福島第一原子力発電所トップ

平成14年10月25日
経済産業大臣
 平沼 赳夫 殿 
東京電力株式会社    
取締役社長 勝俣 恒久
原子炉格納容器漏洩率検査に係る問題についての中間報告

平成14・10・22原第10号の文書によりご指示のあった件につきまして、以下の通りご報告いたします。

 当社の原子力発電所で過去に実施された原子炉格納容器漏洩率検査(以下「漏洩率検査」という)において、漏洩率を低下させるために空気の注入が行われたのではないかとの問題につきましては、当社は、高度の専門性を有する社外の弁護士5氏(以下「調査団」という)に独立した立場からの調査を依頼いたしております。
 現在、調査団による調査が精力的に進められているところですが、このたびのご指示を受け、現時点での調査の進捗状況及び事案に対する見解について、調査団から報告を聴取いたしました。
 その内容は別紙のとおりでありますが、これにより、福島第一原子力発電所1号機の第15回定期検査(平成3年)及び第16回定期検査(平成4年)の期間中に実施された漏洩率検査において、空気の注入により漏洩率を低下させる作為等が行われ、その結果、正確な漏洩率の確認ができず、また、その状態で国の検査を受検していた事実が判明いたしました。
 こうした不正行為が行われたことは誠に遺憾であり、深くお詫び申し上げるとともに、今後、その具体的な経緯等につき、引き続き調査団による調査を進め、早急に事実関係を明らかにし、ご報告して参る所存です。
 なお、上記の2回を除く当社の全ての原子力発電所の漏洩率検査における不正行為の有無の調査に関しましては、福島第一原子力発電所1号機の第17回定期検査以降に係るものについては調査団による直接の調査に委ね、その他のものについては当社が調査を行った結果の妥当性を調査団が審査する方法で進めておりますが、いずれにおきましても、現時点において不正行為の存在は認められておりません。
以 上





別 紙

現時点における調査団の見解
1. 福島第一原子力発電所1号機の第15回定期検査(平成3年)及び第16回定期検査(平成4年)において実施された漏洩率検査(以下「15回・16回漏洩率検査」という)について
(1) 現時点での調査の進捗状況
東京電力株式会社(以下「会社」という)から漏洩率検査の法的位置づけ及び実務について詳細な説明を受け、会社から提出を受けた15回・16回漏洩率検査に関する報告書等の内容を精査した。また、調査の進展に応じ、追加の資料提出を随時会社に対し求めている。
現地の視察を行い、漏洩率検査が行われた現場の状況を把握するとともに、現地における書類保管状況を調査した。
15回・16回漏洩率検査に当時関わった十数名の社内関係者から、調査団が直接、聞き取り調査を行った。
さらに、プラントメーカーの協力を得て、15回・16回漏洩率検査に関する資料を入手するとともに、当時、15回・16回漏洩率検査に関わったプラントメーカー関係者数名から、調査団が直接、聞き取り調査を行った。
(2) 現時点での事案に対する見解
a. 第15回定期検査における漏洩率検査について
前記(1)による調査の結果を総合すると、検査実施中の漏洩率測定時に、漏洩率を低下させる目的をもって、計装用または所内用の圧縮空気系からの空気を既存の配管を通じて原子炉格納容器内に注入し、検査を受けたという事実が存在したものと認められる。
ただ、こうした行為の具体的な経緯等は、現段階では判明していない。
b. 第16回定期検査における漏洩率検査について
前記(1)による調査の結果を総合すると、検査実施中の漏洩率測定時に、漏洩率を低下させる目的をもって、計装用または所内用の圧縮空気系からの空気を既存の配管を通じて原子炉格納容器内に注入し、検査を受けたという事実が存在したものと認められる。
また、当該漏洩率検査においては、漏洩が生じていた弁の下流側配管に、漏洩を抑止するためのいわゆる閉止板を取り付けるという行為の存在も認められた(なお、漏洩の生じていた弁については、翌17回の定期検査期間中に修理が行われたことが確認されている)。
ただ、これらの行為の具体的な経緯等は、現段階では判明していない。
2. 福島第一原子力発電所1号機の漏洩率検査のうち第17回定期検査以降に行われたもの(以下「17回以降の漏洩率検査」という)について
(1) 現時点での調査の進捗状況
会社から17回以降の漏洩率検査に関する報告書等の提出を受け、その内容を精査するとともに、社内関係者から、調査団が直接、聞き取り調査を行った。
現地の視察を行い、漏洩率検査が行われた現場の状況を把握するとともに、現地における書類保管状況を調査した。
さらに、プラントメーカーの協力を得て、17回以降の漏洩率検査に関する資料を入手するとともに、プラントメーカー関係者数名から、前記15回・16回漏洩率検査の調査にあわせて調査団が直接、聞き取り調査を行った。
(2) 現時点での事案に対する見解
現時点において、17回以降の漏洩率検査における不正行為の存在は認められない。
3. 上記1、2を除く、会社の全ての原子力発電所において過去に実施された漏洩率検査(以下「その他の漏洩率検査」という)について
(1) 現時点での調査の進捗状況
その他の漏洩率検査については、件数が200件以上に及ぶため、会社が行った調査結果の報告を受け、その妥当性を審査しているところである。
プラントメーカーに対しても関係者に対する聞き取り調査実施を依頼し、その結果について報告を受けた。
(2) 現時点での事案に対する見解
現時点において、その他の漏洩率検査における不正行為の存在は認められない。
以 上

ページの先頭へ戻ります

公式アカウント:
  • 東京電力 公式Xアカウントのご案内ページへリンクします
  • facebook公式アカウントサイトへリンクします
  • Instagram公式アカウントサイトへリンクします
  • youtube公式アカウントサイトへリンクします
  • 東京電力 公式LINEアカウントのご案内ページへリンクします