2022年6月13日
三井石油開発株式会社
東京電力リニューアブルパワー株式会社

　本日、三井石油開発株式会社（代表取締役社長：濵本 浩孝、以下「MOECO」）と東京電力リニューアブルパワー株式会社（代表取締役社長：永澤 昌、以下「東電RP」）は、主に関東地域を対象として、新たな熱回収技術（以下「新技術」）を適用した地熱発電事業に関して共同で検討すること（以下「共同検討」）に合意しました。

　新技術は、地下から熱水や蒸気を直接的に取り出して発電を行う従来型地熱発電と異なり、地下の高温岩体層に井戸のループを形成し、地上から水などを循環させることで、地下の熱のみを回収して発電を行う方式となります。
　従来型地熱発電における地下の必要条件となっている透水性（水の通り道となる亀裂部）を必要としないという特長により探査難易度を下げ、調査期間及び開発までのリードタイムを縮減できます。さらに、地下から直接的に蒸気・熱水を採取しないことにより、環境負荷を軽減できるというメリットもあります。

　共同検討では、MOECOが長年の石油・天然ガス資源開発で培った地下資源の評価・開発に関する知見・技術力と、東電RPの持つ発電所建設・運営の知見・技術力、及び自治体や住民の方々との信頼関係構築力を持ち寄り、今後、数年かけて調査対象候補地域を選定し、早ければ2025年の調査着手、その後の商業化を目指す計画となります。

　新技術は、従来型地熱発電では難しい地域での開発が可能となる点においても、地熱発電のゲームチェンジャーとなり得る可能性を秘めています。世界第三位と言われる日本の地熱資源の有効活用に向け、調査対象候補となる地域の方々のご理解をいただきながら、早期の実用化を目指すとともに、地域経済の活性化にも貢献してまいります。

MOECO　濵本浩孝 代表取締役社長のコメント：
　当社は2012年より地熱事業を開始し、現在国内の5つの事業に参画しています。特に、北海道ニセコ事業では独自の調査で非常に高いポテンシャルを確認しており、新技術の実証試験をすすめていきます。本技術は従来型の地熱発電のハードルを下げ、火山国日本の特性を生かした再生可能エネルギーの拡大につながるものです。今回の共同検討を早期の実用化とその後の展開につなげてまいります。

東電RP　永澤昌 代表取締役社長のコメント：
　このたび、MOECOと地熱発電事業の推進に向けたパートナーとなれたことを大変嬉しく思います。国内において高いポテンシャルを有する地熱発電は、再生可能エネルギーとして非常に有望な電源であり、今回の新技術を用いた共同検討は、従来開発より環境負荷を軽減できるため、自然との共生を目指す当社理念にまさに合致するものです。今後、両社の協働により新技術における課題を解決し、早期の商業化を図ることで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献してまいります。

＜合意書締結式の様子＞

＜新技術の坑井イメージ＞

以　上