転中の巡視点検、定例試験、点検・修理等を行っております。その中で、「不適合」が発見された場合には、「不適合管理マニュアル」に基づき、必要な是正措置を講じることとしております。
　＊　「不適合の定義」（JEAG4101-2000より）
　　　本来あるべき状態とは異なる状態、もしくは本来行うべき行為（判断）とは異なる行為（判断）

○　不適合管理グレード分け（不適合管理委員会にて決定）

管理グレード	主な具体例
Ａｓ	・法令、安全協定に基づく報告事象　・プラントの性能、安全性に重大な影響を与える事象
Ａ	・保安規定に関わる不適合事象　・定期検査工程へ大きな影響を与える事象
Ｂ	・国の検査等で指摘を受けた不適合事象　・運転監視の強化が必要な事
Ｃ	・品質保証の要求事項に対する軽微な不適合事象
Ｄ	・通常のメンテナンス範囲内の事象
対象外	・消耗品の交換等の事象

（お問い合わせ）
　福島第二原子力発電所・広報部・企画広報グループ
　電　話　０２４０－２５－１３５３